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【連載】月刊ブング・ジャム Vol.26 その2

機能性ペンケースのニューフェイスをチェック!
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左からきだてさん、高畑編集長、他故さん


本サイト編集長の文具王・高畑正幸さん、イロモノ文具コレクター・きだてたくさん、ブンボーグA・他故壁氏さんの3人による文具トークライブユニット「ブング・ジャム」が、気になる最新文房具を独自の視点から切り込んでいく「月刊ブング・ジャム」。Vol.26では、まだまだ注目アイテムが発売され続けている機能性ペンケースについて取り上げました。

2回目は「とっておきスタイルペンケース」です。

その1はこちら

取っ手付きでとっても便利!!

とっておきスタイルペンケース1.jpgとっておきスタイルペンケース」(レイメイ藤井) フタを開くと取っ手形状に固定され、持ち運びに便利なペンケース。フタにマグネットを内蔵しているので、開くと中央でくっついて開いた状態のまま固定される。フタが開いたままなので中が見やすく、開いたフタは取っ手形状になるので持ち運びに便利。フタを閉じた状態ではシンプルな箱型なので、引き出しや棚、鞄などに収納するのに便利で、フラットなので積むこともできる。収納スペースが2つに分かれているので使用シーンに合わせて収納物を仕分けすることができる。税抜1,500円。

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――これまでは、ブング・ジャムのみなさんの手に余る感じがありましたが。

【きだて】そんなものをぶつけるな(笑)。

――これならガッツリ語れるんじゃないですか。「とっておきスタイルペンケース」です。

【きだて】どっちかというとね、動きの順番からいくと「とってもちペンケース」なんだけどね。

【高畑】あ~。

【他故】置くんじゃなくて、置いてあるのを持ち上げるからな。

【きだて】会議室を使っていて、ついつい時間オーバーしたときなんかは、外で人が待ってるでしょ。それで、「出なきゃ」となったときに、ペンケースにしまって、ジッパーを閉めて、さあ出ましょうというのは慌てるじゃん。そういうときに、これにザラッと入れて、この状態で持って行っちゃうというのは、めちゃめちゃスピーディーだよね。この出前持ちスタイルが。

【他故】岡持ちスタイルだね。

【きだて】これが素早くていいなと思う。あとは、自分の席からミーティングスペースに移動するときも、いちいちペンケースのフタしめて…とかやらずにそのままサッと持っていけるじゃん。それこそフタ閉めるのはカバンの中に入れるときぐらいっていう。

【他故】普段から開けっ放し、置きっ放しということだね?

【きだて】そうそう。社内移動が楽だなと思って。

【高畑】ちょっと前から、penco(ペンコ)がやっているような、真ん中に把手が付いている四角くて平たいバケツみたいなやつ。あれって、何社も出してるし、道具入れじゃない。この間リヒトが出した、横にポケットがいっぱい付いているツールトートみたいなのとか。あれも、トートバッグの流行りからきている感じがするし、このペンケースも元々布じゃなくてプラケースなんだと思うんだよね。それこそ、きだてさんが言うように、しまわなくて開けっ放しのプラケースを、しまえるようにペンケースにしたら、このかたちになったと思えなくもない。

【きだて】発想の手順としては、そんな気がするよ。

【他故】そうだね。

【高畑】これ、面白いのは、端っこが縫ってあるだけで、明らかに2つペンケースがあるんだよ(笑)。

【きだて】四角柱のペンケースを2つつなげましたというね。

【他故】2個なんだ、本当に。

【高畑】トレーラーの後ろがこういう風に開くのがあるじゃない。

【きだて】ガルウィングのね。

【高畑】開くとそこでゲリラライブとかやるやつ。

【他故】わはは(笑)、そうだね。

――レイメイはシステム手帳でもあったし、2つくっつけるのが好きなんじゃないですかね。

【他故】ダブルが好きなんじゃないですか。

【高畑】確かに、これ片方からやるとちゃんと立たないから、両方からやらないといけないんだよね。

【他故】どっちにしろ、片っぽだけ開けて保持することはできないよね。

【きだて】うん。上に磁石が入っているから、重すぎて倒れてきちゃうんだよね。

【他故】それだと、開けざるを得ないんだよね。これ、下に入っている板みたいなのは、単なる底敷きなの? それとも、下にも何か入れる設定なの?

