
【連載】月刊ブング・ジャム Vol.32 今、消しゴムが熱い! 気になる最新消しゴムをチェック!!(その1)
本サイト編集長の文具王・高畑正幸さん、イロモノ文具コレクター・きだてたくさん、ブンボーグA・他故壁氏さんの3人による文具トークライブユニット「ブング・ジャム」が、気になる最新文房具を独自の視点から切り込んでいく「月刊ブング・ジャム」。Vol.32では、気になる新製品が続々発売されている消しゴムについて激論を交わしています。
第1回目は、シードの「クリアレーダー」について取り上げました。
(写真右から他故さん、高畑編集長、きだてさん)
限りなく透明に近い消しゴム

――本日のテーマは「消しゴム」です。最近、気になる消しゴムが色々と出ていますが、まずは「クリアレーダー」からいきましょう。なかなか品薄な感じですが、これだけ透明な消しゴムを製造するのは大変なんですかね?
【高畑】いや、そうじゃなくて、昔はあったけどみんな忘れていたものを作ったら、ネットでバズったという。まあ、ネットでバズるための仕掛けを最初からしていたというのもあるけど。透明な消しゴム自体は1970年代からあったので。
【きだて】ただ、あの消しゴムって消えなかったじゃん。
【高畑】ファンシーな消しゴムとしては全然あったけど、消えなかったかというと、そもそもシードが初めて作ったという塩ビの消しゴムは透明だったから。
【きだて】はいはい。
【高畑】もちろん、白い消しゴムの方がよく消せるというのはあるけど、だから消せなかったかというと、そんなこともないんじゃない。
【きだて】そうでもないよー。70〜80年代ごろのファンシー系に、透明粒の入った消しゴムなんてのがあったんだけど、消してて透明粒が露出した途端に鉛筆の筆跡がグニッと擦れて紙が汚れる、みたいなトラブルもあったし。
【他故】消しカスも出ないんだよね。
【きだて】結構ね、透明な消しゴムに嫌な思い出しかなかったんだよ。
【他故】年が上の人はそう思うよね。経験があるから。
【きだて】だから、普通にちゃんと消せる消しゴムとしての透明は素直にうれしい。…うれしいのとはちょっと違うか。
【高畑】透明である必要性がそもそもないけど、透明な消しゴムをこのタイミングで作ったというのが、絶妙だったという気がするんだけど。
【きだて】う~ん。
【高畑】見た目がかわいいけど、消す能力は他と変わらないわけじゃないですか。白いレーダーと比べると、むしろ白い方が若干消す能力は高いわけで。なんだけど、この見た目の面白さというのが、今のインスタの世の中にうまくはまったというのが強いと思うんだよね。やっぱり、使ってみたくなるじゃん。透明が消せるようになった、という性能の問題じゃない気がするんだけど。
【きだて】消せる・消せないの話じゃない、というのはもちろん分かる。そもそも俺はこれを初めて見たときから「すてき!」としか思えなくなってて。
【他故】わはは(笑)。ときめくんだね。
【高畑】そう、それだよ。スリーブも透明なのも含めて、いい感じに収まったじゃん。
【きだて】俺や文具王は、地域的にシードの消しゴムが「ザ・消しゴム」として育ったわけじゃない。
――ああ、西日本だとそうですよね。
【きだて】あの水色スリーブの消しゴムこそが「ザ・消しゴム」だ、と育った人間としては、本当にあのいつものレーダー消しゴムを上手く透明デザインにしてきたな、と。
【高畑】過去の資産を上手く利用しつつも、ここしばらくの間にみんなが思い付かなかったこと。それこそ、「カドで消せばいいんじゃん」みたいなことがポンと出てきたように、「透明、そんなのがアリなんだ」という、“この手がアリだったか”というのがあるじゃん。クツワの「磁ケシ」もそうだったけど、「それ? 今?」っていう(笑)。
【きだて】…もうね、「喝!」だよ、文具王。そんなぐだぐだ細かい分析は要らないんだよ。
【高畑】何で?
【きだて】これは、単にときめけばいいの!
