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【連載】月刊ブング・ジャム Vol.86 超個性的なシャーペン最新アイテム その1
本サイト編集長の文具王・高畑正幸さん、イロモノ文具コレクター・きだてたくさん、ブンボーグA・他故壁氏さんの3人による文具トークライブユニット「ブング・ジャム」が、気になる最新文房具を独自の視点から切り込んでいく「月刊ブング・ジャム」。今回は、超個性的なシャープペン新アイテムについてブング・ジャムのみなさんに語っていただきました。
第1回目は、サンスター文具の「ノクフリー」です。
(写真左から他故さん、きだてさん、高畑編集長)*2023年11月11日撮影
*鼎談は2024年4月22日にリモートで行われました。
ワンコインで買えるオートマチックシャープ
――今回は、シャープペンを取り上げます。まずは「ノクフリー」です。
【きだて】「ノクフリー」は最初に使った時の印象が「うわ、懐かしい!」って感じで。
【他故】懐かしい?
【きだて】2000年代頭に、情報商材で「魔法のシャープペンシル」ってめちゃめちゃ出回ったじゃない。
【高畑】ありましたね。
【きだて】すげーあれっぽいと思って。
【他故】ああ、オートマチックの頭の感じがね。
【高畑】でも、これは中にチャックが入ってるから違うんだけどね。でも、ペン先が樹脂でできてるから、そこの雰囲気が似ちゃう感じかな?
【きだて】だから、すごい久々にこういうので書いたなというので、懐かしさがいっぱいにはなったんだけど。
【高畑】それは分かる。今のイメージのオートマチックシャープっていうのが、割と普通になってきたというか、「オレンズネロ」あたりから再燃してる感じするじゃん。それ以降のやつとそれ以前のやつって別物か、別の次元というか時間軸というか、何か分断されてるよね。まるで昔のものがなかったみたいに歴史が刻まれてるというか。
【きだて】そうそう。世代による機能面の進化って特に無いと思うんだけど、この分断はなんなんだろうね。
【高畑】オートマチックは、昔もいろいろ試行錯誤した時代はあったけど、やっぱり「オレンズネロ」の完成度がめちゃくちゃ高かったから。あと、その時にあんまりオートマチックと言ってなかったから。まあもちろん。パイロットの「オートマック」とかあったけどさ、そこら辺とはまた違う感じでネロがすごい頑張っちゃったから、それ以降のやつは、あの感じで作らなきゃいけない雰囲気でさ。それこそ「クルトガダイブ」もそうだけどさ、何か高級路線できてるけど、実は廉価帯というか、普通の普及価格帯っていうやつもあるよねっていうのはあって。この「ノクフリー」は、良いところに持ってきたなっていう気がする。オートマチックのシャープっていうのが基本的に、メカ大好き男子向けのゴツゴツしたやつで、「メタルパーツで作りました」みたいな、 2,000円、 3,000円っていう高価格帯で。それで、「安いの作ります」って言って、「オレンズ AT」が出てきたと思ったらさ、安いけどあの鬼の金棒みたいなすごくいかつい感じで出てきちゃったから、万人受けするものっていう感じはしなかったけど。
【きだて】90 年代とかに出てたオートマチックで、本当に「ノクフリー」みたいに可愛いやつもあったんじゃない。
【他故】たくさんあったよ。
【きだて】もうちょっと安くてさ 、300円ぐらいのがいっぱいあったじゃん。それが「オレンズネロ」の登場で、オートマ機構が妙にハードコアなギミックという扱いになっちゃった気がするんだよな。もうちょっと気軽で良かったのになというのもあるんで、そういう意味では「ノクフリー」のライトさって、いま改めて評価しておくべきだなと思って。