【きだて】例えば、定規なんかを入れておいてもいいと思うんだけど、基本は硬い底敷きだと思うよ。

【高畑】下が柔らかいから、底敷きだと思うよ。

【きだて】それで、こっちのポケットは名刺入ります。

【他故】こっちは間違いなく。横幅があるから。

【きだて】ただ、フタを閉めたときにケースの縁に名刺が当たるんだよね。

【高畑】それじゃあ、閉められなくなるじゃん。

【きだて】そう。

【他故】そうか、名刺を入れたままだと閉められないんだ。

――取っ手のところまで名刺がきちゃうんですか。

【きだて】閉めようとすると折れちゃう。だから、ここはふせん用です。

――基本的に、ペンケースに名刺を入れられないということですね。

【高畑】このペンケースは2室に分かれているから、片方にペンを入れて、もう片方はごちゃごちゃしたもの入れだよね。消しゴムとか修正テープとか。

【他故】これなら、立体のものが結構入るよね。

【きだて】そうやって使い分けないと、こっちを手前に置いていると、仕切りがあるので、その向こう側のは取れないので。立てちゃうと使いづらいし。まあ、使うときは自分の方に正対すると思うので。

【他故】結構入りそうだね。

【きだて】あれもこれもが同時にホイホイ使えるという使いやすさとはまた違うんだけれども。

【高畑】そうだね。これも「デルデ フラットポーチ」と一緒で、スマホ立てられるぜ的な。あと、ちょっとした衝立になってるので、向こうからあんまり見えないということもある。

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――これは、どのジャンルのペンケースになるんですか?

【きだて】それはトレー型だよ。

【高畑】トレー型の一種だよね。

【きだて】トレー型なんだけど、社内とかのちょっとしたショートの移動にすごく特化しているという印象。

【高畑】やっぱ、ツールボックスなんだよね。

【他故】そうだね。

【高畑】取っ手が真ん中に付いているツールボックスを布で作って、しまえるようにした。だから、これを外さなくても大概はいいということなんだよね。

【きだて】置きっぱにしているんだったら、このまま会社で置いてあるはずだよ。

【他故】そうだよね。

【きだて】持って帰ったり、ロッカーにしまっておいたりしなくてはいけないから、フタして運べるようにしているだけで。

【他故】机の上では置きっぱなんだろうな。それが、さっきの「デルデフラットポーチ」と違って中身も丸見えだけど、それがかえって男らしいというか(笑)。

【高畑】そうね、そんな感じだよね。

【きだて】これだと、多少振っても、中のものが以外と暴れないのよね。

【高畑】出ないね。

【他故】持って歩いてもそんなに、という感じ。

【きだて】それは大丈夫なので。

【高畑】やっぱり、ここら辺は攻めたなという感じだよな。今までになかったものを作りたかった感がすごいある。

【他故】「仕分けできる」「中が見やすい」「持ち運べる」って書いてあるけど、筆箱はみんな持ち運べるけどな。

【高畑】でも、開いたまんま持ち運べるということだよ。

【他故】そうね。

【きだて】「仕分けできる」っていうのは、仕分けせざるを得ないんだよね。

【他故】筆箱が2つに分かれてるからね。大抵の人は、2つに分かれてたら、ジャンル分けをするよね。

【きだて】仕分けをしても、そこまで便利にはならないので。仕分けて双方向に素早くアクセスできるわけじゃないからね。そこが難しいっちゃあ難しいんだけどね。

【他故】片方がサブになっちゃうからね。まあ、でも面白いな。

【きだて】本当に、移動の軽快さは今のところピカイチですよ。

【高畑】俺的には、ガジェットポーチ的に使った方がアリかもしれない。

【きだて】それも面白そうだね。

【高畑】ケーブルやら電池やらが一緒に入れられるんだったらね。でかい電池は入らないけど、マウスぐらいなら入る。自分的には、外でイベントとかやるときに、レーザーポインターとか、マウスとか、コネクターケーブルとかがとりあえず要るじゃん。それで、終わって次の人の番になると、急いで片付けて移動できるから。