(一同爆笑)
【高畑】いや、そうだよ。分かるよ。
【きだて】3人で「すてき」「すてき」「すてき」って言い合えばそれで済む話なの。
【高畑】「すてき」だけで済むならいいけどさ、スリーブの裏に分析っぽいことが書いてあるんだよ。
【きだて】あ~、はいはい。
【高畑】グリップ力4、消し感4、折れにくさ5、柔軟性4、ここまではいいよ。そして透明感5。そりゃそうだろうよと思うよ(笑)。
【きだて】そういう関西のメーカーならではの、言いたがりなところは許してやろうよ。
【他故】「そこかよ」って思うよね(笑)。
【きだて】そういうバカっぽいの無しで、裏面まできちんとノーマルのレーダーを踏襲していれば、なお素敵だったとは思うけどね。ただ、やっぱり言いたかったんだよ。「透明度5」っていうのを(笑)。
――そこを言いたかったがために、分析をしたわけですね。
【高畑】「理屈っぽいことを言うな」と言いつつも、裏には理屈っぽいことが書いてあるという(笑)。このずるいレーダーチャートがなかなか(笑)。
【きだて】「レーダー消しゴム」だけにレーダーチャートっていう。いやでもこれって、実質は比較分析じゃないでしょ。そもそも透明度を比較するべき対象がいま他に存在しないんだからさ。
【高畑】それは分かる。あとね、インスタを見るとずるいじゃん。太陽にかざしてある写真とかあったりして。もう、そっちじゃない。あとは、「テレビ石か、お前は」っていうぐらい、下のが透けてる(笑)。まあ、下が透けるぐらいきれいに透明になっているのは、それは驚き感はあるよね。
【他故】そうだね、うん。
――完全に、みつ豆に入ってるやつですよね。
【きだて】そう、寒天だよ。
【他故】こんなスリーブなのに、ちゃんと切り欠けが入ってるんだよね。
【きだて】そこはね、レーダーですから。
――「折れにくさ5」の部分ですね(笑)。
【他故】「グリップ力のある消し心地」。消し心地とグリップ力…まあいいや(笑)。
【高畑】そこら辺は、科学的なんだかどうなんだか、分からないところですから。
【きだて】いや、だから科学的とかそんなものはどうでもいいんだってば! うっとり眺めながら「儚い」「尊い」って言っていればいいんだから。
【他故】これ、本来は夏場に売り出したかったのが、ちょっとずれたじゃない。
【きだて】そう。
【他故】だから、ちょっとヤバいかなと思ったんだけど。今年は後ろの方まで結構暑かったから(笑)。
【きだて】とはいえ、やっぱりこの見た目は7月、8月のものだよね。
【他故】7月あたりにドーンと売ったらまたすごかったのかなという気はするんだよね。もちろん、売れているけどさ。
【きだて】展示会で「なんで夏発売できなかったの?」って訊いたら、シードの人もすっげぇ苦笑いしてたんだけど(笑)。
――透明感を出すために時間がかかったんでしょ?
【きだて】透明感というか、透明なのにちゃんと消せるようになるのに時間がかかったみたい。
【高畑】成分調整がね。
――これは、普通に消しゴムとして使っている人がいるんですかね?
【高畑】結構いるんじゃない。消してる写真もSNSにアップされているし。
【他故】これで消しゴムはんこをやろうと彫ってみたけど、硬くて彫れないので、「そのまま消しゴムとして使いました」といって、彫ったやつで消している写真がSNSに載ってましたよ(笑)。
【高畑】ただ、今はまだ比較的入手が困難なので、使うのもったいなくて使えてない人も多いと思うけど。でも、消すと普通だよね。よく消えるよね。
【他故】よく消える。
【高畑】なので、さっききだてさんが言ったみたいに、ファンシーもので消えないというのはない。
【きだて】性能的には、さすがにシードも定番品として出すだけのことはある。
【他故】実用品だからね。
――70年代の透明消しゴムはあまり消えなかったんですか?