【高畑】このね、ユニセックスなデザインで出てきたのが僕は良かったなと思うんだよね。オートマチックっていうのは、何か男子が使うゴツゴツしたハードなものっていう印象じゃなくて、「誰でも使っていいんですよ」っていう感じがするよね。ここは上手いなっていう感じがするね。
【きだて】見た目的にも、二層になった透明と色つき軸とのコンビネーションがキレイだしさ。
【他故】これ、キレイだよね。
【きだて】見た目いいし、扱いやすいしさ。
【高畑】これを見てさ、例えば「オレンズ AT」 とか「オレンズネロ」とかと比べて、何か「チャックの保持力が弱い」とか、そういうこと言ってもしょうがないことじゃん。普通に使ってれば、これで十分オートマチックだよね。ちゃんとオートマチックの機構は働いてるし、使い勝手的には全然困らなかったから、思ったよりいいなっていう感じはしてるんですよね。
【きだて】使い勝手に関しては、正直言うと、先端が樹脂コーンなせいで先端視界は悪いよね。他のオートマはだいたい金属パイプだから、後退していってもなんとなく先端が見えるんだけど。
【高畑】あ~なるほどね。
【他故】どこが書けてるかよく分からないんだ。
【高畑】細くなったところからさらに芯が出てたんだけど、芯が出ているところがなくなっちゃったぽいから。なるほどね、先端が見えづらいんだ。
【きだて】細かい字を書いているときに、自分が字のどこを書いているのかすら分からなくなるから。
【高畑】イメージ的には、Appleペンシルみたいな感じがする(笑)。ちょっと、先端が尖りきってない感じが。
【きだて】先が丸いスタイラスで書いているのに近い感じ。どこで書けているか、いまいち把握しづらい。
【他故】なるほどね。
【高畑】その代わり、金属とはまた違った接触感があるよね。
【きだて】それはあるね。柔らかさというか。
【高畑】良し悪しではあるけどもなぁ~っていうところで。でも、値段が500円ぐらいじゃなかったっけ?
――税込で 495円です。
【高畑】ワンコインの価格に持ってきてるところがなかなかね。
――ワンコインでお釣りが来ますもんね。
【高畑】そう考えると、ちょうどいいよなっていう気がする。
――税込でお釣りがくるってすごいですね。
【高畑】ねぇ。それで新しい機構というか、オートマチック的な別のギミックが入っててその値段っていうのが。何もない素の状態のシャープだったら全然あるけど、それでオートマチック入れて「これです」っていうのはなかなかいいところだね。ちょっと変わってるのは、後ろの消しゴムがないんだよね。
【他故】ああ、ないよね。
【高畑】消しゴムタイプじゃなくって、後ろから直に芯を入れるコクヨの「鉛筆シャープ」(関連記事)みたいな穴が空いてるんだよね。
【他故】うん。
【高畑】だから、ここから入れりゃいい形になってるのに、キャップが付いているんだよね。
【きだて】キャップがないと芯が出ちゃうかな?
【高畑】どうかな?
――逆さにすると出ちゃうんですか?
【高畑】どうなんだろう? この状態であんまり芯を入れてないと思うから。
【他故】全然、予備芯が入っている感じがしない。
【高畑】突然、何かの拍子で芯が出たりするから…いや、出るね。
【他故】普通に出る(笑)。
【高畑】「鉛筆シャープ」は返しが付いてるから芯が出てこないけど、これは振ると出るね。
【きだて】やっぱり、キャップは要るんだな。
【高畑】だったら、消しゴムでもよかったと思うんだが。
【きだて】そこら辺もコストダウンなのかな?
