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【連載】月刊ブング・ジャム Vol.50 この文具にハマってます!(その1)

本サイト編集長の文具王・高畑正幸さん、イロモノ文具コレクター・きだてたくさん、ブンボーグA・他故壁氏さんの3人による文具トークライブユニット「ブング・ジャム」が、気になる最新文房具を独自の視点から切り込んでいく「月刊ブング・ジャム」。

今回は、ブング・ジャムのみなさんに「現在ハマっています」という文房具を紹介してもらいました。

第1回目は、きだてさんです。

写真左から他故さん、きだてさん、高畑編集長*2020年11月7日撮影
*鼎談は2021年4月12日にリモートで行われました。

今、多機能ペンが面白い!

――今回のテーマは、「今ハマっているもの」です。みなさんがハマっていると感じている文房具を紹介して下さい。

【きだて】えーとね、前々回に「自分は多機能ペンに全然興味ない」という話をしてたんだけどね(こちらの記事を参照)。

【他故】ああ、言ってたね。

【きだて】今までは自分用として積極的に使うことは無かったんだけど、それでいいのか?という思いはあって。ここ数年、高校生向けの媒体で文房具を紹介する連載をやらせてもらってるんだけど、高校生の人たちって多機能ペンにめちゃくちゃ興味があるのね。

【他故】そうなのね。

【きだて】んで、これは「興味ない」で済ませておくわけにもイカンなと思って、改めてあれこれ触ってたら、なんか楽しくなって来ちゃってさ。

【他故】ははは(笑)。

【きだて】なので、今ハマっているというと多機能ペンかなと思って。

【他故】あ~そういうことなんだ。じゃあ、色々試してるの?

【きだて】そりゃ今までだって、レビュー記事を書くときはちゃんと使い込んで試してはいたんだけど、その場合も商品単体を見てるだけで、多機能ペン全体はちゃんと見てなかったな、と。

【高畑】なるほど。ジャンルとしての多機能ペンだね。

【きだて】そうそう。で、そういう見直しの直接のきっかけになったのは、これだね。サンスター文具の「イグザミー」。

イグザミー1.jpg

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【高畑】ははは、それな。面白いよね(笑)。

【きだて】すごい面白いですよ。多機能ペンって今まで、どうしてもボールペンが主だったじゃない。

【他故】まあそうだね。

【きだて】例えば、“2+1”といったら、2は大体ボールペンなわけだよ。シャーペンっておまけじゃない。“+1”とか“+S”という感じで。プラス扱い。

【高畑】はいはい。

【きだて】「イグザミー」って明らかにシャーペンが主でしょ。

【高畑】もちろんそうだよね。だって“2+1”の数が多い方がシャーペンだしね。

【きだて】しかも、“+1”の方が黒じゃなくて赤ボールペンだという。これさ、今まで何でなかったの、というぐらい勉強にベストな構成じゃない。

【高畑】だって、これだけ目的がはっきりしている多機能ペンはないよ。多機能ペンって、どっちかっていうと「何でもできるから、とりあえず持っておけばいいよ」という感じがするじゃん。

【他故】そうだね、うん。

【高畑】そうじゃなくて、これは明確な意図を持ってるよね。

【きだて】従来だと、ボールペンが主で、あくまでもエマージェンシーツール的な扱いでシャーペンがあった。例えば「リスケの可能性が高いスケジュールはシャーペンで書いとこうかな」ぐらいの感じで、全体的にふわっとした使い方だったじゃない。

【高畑】なるほど。

【きだて】だけど、こいつはこれ1本で「バリバリ勉強しなさいね」という意図が明確に見える。製品としての使い方提案が超ハッキリしてるでしょ。その打ち出し方に対して「あっ、多機能ペンってそんなのアリなんだ」という感じで、ハッと目覚めたわけですよ。

【高畑】おお、なるほど。

【きだて】かつてぺんてるの「ファンクション357」という、シャーペンで0.3、0.5、0.7の3つが一緒になったというのがあったけど、あれは勉強用というより、製図用とか仕事用だったわけじゃない。

【高畑】製図ペンがバラバラだったのを1本にまとめました的な立ち位置だったよね。

【きだて】そうそう。対して「イグザミー」は、0.5のシャーペンはメインでノート取るのに使うよね。ノートで作図したりするには0.3のシャープも欲しいでしょ。あとはマル付けとか章題みたいな部分に赤ボールペンあると便利だよね。……って感じで、勉強に必要な機能のオールインなわけ。