【高畑】今ほどは消えないよね。
【他故】透明なやつって消えないですよね。
【きだて】何より硬かったのね。
――昔は、透明だけど消字能力では劣っていたわけですね。
【他故】消しカスが発生しない分そうですよね。結局、汚れが広がっちゃうだけですから。
――消しゴムにベッタリと黒鉛が付いちゃうイメージがありますものね。
【高畑】当時はファンシー色が強くて、透明な消しゴムの中に小っちゃなマスコットとか入ってたりした。
【他故】あったね。
【きだて】うちのコレクションにあるやつだと、中に豆電球とボタン電池が入ってる電球型の透明消しゴムってのがあって。これはグッと押しつけると本当に電球が光るんだよね。
【高畑】あった、あった。
【きだて】ファンシーで透明消しゴムが流行ってた当時は、「透明」という素材をどう料理するか、ってとこまでやってたんだよね。
【高畑】ただの透明の四角い消しゴムで売り出せたかというと、そうでもなかった。中に入れたものを見せたりとか、何かしらそういう理由でということだよね。
【きだて】透明なのは消せないから、見た目とかその他の部分で製品化する必要があったんだろうね。単に四角い消しゴムで出すと、どうしても消字能力を求められちゃうじゃん。単に透明なのを筆箱に入れたいのであれば、四角いアクリルのキューブでも放り込んでおけばいいだけの話で。
【高畑】それは、「消そうと思ったら消せるんやで」という何かがあるわけで。それは、ペンまわしのペンがペンなのかというのと一緒で。
【きだて】とりあえず、アリバイだよね。学校に持って行けるかどうかのアリバイ。
【他故】もちろん、そうだね。
【高畑】これは、学校に持っていって友だちに見せたとき、友だちに「お~」って言ってもらえる感がすごい強い。
【きだて】そうそう。色物文具の持つコミュニケーション能力ですよ。
【他故】それでいて、ガッツリ実用品だしね。
【高畑】本当に、写真SNS時代の消しゴムという感じがすごいする。
【他故】うん、するする。
【高畑】それこそ、この間の消しカスが磁石でくっつく消しゴムとか、いろんなネタがある中で、もうすごいど真ん中の「透明」っていうだけだけど、「それやってなかったな」という、そこのうまさはあるな。
【きだて】「写真SNS時代の」とか言っているけど、これを適当なバックに置いてマクロで撮ろうとすると、透明すぎてピントが合いにくいんだわ。
――確かに。
【他故】スリーブにはピントが合っても、本体には合わないんだ。
【きだて】「うわっ、そこまで透明かよ」って(笑)。
【他故】わはは(笑)。
――スリーブ外したらもうダメでしょうね。
【高畑】スリーブ脱がせたら、さっき言っていた寒天と区別がつかない。
【他故】消しゴムですらどうか分からない(笑)。
【高畑】まあ、ただ透明にしただけというのが、逆にすごくいいというか。
【他故】そうね。
【高畑】それこそ、下手なデザイン消しゴムにするより、よっぽどこの方がストレートでよかった気はするな。
――これがヒットしたので、他社も透明消しゴム出してくることはあるのかしら?
【他故】できるところはやってくるんじゃないですか。
【高畑】その可能性はあるし、透明な消しゴム自体は、消字能力の違いはともかく、作ることはできるから。消すものとしてはともなく、ファンシーの消しゴムとして透明はアリだと気が付いちゃったところがあるから。透明な消しゴムは塩ビのかたまりだけど、塩ビ自体は透明なので、作ることはできるんだよね。
――透明消しゴムブームが起こるとか?
【きだて】いや~それは、どうか分からないね(苦笑)。
【高畑】ブームかどうかは分からないけど、選択肢の一つにはなる。
――昔のカド戦争みたいに。
【高畑】昔のカド戦争ほど広がるかは微妙だよね。
【他故】消える消しゴムと消えない消しゴムの2つに分かれちゃう。
【高畑】今は、イワコーのおもしろ消しゴムだって、あれだけ消えるんだからさ。
【きだて】イワコーが透明な消しゴムを出せばいいんだ。
【高畑】動物のとか。でも、透明だと中が見えちゃうんだ。
【他故】内臓見えちゃうから(笑)。
【きだて】それこそ、ホネホネ消しゴムみたいなので出るかもしれない。
【高畑】それはアリだよね。なんか、ここのところ、昔見たことがあるようなやつが、ちゃんとした性能で今の時代に蘇えるみたいな。消しカスが磁石でくっつく消しゴムも、昔に比べたらちゃんと消しカスが付くし、ちゃんと消せるじゃん。ザラザラしてないし。僕らおじさんには既視感があるんだけど、今の人からみたら新鮮味があって、しかも性能的には昔のよりも全然いい。
【きだて】あとね、これのレビュー記事を書いてるときに、この透明感をどう文章で表現するべきか、ってけっこう悩んだね。
【高畑】それはあれだよ、村上龍みたいに透明感のある文章で表現すればいいんだよ。
【きだて】うるせえわ!