【高畑】でもさ、穴を小さくするためのパーツを付けてるよ。不思議。でも、そのお陰で後ろがめっちゃキレイだよね。二重になってるところの透明感が後ろまでちゃんと続いてるから、見た目的にはこの方が収まりはいいなという気がするね。
――デザイン的な理由もあるんですかね。一体感を持たせるためみたいな。
【高畑】かもしれないし。
【きだて】何となく、ちょっとモヤッとする感じはあるんだけどな。
【高畑】そこは作った人に聞かないと分かんないけど。でも、値段も含めて考えると、必要十分なオートマチックって感じはするね。全然いいと思う。それで、この軽い感じが案外嫌いじゃなかったなっていう(笑)。他のやつもよくできてるんだけど、ゴツゴツしててやっぱり重いじゃん。どっちかっていうと全部金属でガチガチに作っちゃうことが多かったから、これ本当に新鮮に見えちゃったんだよね。
【きだて】これと、次に取り上げる「ノックペンシル」を含めて、「うん、これでいいじゃん」っていう感じがすごい強いのよね。値段なりの日用品として必要十分というか、価格帯の枠の中ではわりといいやつ、みたいな。
【高畑】「ノクフリー」に関して言うと、割と市場を拡げてる感じがするじゃない。「オートマチックが人気になってきました」というので、みんなガチガチのメカニカル系みたいなのになってるところに、ちょっと普段使いできる感じを入れてきたっていうところでいくと、購買層が違ってきそうな感じがするから。だって、これ買う人って、多分「オレンズネロ」の人じゃないもんね。
【他故】違うだろうね。
【きだて】明らかに、全然別の人でしょ。なんなら「なんとなく買ったらオートマが付いてたんだけど、意外と便利だね」ぐらいまでありそう。
【高畑】そういう意味では、「これがいいな」と思ってくれたら、オートマチックっていう選択肢もあるねっていう風になってくれるかな。文房具ダイバーシティが維持されるためにはね。「シャーペンの種類が、どんどん減ってきちゃってるよね」みたいな話を以前にしてたけど、こういう面白いものはみんなに使ってもらって、残ってくれると嬉しいな。
【きだて】我々ずっと言い続けてますけど、生態系の豊穣さは全てに優先されるべきで。
【高畑】そういう意味では、サンスターはちょっと外れ値のやつを作り続けてくれる。
【他故】孤高を守ってほしい。
【きだて】外れ値って言うな(苦笑)。
【高畑】みんなが収れんしてるときに、ちょっと外してくることによって、「そっちもありっちゃありだな」みたいな方向を示してくれる。最近のサンスターのそのちょっと変わり種文具っていうか、変わり種筆記具でその感じがあるのが上手いなっていう。逆にど真ん中で勝負できないので。
【きだて】延々とすき間突いてるだけなんだけど、大丈夫かな?
【他故】いやいやいや(苦笑)。
【高畑】これがちょっと変わってるだけだったらあんまりなんだけど、狙いどころが悪くないという気がするんだよね。ライト層とか女性とかで使ってみたいなって思う人が出てきてくれたら嬉しいなと思うし。ニッチを狙い過ぎて失敗するケースももちろんあるけどさ、これは向きが良い気がするな。
――これ、軸色が8色あるじゃないですか。トレンドに寄ったようなカラーで。ミントブルーとかラテベージュとかセピアバイオレットとか。
(左から)クールブラック・コーラルレッド・アイスホワイト・ナイトネイビー・オーキッドピンク・ミントブルー・ラテベージュ・セピアバイオレットの全8色
【高畑】これは、「象の寝言」(こちらの記事を参照)とか言ってないからまだ分かりやすくて良い。
【他故】ははは(笑)。
【高畑】実は、これと全く同じ色のロング消しゴムが一緒に売ってるんだよ。
【他故】あれ、同じ色だったっけ?