【他故】ほう。

【きだて】さらに言えば、そもそも高校生のペンケースなんて常にパンパンに膨れてるんだから、ちょっとでもカサを減らしたいわけじゃん。確実に使用頻度の高い筆記具3本が1本にまとまるんだったら、最高でしょ。で、値段も税込660円じゃん。この値段は割と野心的だと思ったのね。

【他故】ああ、そうだね。

【きだて】だって、0.3と0.5のシャーペンを買って、2つで400円ぐらいじゃん。それで赤ペンが150円くらいで、全部合わせて600円行かないんだけど、でもそれが1本にまとまる分が50円と考えると、もうそれで充分じゃない。

【高畑】シャーペン200円ということはないよね。今わりと高機能が普通だし、300円くらいはするよね。

【きだて】300円くらいか。

【高畑】だから、赤ペンがおまけぐらいにはなるよね。それで、これって学生以外はまるで刺さらなくない?

【きだて】そうなのよ(笑)。一応、社会人でも資格試験とかあるじゃない。

【高畑】ああ、その勉強用に。

【きだて】とにかく、勉強用のみなのよ。高校生用というか勉強という一つの目的に対してあるという。

【他故】うん。

【きだて】何かね、その振り切りっぷりが面白いというか。

【高畑】確かに。

【きだて】ただ、「いまどのペン先が出てるか」を示すインジケーターがなかったりとか、不便はあるんだよ。

【高畑】まあね。1,000円クラスになってくるともっとあるけどね。

【きだて】でも、高校生がメーンで使うものでさ、自分のお小遣いで買うとすると、1,000円オーバーというのはね。

【高畑】その600円というのも、学生に合わせてあるよということなんだね。

【きだて】という風に思ったんだよ。できれば欲しかった機能を削ってでも、600円ぐらいに抑えようという意気込みは感じられた。

【高畑】なるほど。

【きだて】ボールペンの多色だと、リフィルの先に色をつけて分からせるとかあるじゃない。でも、シャーペンの0.3と0.5の区別なんて、肉眼じゃ分からないよね。

【高畑】でも、学生は目がいいからな。基本的には、ペン先を見て選べだよね。

イグザミー2.jpg【きだて】マジかよ。パイプの太さで? 構造的には、今なにを選んでるという矢印つけられないからさ。

【高畑】まあ、そうだね。でも、そこは老眼のおじさん3人と違って大丈夫なんじゃない。

【他故】ははは(笑)。

【きだて】高校生なら0.3と0.5のシャーペンの見分けがつくのか?

【高畑】0.3と0.5なら分かるんじゃない。

【きだて】見分ける?

【他故】見分けるんだよ、きっと。

【きだて】写真撮って拡大すれば分かるけど。普通に分かるの?

【高畑】でも、ノートに書くときに、普通に0.3と0.5を使い分けてるんでしょ。使い分けてるんだったら分かるんじゃないかな。僕らオタクだからあれだけど、学生時代は0.3と0.5はペン先を見て分かったかな。それに、カチカチやったらどっちかが出てくるじゃない。さっきのより細いか太いかは分かるような気がするけど。そんなことない?

【きだて】う~ん、どうなんだろうね。

【高畑】分かるんじゃないかな。サンスター文具は、この前に赤ペンのない「ニコロ」っていうのを出してるんだよ。

【他故】ああ、あったね。

【高畑】あれもめちゃ売れてたみたいだからね。

【きだて】あの、「ファンクション35」と言われてるやつね。

【高畑】そうそう(笑)。

――「ニコロ」は0.3と0.5のシャープなんですっけ?

【他故】そうですね。

【高畑】要は、ノート細かくとりたい人には0.3がいいけど、テストの答案を書いたりとかちゃんと書こうと思ったときは、0.3だと細くて力をかけられないから0.5を使うとか、そこら辺は色々で、普通にノートをとるときは0.5で、図を描くときは0.3という人もいるし、きれいなノートにするために使い分けている人が結構いるよねという話らしいんだけど。

【きだて】あと、他にこれも面白いなと思った。

【高畑】ああ、「ブレン2+S」ね。

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【きだて】こっちはボールペンが主なんだけどさ。今までの多機能とか多色ペンって、ノックして芯を出すと芯先がカチャカチャするのが、よりハッキリ感じるでしょ。

【他故】ああ、まあ分かる。

【きだて】それに対しての、ブレンシステムの相性の良さはすげーなと思って。この形式だと、シャーペンまでブレンシステムが効くわけでしょ?

