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【連載】月刊ブング・ジャム Vol.59 ブング・ジャムの2022年初文具(その3)

文具のとびら編集部

本サイト編集長の文具王・高畑正幸さん、イロモノ文具コレクター・きだてたくさん、ブンボーグA・他故壁氏さんの3人による文具トークライブユニット「ブング・ジャム」が、気になる最新文房具を独自の視点から切り込んでいく「月刊ブング・ジャム」。今回は、ブング・ジャムのみなさんが2022年になって初めて買った文房具を紹介してもらいました。

第3回目は他故さんの「ロディアオーガナイザー」です。

写真右からきだてさん、他故さん、高畑編集長*2021年11月9日撮影
*鼎談は2022年1月25日にリモートで行われました。

あのおなじみのブロックメモがシステム手帳になった!

RHODIAORGANIZER1.jpg

ロディアオーガナイザー」(クオバディス・ジャパン)

――最後は他故さんお願いします。

【他故】今年最初に買ったのは何だろうとレシートを引っくり返してみたら…。

【高畑】真面目だな~(笑)。

【他故】まあ(苦笑)、それが「ロディアオーガナイザー ミニ3穴」だったわけですね。去年、「文具女子博」に行ったときに現物を見たんですよ。それで、ロディアのイメージといったらオレンジだと思うんですよね。

【きだて】まあ当然ね。あのオレンジでしょ。

【他故】今回は革のシリーズだけど、オレンジもちゃんとあるんですよ。なんだけど、ズラッと並んでいるのを見ていたら、この青がめちゃめちゃ良い色だったので、「青を下さい」と言ったら、「青だけ売り切れました」と言われたんですよ。

(一同)ほ~!

【他故】まだあの時は先行販売だったのかな? しばらく店頭に行けなくて、欲しいなとずっと思ってたときに、うちのラジオ他故となおみのブンボーグ大作戦!で新製品を紹介するコーナーがあるんですけど、そこで紹介したいと思ったので、伊東屋で注文したんですよ。

ロディアオーガナイザー3穴.jpeg

他故さんが購入した青い「ロディアオーガナイザー」(他故さん撮影)


【きだて】これを買うんだったらオレンジだと思うんだけど、青が人気なのか。で、他故さんも青が気に入ったんだね。

【他故】多分ね、人によって感じ方が違うと思うんだよ。今回のは、牛革の「シック」とヤギ革の「ブリオン」があって、牛革が黒とオレンジとこの青で、ヤギ革が黒とオレンジと白なんだよ。ヤギ革は柔らかくて、肌触りもよくて気持ちいいし、牛革はどっちかというと硬いんだけど、ツヤツヤしててこれはこれで気持ちがいい。ロディアのファンだったら、オレンジを買うかなというのは僕も思うけど、色は人の好みがあると思うので。僕は基本、青の人なので、青のものに弱いんですよ。特に染められた青って、1個1個で色が違うでしょ。触ってるうちに色が変わるかと思うと、自分の好きな青を見つけたときには欲しくなってしまうんですよ。

ロディア.jpg【きだて】うん。

【他故】開けてみると、オレンジのロディアのリフィルが入ってるわけで、「ああ、ロディアはこの色だよね」って(笑)。

【きだて】ははは(笑)。

【高畑】やっぱりそうだよね。

【他故】何が面白いって、やっぱり開けて見るとロディアだなということ。この5㎜方眼の紙がちゃんと入っていて、これが入っているとロディアだよねという感じがすごくして。この3穴が、システム手帳の3穴にピッタリ合うので、システム手帳にはさむことができるのね。だから、書き終わったあとの母艦としてシステム手帳を使うことができる。

【高畑】うん。

【他故】今までロディアのメモって、「ちぎったあとどうするの?」って思ってたんだけど(笑)、すごい重要なやつだけは手帳に貼ったりしてたのね。なんだけど、こうやって母艦があると、すごい気が楽。

【きだて】まあ、そうだね。とりあえず探すときに「あっ、これ綴じたかも」って探す余裕があるのはいいことだよ。

【他故】そう。とりあえず、「ここにある」というのを自分の中でルール付けといて、仮にここになければもう終わりと思えるので。

【きだて】だってさ、ブロックメモに書いたはずのものが「あっ、見つからない」となったときって、普通はもうゴミ箱探すしかないわけじゃない。

【他故】そうそう。ブロックメモの紙は、基本捨てるものだと僕も思ってるので。捨てないメモは、基本5×3カードに書いてるのね。だから、僕の中での使い分けはあるにはあるんだけど、「あのメモどこへやったっけ?」というのが恐ろしい状態なので、行き場があるメモがあるのはいいなというのが、今回の僕のキモの一つ。