【高畑】同時発売で、スティック型のロング消しゴムを同じ色展開でやってるんだよ。
【きだて】そうなんだ、同じ色展開でやってるんだね。
【高畑】だから、「コーディネートで一緒に揃えられるよ」って言ってと思います。
【きだて】それはいいね。
――ナカバヤシの「あの・とき・いろ」みたいですよね(こちらの記事を参照)。
【高畑】ああ、そうそう。「あの・とき・いろ」のノック消しゴムを切って、シャープペンの後ろに詰められるよってやつですね。
――そういうやつですね。
【高畑】そういう作りなんだと思って、ちょっとそれが面白かったけど。まあ、共通化っていうのはある意味ではコストダウンでもあるし、でもユーザーにもメリットがあるよね。色を揃えてくれたりとかするのは。「コクヨミー」もそうだけど、色が揃ってるのは別に何か悪くないなと思うし。
【きだて】それだけで良い面も出てくるからね。全然いいと思うよ。
【高畑】お店も並べやすい感じもするし。
【きだて】「ノクフリー」は、くすみ色だけじゃなくて、もうちょっとパリッとしたコンビ色もあるのがいいね。
【他故】男女関わらず使える感じで、すごくいいよ。
【高畑】上手くバランスとったねっていう感じ。
【きだて】そんな感じがするね。
――オートマチックシャープって、やっぱりこう男の子が憧れて買うものっていうイメージがすごい強いですけど。
【きだて】どうなんだろう? 憧れはさておき、便利な道具でラクをしたい気持ちに性差はないでしょ。実際、今の女子も普通にメカニカルなシャーペン使ってるっていう話は聞くし。
――「オレンズネロ」とかああいうのを使ってるんですかね?
【高畑】オートマチックって、どちらかというとものぐさな道具じゃないですか。別に、男子とか女子とかっていうことではなく、「クルトガ」みたいなメカに比べると、どっちかっていうと「本当にめんどくさいんだよね」みたいな人が使ってくれればいいのかなと思うので、普通の普段使いでいいんじゃないのっていう気はする。これも普通にノックも付いてるから、別にオートマチックを使わなくてもいいタイプだから。普段使いのシャーペンで、書くのに夢中になっていてガリガリいっちゃうというのがないので。普通のシャーペンにこういうのが装備されてても全然構わないから。オートマチックを入れても、ない状態と比べて悪くないじゃん。トレードオフで失うものが何もないから。
【他故】ないない。
【高畑】だから、別に普通にノックして書いてもいいし。値段的にそんなめちゃくちゃ高くないんだったら、搭載しといてくれてもいいよねみたいな感じの雰囲気かな。
【きだて】そういう意味でも、ワンコイン以下っていう値段は効いてくるよな。
【高畑】グリップが真っ黒とかじゃないのもいいよね。かわいい。
【他故】いいよね。
――これは、結構万人受けしそうな感じですよね。
【他故】そう思いますね。
【高畑】これを買ってみて、「いやオートマチック使わなくてもよかったわ」っていう人は、そのまま普通のシャープペンとして使ってくれたらいいかな。
【他故】ははは(笑)。全くその通り。
【きだて】こんだけ軽いと、バランスがどうこうという話でもないしな。
【高畑】本当にこれは、軽いタイプのやつね。全部プラスチックの重さで、いわゆる金属パーツの重みがほとんどないので。ボールチャックのところも、ボール以外はプラスチックでできてるからさ。基本的には軽いよね。
【きだて】そうね。
