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【連載】車椅子ライターから見た 弱い力でも使いやすい文具たち #2「片手で楽々使えるテープカッター」

波子

[毎月25日更新]

手の力が弱くなってきた私にとって、「つまんで引き出す」という行為は少し苦手になりました。
文具を使うシーンの中でも、「つまんで引き出す」ことが度々あります。
今回は、その中のひとつである「テープカッター」についてご紹介します。

貼りたいところに直接貼れる「ハリマウス」

セロハンテープを使う時、使いたい分を引き出すのに実はそれなりの力で引っ張っています。
普通に使えていた時には、こんなことが難しいと思う日が来るなんて想像もしていませんでした。

卓上に置いて使うタイプのどっしりしたテープカッターは、本体が重いので、テープを引っ張ることだけに意識を向けられるので良いですね。
軽いカッターだと、もう片方の手で本体を持ちながらテープを引っ張らねばなりません。両手を使うことは、それだけ力が要ることです。

でも、頑張って引っ張らなくても、片手で楽に使えるテープカッターがあります。

ハリマウス株式会社の「ハリマウス」は、大きめのテープのりのような形状で、中に巾12mm×13m巻クリアテープがセットされています。
つまり、本体を片手で持って、貼りたいところに直接貼っちゃうテープカッターなのです。

新180419_ハリマウス01.jpg

内蔵されているカッターは、確かにネズミの歯に似ています。本体の形もネズミっぽい。クリアなカバーにはネズミの顔が見えます。
パッケージやホームページの説明では、本体の両側面を「親指」と「中指・薬指・小指」ではさみ、人差し指でテープを引く使い方でしたが、私は人差し指の力が弱めなので、テープのりを横に引くように親指を使ってみました。

新180419_ハリマウス05.jpg

本体を紙に押しつけてゆっくり引くと、テープが紙に貼り付きます。貼り終えたいところで紙から離すと、ガチャンという音と共にカッターがテープを切ってくれるので、思い通りの長さに貼ることができます。
切り口は直線ですし、手でつままないので指紋もつかずきれいです。

カッターは本体の先端より奥にあるので、始めと終わりの位置はテープのりのように目に見える先端ではありませんが、使うとすぐに感覚が掴めると思います。

新180419_ハリマウス07.jpg

市販のテープも使えますが、ハリマウス詰替用クリアテープは「超軽剥離テープ」仕様とのこと。テープの交換も簡単にできますよ。

テープを指でつまんで引っ張るよりは明らかに軽い力で、しかも片手で簡単に使えるのはとても便利。
私は体幹の筋力も弱いので、作業をするときは机にクッションを当ててもたれ、左腕を机上に置いて身体を支えています。なので、「片手で使える」というのもかなり嬉しいんです。


力が弱くても、片手でも、便利に使える文具は意外といろいろあります。
次回もまたお読みいただけたら幸いです。

プロフィール

波子
1974年生まれ。脊柱側弯症、先天性ミオパチーのため、2006年に杖歩行となり、2012年から車椅子、2014年12月から簡易型電動車椅子を使用。便利な道具や文具が好き。
奈良県奈良市で生まれ育ち、大阪・東京での暮らしを経て現在奈良市在住。
産経新聞奈良版および産経WESTにて「車いすでみるなら」連載中。
ブログ「車椅子、ときどき杖。」 http://nam-kid.hatenablog.com/

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