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【連載】車椅子ライターから見た 弱い力でも使いやすい文具たち #20「手に取りやすいスティックのり」

波子

指先の力加減が不安定になると、つまむという動作がしにくくなります。
「つまんで使う文具」と言われてイメージするものは何でしょうか。

これまでにご紹介した文具の中にも、何も考えずに手指を動かせていたときにはイメージしなかった「つまみにくい」を解決するものがいくつかあります。

例えば、テープをつまんで引っ張る必要のないテープカッター。
#2「片手で楽々使えるテープカッター」
https://www.buntobi.com/articles/entry/series/namiko/007522/

まさにつまんで使うダブルクリップにも、新たな商品が登場しました。
#11「軽い力で使えるダブルクリップ」
https://www.buntobi.com/articles/entry/series/namiko/008786/

自分でも意外でしたが、ペンケースから筆記具を取り出すときも「つまんで」います。
 #4「トレー型ペンケース」
https://www.buntobi.com/articles/entry/series/namiko/007736/

そして、私がこの連載の第1回目でご紹介したこちらの文具も、そんな「つまみにくい」を解決するひとつでした。
#1「持ちやすいレターオープナー」
https://www.buntobi.com/articles/entry/series/007406/

机上に置かれた薄いものをつまみ上げること自体が(できない訳ではないんですが)ちょっとやりにくいんですよね。それが、自立してくれているお陰で、サッと手に取れる訳です。

今回ご紹介するのも、そういった「自立する」文具です。

コクヨ「GLOO スティックのり」


コクヨの「GLOO」シリーズは、シンプルでスタイリッシュなデザインでありながら、それぞれに便利な特徴を持つ「貼る文具」のシリーズです。 その中にラインナップされている「GLOO スティックのり」が、自立してくれるんです。 このスティックのりの大きな特徴は、のりの断面が四角いので、封筒や紙の端など塗りたい場所の「角」まで楽にきっちり塗れるということ。 (この「四角」を成立させるのがいかに技術的に難しいかということは、編集長 文具王による動画で詳しく解説されていますのでぜひご覧ください) 【連載】文具王の動画解説 #44「GLOO角までぬりやすいスティックのり」(コクヨ) https://www.buntobi.com/articles/entry/series/04/009104/

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そして、私にとって最も嬉しい特徴が、本体のキャップ側がやや膨らんだこのフォルム。 気密性を上げるため、四角いのりに円形のキャップをしているので、こちら側が太くなっています。それがデザインとしてそのまま活かされているので、キャップを下にして机上に自立させて置いておけるんです。 つまり、手を伸ばせばスッと取れる訳です。 すばらしい! 立てたときに机上に接地する面は、帽子のツバのようフチが広がっていて安定感を増しているのですが、このフチも優れもの。 カッチリと閉まった硬めのキャップを開けるとき、ここに指をあてがうことで片手でも開けられます。とはいえ、私の力ではさすがに「簡単に」とはいきませんでしたが、じゅうぶん可能でした。両手を使って開ける場合も、フチに指を引っかけられるのでとても便利です。 また、キャップをそのまま机上に置いておけば、使ったあと本体を押しつけるだけで収納できます。手でキャップをはめるよりも楽だと感じました。

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また、本体やのりを出すのに回す部分には角があるので、指が滑りにくく、やや硬めではありますが回しやすいです。 うっかり倒しても転がっていかないというのもすばらしいですし、横にして置いたとしても、この角のお陰でつまみ上げやすいですね。

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私が購入したものは「色が消える」タイプのSサイズ。塗った場所が解りやすい青色は意外と早く消えてしまいますが、色が消えてもすぐに乾く訳ではないので、焦らずにゆっくり貼れますよ。 ほかに、「しっかり貼る」タイプがあり、そちらののりは白色です。サイズ展開はいずれもS(約10g)、M(約22g)、L(約40g)の3種。

プロフィール

波子
1974年生まれ。脊柱側弯症、先天性ミオパチーのため、2006年に杖歩行となり、2012年から車椅子、2014年12月から簡易型電動車椅子を使用。便利な道具や文具が好き。
奈良県奈良市で生まれ育ち、大阪・東京での暮らしを経て現在奈良市在住。
産経新聞奈良版および産経WESTにて連載「車いすでみるなら」2015年2月~2019年5月、全70回。
ブログ「車椅子、ときどき杖。」 http://nam-kid.hatenablog.com/

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