【きだて】他故さんと文具王の紹介しているものが、奇しくも方向性が一緒というのが面白いね。

【高畑】ブロックメモがどっかへ行っちゃう問題は、やっぱりお互い気になってたんだなというのは面白いね。

【他故】ブロックメモの紙は取っておかないな。

【きだて】あれは捨てるものだよ。

【高畑】まだ比べられてないんだけど、3穴というと「プロッター」にもあったじゃない。

【他故】ああ、プロッターの3穴ね。

【高畑】紙のサイズは、今回の方がちょっとでかいんだっけ?

【他故】そうそう。プロッターの紙って、「ダイヤメモ」と大きさが違うんだっけ?

【高畑】「ダイヤメモ」じゃなくて、名刺ケースに入る大きさなんだよ。

【他故】ああそうか、名刺の大きさなんだ。細長いのよ。ロディアの方は、ロディア的な大きさというか、幅が広いんだよ。

【高畑】そこは書きやすいよね。触ってみてちょっと大きいから。プロッターのが小っちゃくて使いにくいと思ってたので、そこは良かったな。

【他故】ロディアの方が、自分のイメージの中にあるメモ帳の大きさなので。

【きだて】まあ、分かる。

【他故】確かに、こっちの方が使いやすい。紙の種類によっては、ベラム紙じゃないのも出ていて。紙質がよくてちょっと分厚いやつも出てるので、これだと人様に何か差し上げるメモとして、かなり立派な紙なので、折れたり、よれたりしない。

【高畑】ちぎらずにできるからいいよね。

【きだて】それはあるよね。

【高畑】紙は2種類?

【他故】用紙の種類は2種類。今まであったベラム紙のやつと、あと「ロディアタッチ」というシリーズに使われているマヤ紙という高級紙で、色が三つあるんだよ。グレーと白と黒があるの。

RHODIAORGANIZER3.jpg【高畑】黒い紙もあるんだ。

【他故】それで、全部ドット方眼になってる。

【高畑】そうなんだ。せっかくだから紙も買わなきゃな。

【他故】すごく書き心地いいよ。黒い紙は、金や銀のペンで書くとすごく乗りがよくて、めちゃめちゃきれいに書けるので。

【高畑】そこは「ジュースアップ」を使うといいのかな。

【他故】うん。なので、すごく気持ちよく使えるし。それで、紙の値段が全然違うんだよ。

【高畑】原紙の値段が全然違うから。

【他故】値段が全然違うので、湯水のごとく使うわけにはいかないんだけど、メモで使うのはベラム紙にして、何か変わったこととか、いいこと、人に差し上げるようなときはできるだけマヤ紙を使うみたいに、紙が何種類か入っているのも面白いかな。

【高畑】まあ、ロディアらしくないよね。ロディアってベラムなんだっけ?

【他故】基本的に今ロディアはベラム紙だよ。

【高畑】メモ帳と同じ紙?

【他故】そう。これは同じ紙。

【高畑】同じ紙か。ちょっとね、使っていて気になったのは、牛革が開ききらないことかな。

【他故】革の構造上ここ(金具のある背の部分)が膨らんでしまって、置くときに開ききらない。

【高畑】プロッターはペタンといくんだけど、ロディアは指で押さえて広げた状態じゃないと閉じようとしちゃうんだよね。

【他故】プロッターは1枚革だからベタッとなるのよ。こっちはそうじゃなくて、ここが絶対膨らむんだよね。

【高畑】手を離すと戻るでしょ? でも、他故さんのはそれでもなじんでるかな。

【他故】なじんでるよ。

【高畑】ヤギだといいのかな?

【他故】ヤギの方が柔らかい。それは間違いない。

【高畑】俺的には、戻ってくるから書きにくかったので、もうちょっと使わないといけないかな。

【きだて】クセ付けさせてったら、柔らかくなってもうちょっとちゃんと開くようになるのかな?