【高畑】そうだね。先端のキャッチャーがギュッとなってるのが。

【他故】そうそう。

【きだて】先っぽで抑えるわけだね。それもすごい書きやすくて。

【他故】でも、「ブレン2+S」ってシャープのノックボタンが一番でかいわけじゃん。

【きだて】一番でかいけど、押しにくいの。

【他故】これ押しにくい?

【きだて】まずシャーペンを選ぶのにノックするでしょ。そしたらボタンがすごく沈み込むんだよ。

【他故】ああ沈むね。

【きだて】そこからさらに芯出しでノックしようとすると、相当に指に力をいれないと難しい。

【他故】そうかそうか、ノックがしづらいんだ。

【きだて】しかも、ノックボタンの天面が下に傾いてるし、フチは丸みがあるしで、指がすごくかけづらいんだ。

【高畑】なるほど、分かるよ。

【きだて】俺がノックしようとすると、親指に跡が残るぐらいに押しつけないとできないの。

【高畑】このノックボタンは、割と爪を立てるタイプだね。

【きだて】ああ~爪か。

【高畑】俺は割と爪を立てるタイプ。

【きだて】俺はいつも爪を短く切っちゃうからな。

【他故】ははは(笑)。引っかけられないか。

【きだて】引っかからないんだよ。

【高畑】なるほど。

【きだて】こいつのボディは、ノックボタンまで含めて「ブレン3C」と全く同じじゃない。

【高畑】まあそうだね。

【きだて】ボールペンのリフィルを出すだけだったらこれで良かったんだけど、シャープノックだとさらに押し込まないといけないので、そこが問題なんだ。

【高畑】だけど、芯を出して書こうとするとブレが少ないという。

【きだて】そう、ブレない。そういう点では本当に効果的。

【他故】うん。

【きだて】あとはこれだよね、「ドクターグリップ」の0.3/0.3(関連記事)。

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【他故】0.3/0.3ね。

【きだて】どこを押しても細いという安心感。

【他故】ははは(笑)。安心感か。

【きだて】俺は基本的に細字が好きだからさ。0.3のボールペンを使っていて、その直後にシャープの0.5を使うのって気分的に萎えるんだ。

【高畑】ボールペンで0.3とか0.38を使ってると、シャープペンの0.5って太く感じるよね。

【他故】分かる、分かる。太過ぎるよね。

【きだて】だから、0.3/0.3っていいんだよね。ここしばらく、こうしたコンセプトがはっきり目立ったものが出てるのを再確認して、多機能面白いなと思ったわけです。

【高畑】そうなのよ。それはそうだと思う。多機能が今までと違う。そこに何かしらの意図を持った組み方とか見せ方をするようになってきているよね。

【きだて】昔は「多機能」というだけで、「おっ、すげーな」という感じがあったわけじゃない。「シャーボ」以来。

【他故】うん。

【きだて】そろそろ、多機能だけでは生きていけないなというのを、メーカーが明確に意識しているような気がする。

【他故】「多機能だけでは生きていけない」(笑)。

【高畑】それだけじゃ驚かないぞと。

【きだて】そう。もうユーザーも、多機能ぐらいじゃ驚かないというのがあるわけじゃない。

【他故】そういうことか。

【きだて】俺らも、普通に「2+S」とか「3+S」が出ても「あ~はいはい」で済ませてきたわけじゃない。現に俺はそれで済ませてきたから、今の多機能ペンの面白さに気付くのが遅れちゃったんだけど。

