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【年末特別企画】文具王の2021年文具重大ニュース

高畑正幸

激動の2021年も残りあとわずか。今年も文具関連で様々なトピックがありましたが、その中から文具王・高畑正幸編集長が「文具重大ニュース」を選びました。

YouTubeが重要なPRメディアに

コロナ禍で最も影響を受けたのが人が集まるイベントや店舗でした。直接的な接触を避けつつメッセージを伝えるため、メーカー、小売店、ユーザー、様々な立場で、動画やSNSによる発信が劇的に増えました。

小売店では、有隣堂が発信する有隣堂しか知らない世界が爆発的な伸びを見せ(関連記事)、10月にはチャンネル登録者数10万人を突破し話題になりました。中でも人気は「文具王になり損ねた女」こと岡﨑氏(編集部注:岡﨑さんはテレビ東京系『TVチャンピオン』の「文房具通選手権」に出場し準チャンピオンになった)に、ぬいぐるみのミミズク「R.B.ブッコロー」が本音で突っ込むコンテンツ。これには「文具王になった男」でありYouTube発信もしている私としては、正直大変くやしいものがありますが、魅力的な番組作りという面では、認めざるを得ないところです。

ポイントは商品紹介よりもむしろ社員の正直な表情に焦点を当てていくスタイルで、企業に対するファンを増やしていく効果が大きいようです。ある意味「何を買うか、ではなく誰から買うか」という、接客の基本に戻っているとも言えます。

これとはまた別に、特に規模の大きな企業がPRや商品作りに、YouTuberやインスタグラマーなど発信力のあるインフルエンサーを起用する例も増えてきました。

在宅・フリーアドレス向けグッズ

数年前から、フリーアドレスオフィスの増加に伴い、PCや作業道具をまとめてオフィス内の移動やロッカー収納ができる収納用品が増えていましたが、リモートワークと、それに伴うオフィス縮小などの状況により、これら収納グッズの多様化が進みました。コロナ感染対策や集中のための簡易パーテーションや、作業姿勢やリモート会議のカメラ写りを改善するノートPCスタンドなども急激に増えています。

また、ノートPCを広げて仕事や学習をしようとすると、どうしても机上が狭く感じます。このような状況を受けて、PC手前スペースにあわせたダイゴーの「isshoni.ノート デスク」シリーズや、コクヨの「キャンパスノート ハーフサイズ」(用途別/ドット入り罫線)など多くの横長形状ノートも発売されています。


「isshoni.ノート デスク」シリーズ

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キャンパス横長.jpg「キャンパスノート ハーフサイズ」(用途別/ドット入り罫線)

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300円台のアップグレードしたボールペン

筆記具では、2021年はボールペンの話題が多い年でした。特に各社低価格帯の看板商品をアップグレードした300円前後の新商品投入が目立ちました。

中でも三菱鉛筆の「ユニボールワンF」(税込330円)やサクラクレパスの「ボールサインiDプラス」(同385円)、は、昨今流行のフラットでマットなデザインとカラーリングに加え、金属パーツや高級な仕上げを施すことで、手頃な価格でありながら上質感で文具マニア達をも驚かせました。


「ユニボールワンF」

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「ボールサインiDプラス」

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これまで普及品の上位バージョンといえば、金属軸で1,000〜3,000円といった開発が一般的でしたが、それとはまた違った、新たな300円台製品は、メーカーにとっては価格、性能、デザイン全てにおいて高い水準が求められる大変厳しいカテゴリーですが、今後ボールペンの主戦場になることは間違いなさそうです。

趣味の世界はインクとワーク

趣味の世界ではインク沼が活況。インクを楽しむ筆記具としてのガラスペン市場は未だ供給不足が続いており、入手困難な状況が続いています。そんな中、シオンの「ドリログ」や、カキモリの「Metal nib」、セーラー万年筆の万年筆のペン先を持つつけペン「hocoro」(ホコロ)など、新しいつけペンの提案も見られつつあります。


「hocoro」

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一方でどんどん増えるインクをいかに消費させるかという点においては、呉竹の「からっぽペン」のような、インクを吸わせて使うものや、スタンプパッドのインクとして使うサンビーの「INK BIYORI」、インクを塗り広げて楽しむノウトの「塗り絵じゃないぬりたくり絵インクカード」といった、インク消費量の大きなアイテムが続々登場しました。

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「INK BIYORI」

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コロナ禍の巣ごもりで様々なインドアクラフト系の趣味は拡大。各ジャンル入門用のキットや材料の売り上げが伸びているようです。また、リアルでは開催できなくなったワークショップを、材料や道具を事前に送付しておいて、指導をリモートで行う企業や作家も増えました。

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