【他故】それはいいね。

【きだて】全てにおいて、後を追われるときに便利っていう(笑)。

【高畑】そうなんだよ。「今すぐどけ」って言われたとき。それだな。

【きだて】だから、落ち武者スタイルです(笑)。

(一同爆笑)

――嫌なネーミングだな(笑)。

【高畑】何かやり終わって、「はいはい、どいて」って言われたときに早い(笑)。

【他故】そうね。自席というよりは、会議へ持っていったときとかなんだろうね。

【きだて】まあ手早い。

【他故】学校でもいいんだろうな。授業で教室を移動することが多いときはそれなりに便利なんだろうな。

【きだて】ああ、そうかもね。

【他故】子どもが、立つペンケースを使っているんですけど、やっぱりひっくり返っちゃうんですよね。だから、底面積広い方がいいよなと思って。これなんか割といいかもしれないな。

【きだて】アリかもよ。

【他故】何でも放り込めるから、これはいいかもしれないな。

――これ、結構でかいですよね。カバンの中へ入れておくのにどうなんです?

【他故】いや、中学生はバカでかいスクエアのリュック背負ってるんで、問題ないですよ。

【高畑】閉めたときは真四角だから、比較的大人しくなってくれるじゃん。円筒形なんかに比べると、カバンの中には入れやすくはなってるよね。

【他故】次に第2弾が出るときは、分離合体できるやつがいいですね。

――ああ~、マグネットか何かで。

【高畑】それ、強烈な既視感があるんだけど。「合体分離思いのまま」って。

【きだて】まあ、あの当時はレイメイも多面多機能筆箱を頑張ってたわけだから。

――80年代はそうでしたね。

【他故】あの夢をもう一度。

【きだて】まあでも、レイメイは最近もすごくペンケース頑張ってるじゃん。

――いっぱい出してますよね。

【高畑】「クラムペンケース」とかめちゃくちゃ売れてるんでしょ。

――それにしても、さっきの2つのペンケースと違って、話に勢いがありますね(笑)。

【高畑】だって、おじさんでも分かるんだもの。

【きだて】いくらでもしゃべれるんだもの。

――水を得た魚のように(笑)。

【高畑】やっぱり、自分が対象かどうかは大きいね。

【他故】ねえ、そればっかりはしょうがないですよ。

【きだて】だから「デルデフラットポーチ」と「nicco」が欲しい女子は、今までの俺たちの話を「何言ってんだ、こいつら」と思いながら読んでたんでしょ。何か、申し訳ないね(苦笑)。自分がそういう気持ちになって、初めて他人の気持ちを慮れるんだよ。

【高畑】そういうことだよ。謙虚に生きよう。

プロフィール

きだて たく
小学生の時に「学校に持っていっても怒られないおもちゃ」を求めて、遊べる文房具・珍妙なギミックの付いた文房具に行き当たる。以降、とにかく馬鹿馬鹿しいモノばかり探し続けているうちに集まった文房具を「色物文具=イロブン」と称してサイトで公開。世界一のイロブンコレクターとして文房具のダメさ加減をも愛する楽しみ方を布教している。著書に『イロブン 色物文具マニアックス』(ロコモーションパブリッシング)、『愛しの駄文具』(飛鳥新社)など。
色物文具専門サイト【イロブン】http://www.irobun.com/

他故 壁氏(たこ かべうじ)
文房具トークユニット〈ブング・ジャム〉のツッコミ担当。文房具マニアではあるが蒐集家ではないので、博物館を作るほどの文房具は持ち合わせていない。好きなジャンルは筆記具全般、5×3カードとA5サイズノート。二児の父親。使わない文房具を子供たちに譲るのが得意。

たこぶろぐhttp://powertac.blog.shinobi.jp/


*このほか、ブング・ジャム名義による著書として『筆箱採集帳 増補・新装版』(廣済堂出版)と、古川耕さんとの共著『この10年でいちばん重要な文房具はこれだ決定会議』(スモール出版)がある。

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