- 連載企画
- 車椅子ライターから見た 弱い力でも使いやすい文具たち
- 【連載】車椅子ライターから見た 弱い力でも使いやすい文具たち #53「持ちやすい消しゴム」
【連載】車椅子ライターから見た 弱い力でも使いやすい文具たち #53「持ちやすい消しゴム」
つまむ動作が苦手な私にとって、消しゴムを使うのはやや苦手。小さな消しゴムをつまんで、力を入れてこすりつける必要があるからです。
以前、100円ショップで購入した電動消しゴムをご紹介しました。
#29「100円ショップで出会った指示棒と電動字消し」
https://www.buntobi.com/articles/entry/series/namiko/012028/
実は最近になって、それなりにお値段のする電動消しゴムを使ってみたんです。性能も良いし、きっと使いやすいだろうとワクワクしながら。
でも、残念ながら私には合わないことが判りました。
パワーがありすぎて、私の手では保持できなかったんです。
きっとめちゃくちゃよく消えるんですよ、しっかり持てる方には絶対に使いやすいと思うんです。
でも私が使おうとすると、回転する消しゴムの先が紙に触れた瞬間、あまりのパワーに手が持っていかれてしまうと言いますか…つまり制御できないんです。
性能の良いものが必ずしも私にとって使いやすいとは限らないのだな、と思い知った瞬間でした。
そんな私がこの度「これは使いやすいぞ」と感じた消しゴムと出会ったので、ご紹介します。
サンスター文具「フラットロングイレイサー」
サンスター文具「フラットロングイレイサー」ミント。色はほかに、ホワイト、ブラック、バイオレット、ブルー、グレー、ピンク、イエロー
サンスター文具の「フラットロングイレイサー」は、今年7月に発売された薄いスティック型の消しゴムです。
以前からスティック型のものは販売されていたんですが、私にとっては今回のこの形が肝心。
…これまでに私の連載を読んでくださっている方はお気づきかもしれません。
そうです、この平たい形が、持ちやすいんです!
パッケージ中央の黒い四角には「かしこいカタチの消しゴム」、左上には小さく「かさばらない消しゴム」と書かれている
パッケージ裏面にはどう「かしこい」のか説明されていて解りやすい
平たい形が持ちやすい理由は、しっかりつまんだり握ったりできなくても、軽く挟めれば固定できるから。
しかも鉛筆のように長さがあるので、かなり安定して持つことができます。
ペンで文字を書くのと同じ感覚で使えて、力も入れやすいですよ。
消しゴムの断面は平たくて弧を描いているので、両端がかなり尖っているんですよね。
だから、文字を部分的に消したいときは、かなりピンポイントでこすれます。
スリーブはしっかり硬いので、力を入れて消していても安心感があります。
使い進めてスリーブから出したいときは、スリーブの尖った両端をつまむように持ってから消しゴムを引っ張ると、楽に引き出せました。
余ったスリーブは、はさみで切れます。
平たいので、消しゴムを中に入れたままでも、いったん少し長めに余らせてから必要な分だけ切り落とせるんです。これはかなり便利なのでは…!
薄くて長い形はペンケースにも入れやすいですし、ペン立てに入れても目立つので良いですね。
弧を描いた側面のお陰で、机上に置いてあってもつまみ上げやすいですよ。
※以前ご紹介した、平たい形の文具
#5「平たい形のマーカーペン」
https://www.buntobi.com/articles/entry/series/namiko/007865/
プロフィール
1974年生まれ。脊柱側弯症、先天性ミオパチーのため、2006年に杖歩行となり、2012年から車椅子、2014年12月から簡易型電動車椅子を使用。便利な道具や文具が好き。
奈良県奈良市で生まれ育ち、大阪・東京での暮らしを経て現在奈良市在住。
産経新聞奈良版および産経WESTにて連載「車いすでみるなら」2015年2月~2019年5月、全70回。
ブログ「車椅子、ときどき杖。」http://nam-kid.hatenablog.com/
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