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【連載】月刊ブング・ジャム Vol.27 その3

令和初の大当たり!?
【他故】じゃあ、そのきだてさんの話を聞きますか。
【きだて】俺は今回、平成最後に買ったものと、令和最初に当たったものを持ってきた。
【高畑・他故】当たったもの!?
【きだて】まず、平成最後というのはですね、4月30日の夜は取材で渋谷にいたのよ。
【他故】ああ、なるほど。
【きだて】令和になる瞬間はみんな渋谷で浮かれてるかな?的な取材で、結構な雨が降る中で渋谷の街にいたわけですよ。それで、その時に「もう令和グッズ売ってるよね」ということで、街中グルグルと回って買い物してたんですよ。
【他故】はいはい。
【きだて】令和文房具を買おうというわけで、とりあえずクリアファイルにあたりをつけて、買ってきたわけですよ。
【高畑】おおっ!
【きだて】こうやって並べると、「令和」にもバリエーションいっぱいあって。
【他故】ああ、字が違うということね。
【高畑】公式のものを使ってないんだね。
【きだて】これなんか、新聞の号外をプリントしてるんだよ。あと、これは武田双雲が書いたもの。
【他故】そうかそうか、そういうことなんだね。
【高畑】「平成」のときみたいにちゃんとしたデータがまだないから。
【きだて】そうそう。
――たしか、ビバリーのは公式のと同じだと言ってましたよ。
【他故】ビバリーのはそうなんだ。
【きだて】これは薬師寺のお坊さんが書いたものだって。
【高畑】いろいろな「令和」があるのね。
【きだて】「令和」だけでも、いろんな書体を使っていて面白いなと思って。
【他故】並べてみると違うね。
【高畑】確かに。裏面に令和の由来が書いてあったり、カレンダーになっていたり。
【きだて】これは元号ステッカーが付いているんだけど、どこに貼ればいいんだよ(笑)。
【他故】無理矢理携帯の裏にでも。
【きだて】スマホの裏に「令和」って貼って何になるんだっていう(笑)。
【他故】こうなってくると、何かのロゴに似てくるよね。
【きだて】というのを買い漁ったりスクランブル交差点の騒ぎを眺めたりしてるうちに平成は終わっちゃったんだけど、今度は令和になってしばらく後にクツワからTwitter経由で連絡が来たのね。
【他故】はい。
【きだて】応募したことすら忘れてたんだけど、これが当たりまして。
(一同)あ~!
【他故】当たったんだ、すげー!
【きだて】平成と令和をつなぐ巨大「磁ケシ」(詳細はこちら)。
――それ、ネタじゃなくて本当に当たったんですか。
【きだて】本当に当たったの。要は、普通の「磁ケシ」なんだけど、まあ…長い!
【他故】長いね!
【きだて】「磁ケシ」が出たときに、棒じゃなくてU字型の方が磁石っぽいよねっていう話をしてたんだけど、これならちゃんとU字型になるでしょ。
【他故】そうだね。ケースがちゃんと青と赤だしね。
【高畑】ちゃんと(笑)。
【きだて】機能としては、従来の「磁ケシ」と変わらないけど、パッケージをよくみると、端と端にそれぞれ「平成」と「令和」が書いてあって、平成と令和をつなぐという。
【他故】なるほど。
【高畑】でも、平成と令和を近づけると反発するという(笑)。
【きだて】そう。なんか、断続的なものがあるのかしら。世代間断絶とか。
――その辺は微妙ですな。
【きだて】とりあえず、当たったので嬉しいなと思って、見せびらかしに持ってきたわけですが。
【他故】うらやましいよ、これは。
【きだて】これは、でかくなれば便利になるとか面白くなるというものじゃなくて、ただ単に「ああ、でかいな」っていうもんじゃん。
【高畑】長くしましたっていうね。
【きだて】それどころか、消せないわけですよ。両側にスリーブだから(笑)。
【他故】両方磁石だからね。片方のケースを外さないと使えないからね。
【きだて】首にかけたら肩こりが治るかなとも考えたんだけど、未だにどう使っていいかの目処も立たないままで。多分、このままコレクション棚に保管されるんだろうという予感がするけど(笑)。
【高畑】これも、勢いで作った感はあるよね。
――これも、平成・令和グッズか。
【高畑】まさしくそうですよ。
【きだて】多分、スリーブ付けてU字型っぽくできるよねっていうだけで作った感があるじゃん。
【高畑】でもそれを、イベントとはいえ、平成・令和グッズとして作ったわけじゃないですか。なんかこう、落としどころに微妙なところが…。
【きだて】なんだよー。俺は上手く扱えなかったけど、君ら2人なら何か面白いコメントをつけてくれるに違いないと信じて持ってきたのに(笑)。
【高畑・他故】いやいやいや(笑)。
【きだて】俺ももてあましてるんだ(笑)。
【他故】うらやましいけど、確かに手元にあったらどうしようと思うよ(笑)。
【きだて】そういう意味では、正調イロブンなんですよ。
【他故】そうだよ。あなたが持っているべきだよ。
【きだて】自分では要らないけど、見て「わ~っ」だけは言いたい……っていうのがイロブンの基本だからねぇ。
【高畑】それをきだてさんが持っておくというね。
【きだて】当たるべくして当たったのか。
【他故】来るべきところに来たんだよ。
――そうですよ。クツワもそれを考えて、きだてさんを当選させたんですよ(笑)。
【きだて】それはどうだろうね(笑)。
【高畑】もし俺がクツワの担当者だとしても、きだてさんには持っておいてほしいなと思うアイテムではあるよね。
【他故】そう思うね。例えば、ヤフオクとかに出てたら買うでしょ?
