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【連載】月刊ブング・ジャム Vol.27 その2
第2回目は、他故さんの令和初文具を紹介します。
*その1はこちら
旅の思い出に文房具を
Pentonote(ペントノート)オリジナル「プロフィットふでDEまんねん」(セーラー万年筆)
――次は他故さんお願いします。
【他故】僕は、基本的に普通に買ったものですけど。5月1日、2日に息子と2人で福島市へ行ってきたんですよ。
【きだて】ほう。
【他故】要するに、「Pentonote(ペントノート)」に行ってみたかったので、1泊2日で小旅行ということで行ってきたんですが、その5月1日にペントノートで買った令和1号のアイテムが「ふでDEまんねん」ですけど。
【高畑】ああ~。
【他故】「プロフィットふでDEまんねん」のペントノートオリジナルカラーのものがあって、その中から青をチョイスしてきました。
【きだて】ふ~ん。
【他故】ペントノートというお店ができたときに、かっこいいから行ってみたいなと思っていたので。行ってみたら、カフェもあって、ご飯もおいしいし、文房具も面白いのが置いてあったりして、非常にのんびりと過ごせるいいところだったんですよね。
【きだて】ペントノート、話には聞いていて、行ってみたいなと思っているところなんだ。いいなー。
【他故】私の息子は、別に文房具が好きなわけじゃないんですが、私と一緒にどこかへ行って歩くのが好きなので、福島でも文具店を歩いてまわってみようかと思ったんですが、まあどこの店も休みですよね。
【きだて】まあ、10連休だしね。
【他故】ペントノートはやっているの確認して行ったんですけどね。2万歩ぐらい歩きましたけど、まあ他の店はやってないですね(苦笑)。
――やっぱり、そうですね。
【他故】ペントノートは、ゆったりと過ごせていいお店だったんですけど、店主の方とお話をしておすすめされた万年筆がこれだったので。「ふでDEまんねん」は持ってなかったので、1本ぐらい持っていた方がいいかなと思って。立てると細字になって、寝かすと極太になるという。
【きだて】(試し書きをしながら)ふむ。
【高畑】これ、使いこなすの難しいよね。
【他故】手にして1カ月が経ったけど、正直まだそんなに使いこなせてない(苦笑)。
――難しいですよね。
ペン先が反り返っており、立てて書くと細字に、寝かせて書くと筆風の太文字になる。
【他故】これに関しては、欲しかったというよりは、お店の方におすすめいただいたので。あとは、カラーが特殊できれいなんですよ。お店のオリジナルで、8色ぐらいあったのかな。コンバーターの色も合わせられたので。
――セーラーのコンバーターはつまみの色が何色かあるんですよね。
【他故】色々と見せてもらって、居心地もよかったし、楽しいお店だったなという思い出も含めて、これが令和1号の商品です。
【きだて】チョイス的にも他故さんっぽいね。
【他故】福島に1泊して、翌日はイロドリというお店に行ったんだけど。そこも輸入文具とか扱っていて面白いお店だと聞いていたので、1時間くらいかけて息子と一緒に歩いて行ってきましたよ。空は高いし、川は大きいし、山は遠くでまだ頂上に雪が残ってたりしてね。だから、すごく気持ちのいい旅で。
【きだて】いいな~。5月のはじめにそんな気持ちのいい旅行ができて。
【他故】本当に久しぶりだったよ。
――それ入れているインクは何なんですか?
【他故】セーラーの100色インク「インク工房」のNo.123です。
【きだて】令和最初の買い物と言いつつ、要は10連休を息子と満喫した記念だよね。
【他故】旅の記念にもなっている。それで、イロドリに行ったときに買ったのが「つくしペンケース革」。
【きだて】はいはい。
【他故】現状では、もう手に入らないみたいですけど。
――へぇ~。
【他故】ちょうど入荷日で、「いいのが入りましたよ、お客さん」みたいな感じで(笑)。
【きだて】他故さんは、このタイプのペンケース好きだよね。平置きの。
【他故】薄っぺらいのが好きなんだよね。僕が好きなのは、本気で立つか、薄っぺらいかのどっちか。箱型は、あまり厚いのは好きじゃないんだよね。
――「つくしペンケース」というのは、国分寺にあるあのつくし文具店の?
【他故】そうです。なかなか作れないらしくて、イロドリさんもそんなに入荷できないと思いながら10個注文したら、「本当に10個来ちゃいましたよ」っていう話で(笑)。
――つくし文具店だけじゃなくて、他のお店でも売ってるんですね。
【他故】結構他店でも扱ってるんですよ。ただ、物がそんなに作れないし、革じゃない普通の「つくしペンケース」も色によっては品薄みたいで。なので、このペンケースも含めて、旅の思い出になりました。
【高畑】しかし、いいね。そうやって、文具店を探しに旅に出るのも。
【きだて】俺らが毎年夏にやっているブング・ジャムのイベントでも、「ぶらりタコ歩き」(注:他故さんによる文房具店めぐりレポート)は人気コンテンツじゃん。「あれを聞きに来ました」という人がかなりいるから。
【高畑】いるんだよね。
【他故】俺もびっくりしたよ。「店に行きました」という人もいるんだよ。
【高畑】そうだよ。「ぶらりタコ歩き」を見て、そこで紹介したお店に行く人がいるんだよね。
【きだて】その福島の2店は「ぶらりタコ歩き」でやるの?
【他故】やるつもり。
【きだて】いいね。
【他故】その取材も兼ねてだったんだけど、「旅っていいな」というのを、久しぶりに満喫したよ。
【高畑】いいな~。
【他故】地方にも面白い文具店があるのは知っているんですけど、なかなか行く機会がないので。
【きだて】優雅に令和の訪れを楽しんだわけだね。俺は、腰痛堪えながら原稿書いてたけど(笑)。しかも、後で話すけど、前日いろいろとあってヘトヘトだったので。
プロフィール
きだて たく
小学生の時に「学校に持っていっても怒られないおもちゃ」を求めて、遊べる文房具・珍妙なギミックの付いた文房具に行き当たる。以降、とにかく馬鹿馬鹿しいモノばかり探し続けているうちに集まった文房具を「色物文具=イロブン」と称してサイトで公開。世界一のイロブンコレクターとして文房具のダメさ加減をも愛する楽しみ方を布教している。著書に『イロブン 色物文具マニアックス』(ロコモーションパブリッシング)、『愛しの駄文具』(飛鳥新社)など。
色物文具専門サイト【イロブン】http://www.irobun.com/
他故 壁氏(たこ かべうじ)
文房具トークユニット〈ブング・ジャム〉のツッコミ担当。文房具マニアではあるが蒐集家ではないので、博物館を作るほどの文房具は持ち合わせていない。好きなジャンルは筆記具全般、5×3カードとA5サイズノート。二児の父親。使わない文房具を子供たちに譲るのが得意。
たこぶろぐhttp://powertac.blog.shinobi.jp/
*このほか、ブング・ジャム名義による著書として『筆箱採集帳 増補・新装版』(廣済堂出版)と、古川耕さんとの共著『この10年でいちばん重要な文房具はこれだ決定会議』(スモール出版)がある。
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