【高畑】軽いシャーペンって高級感ないからあれかもしれないけど、「軽い方が好き」っていう人は絶対いると思うんだよね。「プレスマン」とか使う人みたいな。「プレスマン」も、「折れない」とか「芯変えなくていい」とか売りにしてるじゃないですか。軽いペンでいっぱいメモをとりたいという人にとっては。立ち聞きしながらいっぱいメモとるみたいな人で、金属の重いペンは落としちゃったりしやすいから、「軽いのがいい」みたいな人。だから、もしかしたら「プレスマン」とかぶる可能性もあるよね。
【きだて】言われてみればなるほどな。
【高畑】機動力があって軽くて、ノックとか芯が折れるとかを心配しなくてガリガリ書けるって考えたら、案外そういう使い道もあるのかもね。
――そうか、ガイドパイプが付いてるから、芯が折れないですもんね。
【高畑】芯を出さなくて書けるからね。そういう意味で「プレスマン」は芯を0.9㎜にしたんでしょ。でも、0.5の芯でも折れなければいいわけだから、そういう使い方もできるねっていう気がする。なんかそういう速記的な用途にも。ただ、めちゃくちゃ筆圧が強い人だと、金属チャックのやつの方がいいっちゃいいけど、普通に書いていればだいたいいけるね。
【他故】大丈夫だよね。
【高畑】無理にぎゅって押したりとかすると引っ込むので、「デルガード」を使わなきゃいけないような人には向いてないかな。あのぐらい筆圧かけるとやっぱり引っ込んじゃうので。
【きだて】でも、引っ込んでも、離してもう一遍書き出したら、オート効くから書き出せるじゃん。
【高畑】書き出せるけど、何回もそれをやると中で芯が削れるからあんま良くないけど、1 回や 2 回ボンって押しちゃっても全然平気だから、それは大丈夫だけど。
【きだて】ああ、そうか。
【高畑】まあ、全然良いね。良いというか、本当にもうこれでいいんじゃないっていう感じはするよ。
【きだて】俺自身の好みで言うと、先端視界が効かないっていうのがちょっと苦手なので。でも、それ以外では何の文句もないペンだと思うよ。
【高畑】確かに。
【きだて】他故さんはどうなの?
【他故】俺は、オートマチックが嫌いだから、オートマチックを切って書くんだけど。でも、ずっと書いていて、ノックがなくても書ける瞬間があるのはとてもいいと思ってるので、そういう機能としてのオートマチックはありだと思うよ、本当に。
――保険的な感じで。
【他故】そうそう。「たくさん字を書きたいな」っていう時には絶対にあると便利だし。
【高畑】他故さんが使えないかっていったら、ノックして使えばいいんでしょって話ではあるね。
【他故】まあ、僕の場合は全部それなんで。それ以外は特に引っかかるところはないです。
――オートマでしか芯が出ないって言われちゃうと困りますけどね、そうじゃないから。
【高畑】昔の「魔法の鉛筆」はオートマチックじゃないと芯が出ないから、ノックできなかったじゃないですか。あのタイプになってくると人を選ぶというか、「オートマチックでいいよ」っていう人じゃないとダメなんだけど、これはノックのパーツも付いてるから、あんまり困らないよね。
【きだて】ノックが必要なシャーペンの場合、芯が完全に出なくなって、ガリって言ってからノックする? それとも直前にはっきりと意識してノックする?
【高畑】あ、俺どっちもある。引っかかってから押すことも結構ある。
【他故】うん、それもある。
【きだて】俺は、割と事前に察知して、自分で残しちゃうというか、ちょっと多めに芯を出す癖があるので。見逃したことがないんだよ。
【他故】予知能力だよ。
【高畑】バッと書こうと思ったときに折れたりはしない?