【高畑】なるほどね。確かに多機能は面白くなってきてるよね。そう思うよ。

【きだて】ブレンはまたちょっと違うけど、シャープがおまけで終わっていない「イグザミー」と「ドクターグリップ」は、注目するに値するなと思って。

【他故】おお、なるほどね。

【きだて】ゼブラはゼブラで、2年前になるかな、「デルガード」の多機能ペンを出したじゃない(デルガード+2C)。

【高畑】デルガードのあれはすごいよね。

【きだて】あんなちっさいシャープユニットでデルガードにできるんだっていう(笑)。

【高畑】そうそうそう(笑)。

【きだて】ゼブラのは、そうやってシャープを活かす傾向にあるなと思って。それこそ「シャーボNu」とかもそうじゃん。

【他故】「シャーボNu」もそうだよね。

【きだて】今までシャープに注目して多機能ペンを見ていなかったけど、ちょっとアリだな。

【他故】いいじゃないですか。

【きだて】また高校生の話に戻るけど、結構ボールペンでノートをとる子もいるので、ボールペンは要る。でも、学校生活を送る上で必要な筆記具はシャーペンなのよ。

【高畑】それはそうだね。

【きだて】テストは当然、シャーペンか鉛筆で書かないといけないし。学校への提出物も、標準はシャーペンなのね。だから、どっちもとなると多機能が便利だなということになるらしいのよ。話を聞いていると。

【他故】ふむ。

【きだて】それでも、高校生はシャープがメインになるので、「ああ、こういうのがあったか」という感じになるわけですな。

【高畑】なるほど。

【きだて】こんなに面白くなり始めたのって、「デルガード」の多機能が出たぐらいからかなという気もするんだけどね。他に面白いのあったかね?

【他故】面白いのねぇ。

【高畑】でも、そんなんじゃないの。

【他故】変態っぽくて面白いのだったらあったけどね。パイロットのフレフレが入っているやつで。

【きだて】フレフレの多機能ってあったっけ?

【他故】あったの。フレフレシャープとボールペン2本で。

【高畑】ボールペン2本とフレフレというのも何かすごいね(笑)。そんなのあったっけ?

【他故】あったよ。「ビートニック」っていう名前で。

【高畑】あ~、何かあった気がする。

【他故】「ビートニック」は、シャープの部分がフレフレなのよ。

【きだて】それめっちゃいいじゃんね。

【高畑】それってまだ現行?

【他故】いや、もう終売。

【きだて】Amazonでも在庫切れになってるね。

【他故】たまにこういうすごいのが出てくるところが、多機能ペンの面白いところなのかなという気もするよね。

【高畑】でも、廃番になっているところをみると、微妙という気もするけど(笑)。

【他故】確かに。そこまでは要らないという話だったのかもしれない。

【きだて】でも、フレフレ好きな人っているじゃない。頑なにシャープはフレフレという人は結構いるので。

【他故】俺は、これ割と好きだけどね。

【高畑】それいいね。面白い。

【きだて】ただ、多機能って手帳と一緒に持つことも多いじゃない。そうなると、持ち歩いて振動が加わるものにフレフレはどうなの?という話になるのかね。

【他故】あんまり関係ないんじゃないの。収納された状態で振ってても分からないじゃん。まあ、中で芯が出ちゃうけどね。

【きだて】出ちゃうよね。

【他故】そこはどうなんだろうね。あとは、シャープペンをメインで使いたいという人は、芯を補充するのが面倒くさいというのもあったんじゃないの。フレフレを使う人は、多分シャープペンをメインで使うだろうから。開けて入れるの面倒くさいとか。