【きだて】まあ…、買うよね。
【他故】買うよね、だって(笑)。
――これ、何人が当選したんですかね?
【他故】何人だろう。少ないんじゃないかな。
【きだて】俺のくじ運の低さから考えると、定員割れだったんじゃないかな。
【他故】それはないんじゃないの。
――ああ、5人だと書いてありますよ。
(一同)5人!
【高畑】5分の1はすごいよ。
【他故】すごいよ。さすがに、応募者が5人以下なわけないもの。
【きだて】そうか。じゃあ、まあまあくじ運がよかったのかな。
【他故】そうだよ。
【きだて】消しゴムとしてはちょっとお高いので、まあお得だよ(笑)。
【他故】1個税抜で250円するからね。
【高畑】これ、何個分になるんだ?
【他故】8個分はありそうだよ。
【きだて】ちゃんと測ってないけど、そのぐらいかな。
――「磁ケシ」のヘビーユーザーならうれしいでしょうね。
【高畑】うれしいよね。
――「使い放題だぜ」って(笑)。
【他故】使おうとするとにゅるにゅるするけど(笑)。
――そこはカットして。
【きだて】カットしちゃうのか。それだと台無しだな。
――もちろん、きだてさんならカットしないけど、本当に使いたいヘビーユーザーなら。
【きだて】ガチユーザーの人はね。
【高畑】しかし、U字にするのは分からなくはないけど、そこに「平成」と「令和」って書いてプラスオンで乗っけた感じが、イロブンとしてはいい香ばしさを醸し出しているというか。
【きだて】だから、イロブンとしてはじんわり楽しめるんだけど。
――以前、「磁ケシ」を取り上げたときに、「実用的な商品だから、これはイロブンではない」という話になったじゃないですか。
【高畑】ああ、そうか。
【きだて】こうなるとイロブンだよ。
【他故】これでようやくイロブンだ(笑)。
【高畑】この間「イロブンじゃない」って言ってたから、これを送ってくれたんだよ。
【他故】「これはイロブンです」とちゃんと言わないといけない。
【きだて】見た人が微妙に判断に困る感じとか、「平成・令和」のぬるいプラスオンな感じとか、そういういろんな要素を含めて、非常にイロブン的だなと。
【他故】これ、入手した時期が分かっていいですよね。平成から令和にまたぐ時期に入手しましたということで。
【高畑】ああ、確かにね。
【他故】もう間違いなく忘れないですよね。
――令和の幕開けとともに、きだてさんの元にイロブンとして届けられたという。
【他故】令和最初のイロブンだね。
――これは、どう考えても天の配剤ですよ(笑)。
【きだて】今のところ、面白いことをしあぐねている状態なので、この平成令和磁ケシで何か面白いことを考えついた人は教えて下さい。
――アイデアのある方はこちらまでお願いします。
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プロフィール
きだて たく
小学生の時に「学校に持っていっても怒られないおもちゃ」を求めて、遊べる文房具・珍妙なギミックの付いた文房具に行き当たる。以降、とにかく馬鹿馬鹿しいモノばかり探し続けているうちに集まった文房具を「色物文具=イロブン」と称してサイトで公開。世界一のイロブンコレクターとして文房具のダメさ加減をも愛する楽しみ方を布教している。著書に『イロブン 色物文具マニアックス』(ロコモーションパブリッシング)、『愛しの駄文具』(飛鳥新社)など。
色物文具専門サイト【イロブン】http://www.irobun.com/
他故 壁氏(たこ かべうじ)
文房具トークユニット〈ブング・ジャム〉のツッコミ担当。文房具マニアではあるが蒐集家ではないので、博物館を作るほどの文房具は持ち合わせていない。好きなジャンルは筆記具全般、5×3カードとA5サイズノート。二児の父親。使わない文房具を子供たちに譲るのが得意。
たこぶろぐhttp://powertac.blog.shinobi.jp/
*このほか、ブング・ジャム名義による著書として『筆箱採集帳 増補・新装版』(廣済堂出版)と、古川耕さんとの共著『この10年でいちばん重要な文房具はこれだ決定会議』(スモール出版)がある。
弊社よりKindle版電子書籍『ブング・ジャムの文具放談』シリーズを好評発売中。最新刊の『ブング・ジャムの文具放談6』も発売。
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