――『限りなく透明に近いブルー』ですね(笑)。
【きだて】とりあえず、自分の中で一番しっくりきた表現が「レーダーの幽霊」。
【他故】わはは(笑)。なるほどね。
【きだて】この素敵さを何とか伝えたいと思って。「凍ったレーダー」ってのも考えたんだけど、冷静に考えたら凍らせても透明化するわけじゃないしな。
【他故】この透明感をもう少しね。
――ナタデココみたいだとか。
【きだて】それって、美しいか?
【高畑】ナタデココが若干古い。タピオカですらちょっとあれだからな。それで、この消しゴムのキャッチフレーズが「透明でよく消える」だよ。
【きだて】透明だからよく消えるみたいな話になってる(笑)。
【高畑】ピンクレディーかって。
【他故】「消えますよ」って(笑)。
【きだて】「透明人間」ね。
【高畑】「透明消しゴム現る現る~♪」。
――だんだんと話が昭和50年代になってきましたね(笑)。
【高畑】そこら辺がおじさんだからダメだよ。「消えてるから透明だろ」みたいなこのキャッチフレーズは、これシャレのつもりで書いていると思うんだけど。
【他故】そうだね。透明で消えることを伝えるとこれになっちゃうんだろうな。
【高畑】シードに限らず、一番消える消しゴムは塩化ビニールで作っているんだけど、これ塩ビだからできる透明感なんだよね。
【他故】エラストマー樹脂がこんなに透明になっているとは思えないしね。
――キャッチコピーを募集すればいいのでは。
【他故】これを超えるコピーを。
【高畑】インスタでは、すごい数の投稿があがってるから、そういうところにいろんなことが書かれているじゃない。そこの上手いこと表現しているのがあるのかもしれない。写真の撮り方も含めてね。だから、これはお題なんだよ。
【きだて】あ~、はいはい。
【高畑】この消しゴム自体が大喜利のお題なの。
【他故】みんな100円払って大喜利に参加しているんだ。
【高畑】これをどう表現するかとか、何に使っているところの写真がウケるかとかがタグになってるじゃん。
【きだて】何に透かしてみれば面白いかとか。
【高畑】そうやってみんなに考えさせてしまうパワーというのは、シンプルだけど物としての訴求力がすごかったんだよ。
【他故】すごく魅力的なんだよな。
【きだて】だから、みんなで「うっとり…」って言ってようよ。
【他故】家ではいろんな消しゴムを使うけど、持ち歩く消しゴムってみんなこれになっちゃったよ。
【きだて】ああ、対外的に見せる必要がある消しゴムはということね。
【他故】完全に、見せる消しゴムの1位になっちゃった。
【高畑】見せ消しゴムね~。
【他故】これと「オレンズネロ」を並べておくとかっこいいじゃん。結局、こういうことだろうと(笑)。
――なるほど。
【高畑】なんか、レトロフューチャーな感じがするな。昔の未来のイメージって、何でもアクリルで透明だったっていう(笑)。
【他故】80年代のSFだよ、これは。
【高畑】ねえ。それで消しゴムで消すんかいっていう(笑)。
【他故】やっぱり、手で書いて、消しゴムで消すのかっていう(笑)。
【きだて】何だろうね、そのフリクションのない世界線は(笑)。
【高畑】普通に、液晶画面のない世界だよ(笑)。
【他故】デジタルデバイスないのか(笑)。
【きだて】手書きかよっていう。
【高畑】ある種、スチームパンクみたいなああいうのね。
【他故】そうだな。これだとサイバーパンクには行かないんだな。
【きだて】前に言っていた、電卓パンクはこっちの世界だよね。
【他故】電卓で進化が止まっちゃうところがね。
【高畑】レトロフューチャー感があるので。今の若い人にとっては、単純にキレイなものが出てきたという感じだと思うんだけど、もう40歳を超えている僕らにとってみれば、昔の未来を見ているようなところもあって、懐かしい感じもするじゃん。新しいだけじゃなくて。
【他故】分かるよ。
【高畑】このかわいらしさの部分が、僕らの記憶で上げ底になっている部分もありつつの。
【他故】結局は、老若男女に受けているということでいいのかな。
【きだて】そうだと思うよ。
【他故】割と上の人で、「消しゴム使うの」っていう人でも買っているという感じもあるから。
【高畑】それこそ、色が付いてないのがよかったんだよね。あの無色透明感がいいんじゃないですか。
【他故】これなら男女も選ばないしね。
【高畑】これだけ物が飽和した中で、これだけ割と真ん中に近いところで、面白いものを出すのは難しいからさ。
【他故】そうだろうね。
【きだて】これきっかけで、またスケルトンブームが来たら超面白えな(笑)。消しゴムの界のiMacとして(笑)。
――ああ、でも万年筆はスケルトンブームじゃないですか。
【他故】筆記具関係はそうですよね。それで、素材的にできないだろうと言っていた消しゴムができちゃったから。
【きだて】次の透明は何だろね?ペンケースはすでに透明なのが流行ってるよね。
【他故】ノートか?