【きだて】まあ、それもそうだ。

【高畑】でも、新しいフロンティア感が多機能ペンに移ってきている感はあるよね。「多機能で何かやれるんじゃないか」感は出てきてる。

【きだて】その面白いところを、サンスター文具がやっちゃったわけじゃない。

【高畑】そう。ここへ来て、サンスター文具がこのネタを持ってくるというのはね(笑)。

【きだて】いいんだよ。いいんだけど、「サンスターがやっちゃったか」っていう(笑)。

【高畑】筆記具メーカーが、もうちょい「ガチ使うぞ」という感じの1,000円クラスのやつを作ってくると、それはそれでまた面白かったかなという気がしなくもない。

【きだて】でも、ユーザーにはこの1,000円以下の値段が効いていると思うので、サンスターでよかったのかなと思うね。

【高畑】なるほどね。

【きだて】このジャンルは、まだ掘れるじゃない。シャープメインの多機能って。

【他故】うん。

【きだて】何か、各メーカーも準備してそうな気がするんだけどね。

【高畑】何か出てくる可能性はあるよね。

【きだて】「クルトガ」のユニットが、どう考えても小型化できないじゃない。

【高畑】普通に考えると、今の段階だと難しそうな気がするよね。

【きだて】三菱はやりたいんだろうけどね。

【高畑】それは、ゼブラが「デルガード」の多機能出したときに、「くっそー」って思ってるよね(笑)。

【他故】ははは(笑)。

【きだて】本当に、ゼブラと三菱はかち合うなぁ。

【高畑】クルトガといえば、この間、クルトガの機能をオンオフできる「ユニ アルファゲルスイッチ」が出たじゃない。

【きだて】はいはい。クルトガキャンセラーな。

【高畑】ああいうのができたりするし。

【きだて】あれも、商品名に「クルトガ」って入ってないじゃない。

【他故】「クルトガ」じゃなくて「アルファゲル」だからね。

【きだて】そこも面白いと思ったんだけどね。

――多分、切り替えるとクルトガの機能じゃなくなるからじゃないですか。

【きだて】あーそういうこともあるか。

【高畑】三菱としては、「アルファゲル」の方が括りとしては大きいんだよね。アルファゲルでクルトガのやつは、前にも単機能で出てるんだよ。あれも「アルファゲル」なんだよね。

【きだて】あれは、「クルトガ」の名前も入ってたんじゃないかな。

【高畑】三菱鉛筆のホームページを見ると、「アルファゲル(クルトガエンジン搭載タイプ)」となってるよ。だから、全然アルファゲルの商品なんだよね。

【他故】そうだね。

――でも、「アルファゲルスイッチ」は、多機能ペンの仲間なんですかね?

【高畑】いや、ちょっと違うかな。

【きだて】ちょっと脱線だね。

【高畑】でも、あのリボルバー機能を多機能ペンに使えそうじゃない。

【きだて】あれで、0.3/0.3を出してほしいのよ。ドクグリの0.3がちょっと書きづらいので。

【高畑】え、本当? 俺は結構気に入ってるけど。

【きだて】俺は、筆記角度がどうしても寝気味になるので、インクスキップとか起きやすい。

【他故】ああそう。

【きだて】多機能のこの芯の出し方で0.3はきついなというのは感じた。その点「ジェットストリームエッジ3」は優秀だよ。

【高畑】う~ん、そうね。

【きだて】「ジェットストリームエッジ」で多機能は期待しちゃうけどね。あれは4機能を詰め込めるのかね?

【高畑】どうだろうね?

【他故】軸を太くすればいけるという考え方もなくはないけど、どうだろうね。

【高畑】太くするのと、回転する角度が、ちょっと回したときに動く量が大きくなっちゃうから、角度が120°から90°になるので、どのぐらいできるか分からないけど、急に動かないといけなくなるから大変というのはあるよね。

【きだて】しかも、ロータリーノブ兼用でノックボタンどうするのとか、色々と問題あるよね。

【高畑】多分あると思う。

【きだて】難しいとは思うんだけど、期待はしている。とにかく、多機能ペンが今後もまだまだ面白くなりそうなら、より積極的にハマっていこうと思っている次第です。

【他故】なるほど。

【きだて】先月からの、この変わり身の早さよ。他故さんが言うのに対して、あんなに否定的だったこの俺が(笑)。

【高畑】「シャーペン要るか?」って(笑)。

【他故】「要らねーだろ」とか言ってたのに(笑)。

【きだて】いや、シャーペンあると面白いね(笑)。

(一同爆笑)

――その矛盾したところが人間的な面白さなんですよ(笑)。

プロフィール

きだて たく
小学生の時に「学校に持っていっても怒られないおもちゃ」を求めて、遊べる文房具・珍妙なギミックの付いた文房具に行き当たる。以降、とにかく馬鹿馬鹿しいモノばかり探し続けているうちに集まった文房具を「色物文具=イロブン」と称してサイトで公開。世界一のイロブンコレクターとして文房具のダメさ加減をも愛する楽しみ方を布教している。著書に『イロブン 色物文具マニアックス』(ロコモーションパブリッシング)、『愛しの駄文具』(飛鳥新社)など。
色物文具専門サイト【イロブン】http://www.irobun.com/

他故 壁氏(たこ かべうじ)
文房具トークユニット〈ブング・ジャム〉のツッコミ担当。文房具マニアではあるが蒐集家ではないので、博物館を作るほどの文房具は持ち合わせていない。好きなジャンルは筆記具全般、5×3カードとA5サイズノート。二児の父親。使わない文房具を子供たちに譲るのが得意。

たこぶろぐhttp://powertac.blog.shinobi.jp/


*このほか、ブング・ジャム名義による著書として『筆箱採集帳 増補・新装版』(廣済堂出版)と、古川耕さんとの共著『この10年でいちばん重要な文房具はこれだ決定会議』(スモール出版)がある。

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