【きだて】それはある。芯が出過ぎて折れることはある。
【高畑】それはあるんだ。
【きだて】ノックを忘れてガリってやっちゃう人なら、保険としてのオートマには価値があると思うんだけど、俺みたいに常に芯を多めに出す意識の人にとってはあまり意味がないというか。
【他故】保険としてはね。
【きだて】オートマの価値ってどの辺だろうなというので、ちょっと考えたことがあったんだけどね。
【高畑】なるほど。俺は、時々ガリっていうのを見て押すことが結構ある。割と引っかかってるね。それ考えると、確かに1 回目にガリっていうときにオートマチックが効いてくれればその瞬間は平気で、後でノックできるからいいね。
【他故】いいね。
【高畑】きだてさんに言われたみたいに、先端がもうちょっと見やすかったらいいなっていうのは確かにあるね。あるけど、それ以外で言うと、値段と使い勝手とか軽さからいうと、これ以上何かしてくれっていう気があんまりしないっていう。
【きだて】そうね(笑)。
【高畑】これになんかもうちょっとなんか付けたらいいとかいうんじゃなくて、もうこの状態がなんかちょうどいい感じなんじゃないかな。
【きだて】だから、そういう意味では、そつなくちょうど良すぎて、あんまり言うことがない。
【他故】ははは(笑)。
【高畑】確かに。文句言うでもなく。いやでもね、めっちゃ画期的かっていうと、ちょっと前にあったいろんなものを上手く組み合わせていて、このリデザインはサンスター最近得意じゃん。そんな感じはするよね。上手いな。
――デザイン処理も上手くやってますしね。
【高畑】箱がかわいいのもいいよね。
【他故】この箱がかわいいのいいよね。
【高畑】何かの集まりでさ、プレゼントをみんなで持ち寄って交換しましょうみたいなところにちょうどいい感じはする。
【他故】小学校高学年のお誕生日会とか、そういう時にちょうどいいぐらいだね。
――予算500円とかそういう時に。
【高畑】予算1,000円だったら、例えば「ノクフリー」と消しゴムと定規とかをセットにして、ちょうど1,000円とかいけそうな感じ。パッケージがちゃんとしてるから。
【きだて】箱がちゃんとしてるとプレゼントにしやすいもんな。
【他故】本当にそう思うね。
【高畑】これ、軸の色ごとにちゃんと箱の色が違うんだよね。ちゃんと中身に合わせて色も変えてあるから、本当にそこら辺は気が利いてる。
【きだて】その辺のコストも考えると、本体代は結局いくらなんだよって気もするけどな(笑)。
【他故】その辺はよくできてるんだよ。
【高畑】まあでも、いい時代だなという感じです(笑)。*次回は「ノックペンシルM1700」です
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プロフィール
高畑 正幸(たかばたけ まさゆき)
文具のとびら編集長。学生時代に「究極の文房具カタログ」を自費出版。「TVチャンピオン」(テレビ東京系列)の「文房具通選手権」では、3連覇を達成した。サンスター文具に入社し商品企画を担当。現在は同社とプロ契約を結び、個人活動も開始。弊社が運営する文房具のWebマガジン「文具のとびら」の編集長も務めている。著書は『究極の文房具カタログ―マストアイテム編―』(ロコモーションパブリッシング)、『究極の文房具ハック』(河出書房新社)、『そこまでやるか! 文具王高畑正幸の最強アイテム完全批評』(日経BP社)、『文具王 高畑正幸セレクション 一度は訪れたい文具店&イチ押し文具』(監修/玄光社)、『究極の文房具カタログ』(河出書房新社)、『文房具語辞典』(誠文堂新光社)と、翻訳を手がけた絵本『えんぴつとケシゴム』(KADOKAWA)。新著は『人生が確実に幸せになる文房具100』(主婦と生活社)。
https://bungu-o.com/
きだて たく
小学生の時に「学校に持っていっても怒られないおもちゃ」を求めて、遊べる文房具・珍妙なギミックの付いた文房具に行き当たる。以降、とにかく馬鹿馬鹿しいモノばかり探し続けているうちに集まった文房具を「色物文具=イロブン」と称してサイトで公開。世界一のイロブンコレクターとして文房具のダメさ加減をも愛する楽しみ方を布教している。著書に『イロブン 色物文具マニアックス』(ロコモーションパブリッシング)、『愛しの駄文具』(飛鳥新社)など。
色物文具専門サイト【イロブン】http://www.irobun.com/
他故 壁氏(たこ かべうじ)
小学生のころから文房具が好きで、それが高じて文具メーカーに就職。ただし発言は勤務先とは無関係で、個人の見解・感想である。好きなジャンルは書くものと書かれるもの、立つ文房具と薄いペンケース。30分間文房具のことしか語らないトーク番組・775ライブリーFM「他故となおみのブンボーグ大作戦!」パーソナリティ。たこなお文具情報室所属。
「他故となおみのブンボーグ大作戦!」番組ホームページ https://daisakusen.net/
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