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【コレ注目!】「文具マーケット」で見つけた中学生"木軸ペン職人"

文具のとびら編集部

2023年2月25日に、東京・五反田TOCビルで開催された第2回「文具マーケット」は、大勢の来場者で終日賑わった(関連記事)。普段なかなか手にする機会がないレアなアイテムをいち早くゲットするためなのか、朝早くから会場を待ちわびる人たちが行列を作っていたそうで、午前中で売り切れてしまったアイテムもあったとか。

大盛況だった同イベントの中でも、ひときわ注目をあつめていたのが、自作の木軸ペンを販売したDRAGON WOODさんのブース。シャープペン、ボールペン、万年筆の3種を販売したが、用意していたペン45本が午前中で全て完売してしまったのだ。

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実は、DRAGON WOODさんはまだ中学2年生。文房具が好きすぎて、木軸ペンを自作するようになり、インターネットで販売もしている(こちらの記事も参照)。「中学受験中は、唯一文房具が息抜きとなっていたんです。それで、高いシャープペンが欲しいと言うので、“自分で作れ”と(笑)」と話すのは、DRAGON WOODさんのお父さん。京都で5代続く老舗で、京仏具などを製造・修復する会社(株式会社倉橋)を経営している。もの作りのDNAはお父さんから受け継がれたようだ。

中学に進学したあと、木軸シャープペンを作るワークショップに参加し、やがてお父さんの工房の片隅を借りてペン作りを開始した。今は、1本20分程度で作れるそうで、「月30本」を目標にペン作りに励んでいる。文房具への興味は、シャープペンからスタートしたが、「今はボールペンにハマっています」という。お父さん的には、会社を継いで欲しいという気持ちもあるようだが、今の将来の夢は文房具メーカーに就職することだ。

2.jpg販売していたペンは午前中のうちになくなってしまったので、サンプルとして展示していたペンを撮影した。



文具マーケットには、ペン作りをしている中学生がもう一人出店していると聞いて、そちらのブースにもお邪魔した。現在は中学3年生で、去年の夏休みから杢工木麟の名前でペンを自作し、インターネットで販売している。

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「元々木の文房具が好きで、銘木を集めてます」と杢工木麟さん。誕生日プレゼントにもリクエストするぐらい好きなのだとか。彼が作るペンは、木軸だけでなく、砂をレジンで固めたという一風変わった軸のペンもあり、ブースには色とりどりのペンが並んでいた。

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どちらも中学生が作ったとは思えない、非常にクオリティの高いペンなので驚いた。男子中学生の間で木軸シャープペンがブームで、1万円を超える高額なものが買われているという話はよく聞くが、それに飽き足らず自分で作るようにもなってきているわけだ。この2人に刺激されて、シャープペンを自作する中学生がこれからもっと増えるのかもしれない。

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