【きだて】やっぱノートなのか? スパイグッズくさいな。
【高畑】それで、最初から透明なインクのフリクションが出てきて。
【他故】書いたことが分からない(笑)。
【高畑】これがサカモトが作っていたら、違った文脈になったと思うんだけど。これをシードが作っちゃったというところがね。
【きだて】そこはやっばり、すでに消しゴムとして馴染み深い「レーダー」が透明になった、ということろがポイントになってる。
【高畑】レーダーの名前を付けたからには、ちゃんと消えるし。
【きだて】そう、そこは担保しなきゃいけない。
【高畑】ど真ん中のどストレートなデザインで、そのメーカーが作ったというのが大きいんじゃない。これがパロディ文具で急に出てきたというよりは、本家が作ったというところに大きな意味がある。
【他故】そうだね。
【高畑】ファンシーメーカーが、透明な消しゴム作りましたというよりは、訴求するパワーが違うような気がする。これは、消しゴムを作り続けた老舗メーカーのブランド力がうまくはまった感じがします。
【きだて】そうだね。
【高畑】やっぱり、レーダーのこのロゴじゃないと。
【他故】レーダーシリーズであるからにはそれでないと。
【きだて】ロゴもそうだし、やっぱ水色じゃないとだしということで、上手く涼しげなデザインにできてる。
【他故】ここから後は、バリエーションで色が変わっても構わないけど、やっぱり一発目はこの色でないと。
【高畑】いや、こんな面白いものが今出てくるとはね。
【きだて】美しい、うっとり。
【他故】最近は消しゴムが異常なほどバリエーションが増えて、店頭でもすごい種類の消しゴムが並ぶようになる中で、こんな目立つものが出てきて。
――最近は消しゴム多いですよね。
【他故】使う人が限られているはずなのに、何でこんなにバリエーションが増えているのか(笑)。
【高畑】面白いものがたくさん出ているけど、ベースが直方体じゃん。一時の「カドがたくさんあります」というような話ではない。
【きだて】形状勝負ではなくて、中に練り込んでいるものの勝負だったりとか。
【高畑】それで、普通に使えるじゃん。奇をてらうのではなく、普通に使えるところで勝負しているからね。*その2に続く
プロフィール
きだて たく
小学生の時に「学校に持っていっても怒られないおもちゃ」を求めて、遊べる文房具・珍妙なギミックの付いた文房具に行き当たる。以降、とにかく馬鹿馬鹿しいモノばかり探し続けているうちに集まった文房具を「色物文具=イロブン」と称してサイトで公開。世界一のイロブンコレクターとして文房具のダメさ加減をも愛する楽しみ方を布教している。著書に『イロブン 色物文具マニアックス』(ロコモーションパブリッシング)、『愛しの駄文具』(飛鳥新社)など。
色物文具専門サイト【イロブン】http://www.irobun.com/
他故 壁氏(たこ かべうじ)
文房具トークユニット〈ブング・ジャム〉のツッコミ担当。文房具マニアではあるが蒐集家ではないので、博物館を作るほどの文房具は持ち合わせていない。好きなジャンルは筆記具全般、5×3カードとA5サイズノート。二児の父親。使わない文房具を子供たちに譲るのが得意。
たこぶろぐhttp://powertac.blog.shinobi.jp/
*このほか、ブング・ジャム名義による著書として『筆箱採集帳 増補・新装版』(廣済堂出版)と、古川耕さんとの共著『この10年でいちばん重要な文房具はこれだ決定会議』(スモール出版)がある。
弊社よりKindle版電子書籍『ブング・ジャムの文具放談』シリーズを好評発売中。最新刊の『ブング・ジャムの文具放談6』も発売。
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