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【コレ注目!】切り込んだトークがクセになる!書店が運営するYouTubeチャンネル「有隣堂しか知らない世界」
神奈川、東京、千葉を中心に書店を運営している有隣堂。同社のYouTubeチャンネル「有隣堂しか知らない世界」が話題となっている。今回、「文具のとびら」編集部員が有隣堂に話を伺い、動画制作の裏側を聞いた。
文具メーカーも出演!切り込んだトークが満載
2020年6月から開始した「有隣堂しか知らない世界」。主に毎週火曜日に更新され、現在は約30本もの動画が公開されている。「有隣堂のスタッフが愛をもって伝える」をテーマに、ミミズクをモチーフにしたオリジナルキャラクター「R.B.ブッコロー」と出演者が、テンポの良い掛け合いで話を繰り広げていく。チャンネル登録者数は3,500人を超えている(2021年1月25日現在)。
同チャンネルを担当している有隣堂店舗プロモーション課担当課長の渡邉 郁さんによると、YouTubeチャンネル開設の話が社内で出たのは2019年末ごろ。2020年3月から5月にかけテスト期間として、本の内容を解説する動画をあげていたそう。しかしそれは「今ひとつの結果でした」と渡邉さん。そこで方向転換をし、「有隣堂しか知らない世界」を企画した。
店舗プロモーション課担当課長 渡邉 郁さん
動画内では、注目の商品や書籍について有隣堂のスタッフが登場して紹介するほか、複数のメーカーのボールペンを比較したり、「脱ハンコ」の動きについてはんこメーカーに問い合わせたり、普段はなかなか聞けないような、切り込んだトークをコミカルな雰囲気で展開する。
渡邉さんはこうした動画の内容について、「ただ好きなことを語るのではなく、どうしたら‟おもしろい‟と思ってもらえるかを考えながら企画を練っています。また、取引先が多いのが当社の強みでもあり、取引先のメーカーの方に出演していただくことで深みが出て、結果的に切り込んだ内容に仕上がっています」と語っている。
「脱ハンコに物申す! シヤチハタの世界」(2020年11月24日公開)
テーマによっては、筆記具メーカーのパイロットや三菱鉛筆の営業担当者が出演し、商品について話したり、ハンコメーカーのシヤチハタの社員が「脱ハンコ」についてコメントしたりしている。文具メーカーの社員による貴重な話はもちろん、MCの「R.B.ブッコロー」と出演者の、思わずクスっと笑える面白い掛け合いも必見だ。
トークはほぼアドリブ 収録・編集のこだわり
渡邉さんを中心としたチームのスタッフが、社内での出演依頼や企画立案を行っているが、その一方で台本の作成や編集を行うのは、フリーの動画クリエーター・ハヤシユタカさん。1本の動画の収録時間はおよそ1時間で、そこからハヤシさんの編集により平均8分程度の尺に仕上がっているという。
驚くことに、収録時に決められた台詞はなく、動画内の会話のほとんどがアドリブ。その理由は「素のリアクションを撮りたいから」とハヤシさん。「ブッコローも出演者も、決してプロのタレントではないので、わざとらしくならないようにあえて台本はざっくりしたものにしています」。
「最強はどれだ⁉ 油性ボールペンの世界」(2020年9月15日公開)
アドリブでのトークとは思えない完成度の高さにびっくりの編集部員。さらに編集時には、プロならではのこだわりも。
ハヤシさんは「動画内では短い時間で大量の情報を届けたいので、テロップはゴシック体で大きく入れています。テレビ業界だと、テロップは〇文字までで〇秒以上は映すとかのルールがありますが、僕が作っている動画ではテロップはほんの一瞬です。形で認識できるくらいの少ない文字数のテロップを何枚も入れるようにしています」と解説する。確かに動画内では、大きなサイズのテロップがパッパッと切り替わる。
トークに合わせてテロップが瞬時に切り替わる
「これに加えて、強調したいところは重要度に応じて、緑、黄、白などと色を変えています。このようにしてなんとか意味が通じるようにして、1本の動画に挿入するテロップはおよそ500枚くらいになります」とハヤシさん。一つの動画の長さが8分(=480秒)程度なので、1枚のテロップが画面に映る時間は1秒を切る計算になる。
このほか、BGMなどにもさまざまな工夫がなされているそう。内容はもちろんのこと、こうした工夫に着目しながら動画を観てみると、また違った面白さが発見できそうだ。
なお同チャンネルでは、2021年3月末までにチャンネル登録者数1万人の目標を掲げている。YouTubeチャンネル「有隣堂しか知らない世界」はこちら。
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