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【連載】車椅子ライターから見た 弱い力でも使いやすい文具たち #4「トレー型ペンケース」

波子

[毎月25日更新]

握力の弱さや指の動きの鈍さで、地味に使いにくくなってくるのがペンケースです。

よくあるポーチ型のペンケースに指を差し入れてペンをつまみ出すことが「ちょっと難しいかも」と感じるようになった私は、「立つペンケース」を買い求めました。ペン立てのように自立するので、目当てのペンをスッと取り出せるのが便利です。
確かにポーチ型よりはずっと楽に取り出せるのですが、しばらく使っているうちに小さな難点に気づいてしまいました。

立つペンケースからペンを取り出そうとすると、まず垂直にペンを持ち上げる必要があります。また、ペンケースに戻すとき、持ち上げたペンを差し入れるのにやや震えて定まらなかったりもしました。
本来なら無意識で行うペンの出し入れに「ちょっと頑張って力を使っている」と気がついたのです。
まさに「えっこんなことが?」という驚きを、自分でも感じました。

そんな私が次に出会った、便利なペンケースのかたち。
今回ご紹介するのは、「トレー型ペンケース」です。

コクヨ「ペンケース<C2・シーツー>(トレータイプ)」とLIHIT LAB.「Bloomin トレーペンケース」

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「ペンケース<C2・シーツー>(トレータイプ)」(上)と「Bloomin トレーペンケース」(下)


コクヨの「ペンケース<C2・シーツー>(トレータイプ)」を初めて知ったとき、「これだ!」と思いました。
ファスナーを開けるとトレーになるペンケースです。 
閉じたとき細く見えますが、意外と収容力があります。そして、私が愛用している筆ペン「くれ竹美文字 完美王」も収まる長さ。頼もしい!

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トレー型ペンケース最大の利点は、筆記具の取り出しやすさとしまいやすさ。
広げると中味が簡単に見渡せて、頑張って持ち上げなくてもサッとペンを取り出すことができます。戻すときも無造作に放り込んで大丈夫。これは、すばらしい安心感です。
ファスナーを閉めるときは、ループになった部分(スナップボタンがついていて、カバンの持ち手などに取り付けぶら下げることが可能)に片手の指を入れて引っかけることで楽に閉められます。また、このループがあるとカバンの中から取り出すときも指を引っかけられるので便利です。

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つい最近、きれいに開いてくれるトレー型ペンケースに出会いました。
LIHIT LAB.の「Bloomin トレーペンケース」はシリコン素材のペンケース。手触りはマットで、プニプニした柔らかさ。ファスナーを開けると自動的にはらりと開いてくれます。

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ファスナーの途中にストッパーがあり、ここで止めるとトレーは完全にはオープンになりません。この状態でもペンはスッと取り出せます。
全開にすると、ペンケースは大きく開いて平らな浅いトレーになります。収容したペンが重なることなく並ぶので、どのペンにするか選んだり、複数持ち替えて使いたいときにもかなり便利です。

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素材が柔らかいため、開閉するときの力加減に少し慣れが必要かもしれません。ファスナーの引き手は長めで、結び目状のふくらみがあるので掴みやすく、机上に置いたまま開閉すると安定しました。
マカロンのような愛らしいカラー展開も嬉しいです。私が購入したのは小さいタイプですが、約12本のペンを収容できるLサイズもありますよ。


立つペンケースは既に様々な商品が出回っていますが、トレー型も新たなものが続々と登場していますね。楽しみです。

プロフィール

波子
1974年生まれ。脊柱側弯症、先天性ミオパチーのため、2006年に杖歩行となり、2012年から車椅子、2014年12月から簡易型電動車椅子を使用。便利な道具や文具が好き。
奈良県奈良市で生まれ育ち、大阪・東京での暮らしを経て現在奈良市在住。
産経新聞奈良版および産経WESTにて「車いすでみるなら」連載中。
ブログ「車椅子、ときどき杖。」 http://nam-kid.hatenablog.com/

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