【他故】そうだね。それはそうだと思う。でも、机の上に置いて書くイメージじゃないのかもしれないな。

【高畑】俺もそう思った。完全に手で持って書くイメージかな。

【他故】これは、手で持って書くんだろうな。

【高畑】革の色に惚れ込んだというのは、僕もブルーなんだけどさ。

【きだて】それは、他故さんの好みのやつだったからな。

【高畑】良い色だなと僕も思うので。

――でも、最初に買おうとしたときに、青は売り切れてたんですよね。

【他故】「文具女子博」では一番人気でしたね。

【高畑】そのブルーは、きれいはきれいだよ。選ぶとしたら、全然アリだな。オレンジにすると分かりやすくロディアなんだけど、分かりやす過ぎるなというのはちょっと思う。ポケットから出したときに、オレンジのメモ帳は結構派手だよ。

【他故】まあね。今はようやく店頭に並び始めて、紙もだいぶ潤沢に出てきたので。最初のうちは紙が全然なくて、ベラム紙の方が手に入らなかったんですよ。

――普通のロディアの紙の方が。

【他故】そう、普通のロディアの紙が手に入らなかったんですよ。今は手に入るようになりましたけど。

【高畑】あ、本当? じゃあ、買い増そう。紙がないとちょっとダメなので。

【きだて】まあ、そらそうだわな。

【他故】「これが欲しいな」という人のための注意だけど、一番最初に買ったときは空っぽなので、必ずリフィルを買うこと。

【きだて】付いてないんだ、それはそれは。ちょっとは入れといて欲しいね。

【高畑】お試しにぐらいちょっとね、少なめにでもいいから入れといてくれれば。

【きだて】その辺は配慮ってもんがあるだろ。

【他故】最初から、「自分の好きな紙を入れてくれ」という設定らしいよ。

【高畑】選択肢がかなりキワモノだけど(笑)。 でも、面白いな。他故さんは、どんな感じで使ってるの?

【他故】基本、会社に持っていくのは、プロッターのミニ5穴を使ってるので、休みの日だけポケットに入れてる状態で、まだそんなに使用頻度はないんだけど、ちょっと使い分けるのは難しいかなというのがあって。手帳としての便利さは確実にM5の方なので。

【高畑】そうなんだよね。そこもちょっとね。あと、開いて戻ってきちゃうのも気になってて。持ちやすいのはいいんだけど、ちょっとそこが気になってるところだな、俺的には。

【他故】しばらく使ってみて、どんな使い方が自分にマッチするのかを試しながらやってみようかなという状況です。

――まあ、面白いですよね。

【他故】革好きな人やメモが好きな人には刺さるかなと思うので、よかったどこかで見てみてください。

【高畑】あと、ロディアさんに言いたいのは、ずっとリフィル出してねということ。マジ思う。

【他故】ははは(笑)。ねえ。

【高畑】それだけは、本当に。特に、海外のやつは消えちゃうことがあるので、それだけは勘弁してほしい。ちゃんと出し続けてほしいと思いますね。

【きだて】小さなバインダーでも、革製で安くはないからね。入れるものがなくなったら、どうしようもないものな。

【他故】末永く出し続けてほしいね。

*次回は番外編を掲載します。

プロフィール

きだて たく
小学生の時に「学校に持っていっても怒られないおもちゃ」を求めて、遊べる文房具・珍妙なギミックの付いた文房具に行き当たる。以降、とにかく馬鹿馬鹿しいモノばかり探し続けているうちに集まった文房具を「色物文具=イロブン」と称してサイトで公開。世界一のイロブンコレクターとして文房具のダメさ加減をも愛する楽しみ方を布教している。著書に『イロブン 色物文具マニアックス』(ロコモーションパブリッシング)、『愛しの駄文具』(飛鳥新社)など。
色物文具専門サイト【イロブン】http://www.irobun.com/

他故 壁氏(たこ かべうじ)
文房具トークユニット〈ブング・ジャム〉のツッコミ担当。文房具マニアではあるが蒐集家ではないので、博物館を作るほどの文房具は持ち合わせていない。好きなジャンルは筆記具全般、5×3カードとA5サイズノート。二児の父親。使わない文房具を子供たちに譲るのが得意。ラジオ番組「他故となおみのブンボーグ大作戦!」が好評放送中。
たこぶろぐhttp://powertac.blog.shinobi.jp/


「ブング・ジャムの文具放談 特別編・完全収録版~『ブング・ジャム的Bun2大賞』ベスト文具を決定!~」〈前編・後編〉と「ブング・ジャムの文具放談・完全収録版~2020年Bun2大賞を斬る!~」〈前編・後編〉をコンテンツプラットフォームnoteで公開中。

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