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【文具時評】鉄道文具が一大勢力に!? その1
先日、丸善池袋店で開催している鉄道グッズフェアを取材したが(記事はこちら)、なかなか盛況のようであった。同店は、1Fショーウィンドーに電車が展示されているということもあって、鉄道グッズコーナーを普段から常設しているのだが、多種多彩な鉄道文具がずらりと並ぶ様子を見て、「鉄道文具は一大勢力に成長したのではないか」と感じた。
“鉄子”や“ママ鉄”と呼ばれる女性ファンが出現するなど、鉄道ファンの裾野が広がったこと、また各地に鉄道博物館ができたり、ユニークな観光列車が登場するなど鉄道をエンターテイメント的に楽しめる要素が増え、それがメディアで大きく取り上げられていること、さらには「鉄道好き」を公言する著名人も増えてきていることから、鉄道趣味に対するイメージも様変わりしてきて、鉄道に親しみを感じる人が増えたのではないか。少なくとも、「鉄道って面白いよね」と思う人が増えたことは間違いないだろう。だから、ガチなマニアだけでなく、ライトなファンを取り込むために、鉄道文具もバリエーションが増えてきているのである。
というわけで、その一例として筆者が所有する鉄道文具を2回に分けてご紹介しようかと思う。ただし、あくまでも個人的な興味から購入したものばかりで、鉄道文具の全てのジャンルを網羅したものではないので、その点はご理解いただければと思う。間口は狭そうだが、奥行きは意外とあるのが鉄道文具の世界なのである。*価格、メーカー名は極力記載するようにしましたが、一部不明のものもあるのでご了承下さい。また、すでに販売終了となっている商品も紹介しています。重ねてご了承下さい。
電車メジャー
電車のかたちをしたメジャーあるいはホッチキスなどの立体モノは、かつて鉄道文具における定番アイテムであったが、どういう理由からか最近はあまり見かけないようである。
ここでご紹介するのは、かつてJR中央線で走っていた201系電車をモチーフにしたメジャーで、2010年に中央線から引退する頃に東京駅のキオスクで購入した。もちろん、実用的なメジャーではあるが、メジャー部分には中央線の駅名標がプリントされている。確か、新宿から立川までの快速停車駅のはずだ。「はずだ」というのは、このメジャーの所有権が筆者から息子に移ってしまい、今手元にないので分からないのだ(商品を撮影する際にこっそりと拝借したのだけれど、それを確認するのを忘れていたのである)。とにかく、今はなき貴重なアイテムである。成形もなかなかよくできていて、ずっと眺めていても飽きないくらいだ。
江ノ電フリーケース
小田急ロマンスカーLSEアクリル定規
小田急ロマンスカー最古参の7000形LSEが先頃、2018年7月10日で定期運行を終了したが、その記念になるものをと思って、小田急新宿駅の小田急グッズショップで購入した、先頭車のダイカット定規(税込540円)。屋根の部分に目盛りが付いていて、10㎝まで測ることができる。他の現役のロマンスカーの定規もあった。
それにしても、LSEの引退で、オレンジバーミリオン・グレー・白という配色が、小田急タクシー以外で見られなくなるのはちょっと寂しい。SL文鎮
ずしりと重みのある文鎮は、SLしかもD51(デゴイチ)のような大型で重厚感のある機関車が相応しい。もっとも、文鎮としては使ったことがなくて、専ら机上の置物となっているのだが…。
余談だが、D51は筆者の小学校の校庭に置かれていたので、6年間その上によじ登ったりしてよく遊んだ。D51の絵を描いて賞状をもらったこともある。なので、個人的にも思い入れの深い機関車でもある。
京王電鉄オリジナルクーピーペンシル
京王線と井の頭線の電車で使用しているカラーをイメージしたクーピーペンシルが12色セットになっていて、付属の電車ぬりえにそれを使ってぬりえができる。メインユーザーは、あくまでも電車が大好きな子どもたちで、我が家でも息子がこれでぬりえを楽しんでいる。
子ども向け商品というイメージからマニアックさは希薄と思われるかもしれないが、これはむしろ作る側のマニアックな情熱を感じずにはいられない商品だろう。最初に説明したように、クーピーの色は電車に使われている色をイメージしたものになっているのだが、色の再現性にも非常にこだわっていて、この商品のために開発した色を使っているようである。しかも、電車の屋根や床下を塗るための「くらいはいいろ」なんて色まである。その熱意に敬意を表したいくらいだ。
残念ながら、京王電鉄バージョンは売り切れとなっているが、阪急電鉄バージョンはまだ販売されているようだ。
Suicaのペンギン 釣り銭トレー(ペントレー)
これを鉄道文具として扱うことに疑問を感じる人がいるかもしれないが、鉄道会社系のキャラクターということでご紹介する。もはや説明不要のキャラクターだが、鉄道ファンならばより一層愛着がわくキャラクターであるのは間違いない。
真ん中に、七福神に扮したSuicaのペンギンたちを描いた、シンプルなトレーで、職場でペントレーとして使っている。ペンを上に置くとペンギンが隠れて、ただのトレーにしか見えなくなるという、奥ゆかしいところも気に入っている。(ただし、現在は販売されていない模様)
Nゲージ定規
一見何の変哲もない、普通の定規に見えるかもしれない。しかし、定規を凝視しているうちにどことなく違和感を覚えてくるはずだ。
まず気になるのは、右側に大きく書かれた「東急車輌」の文字。東急車輌はかつて存在した鉄道車両の大手メーカー(現在は総合車両製作所に鉄道車両製造事業は継承されている)で、電車の車両の端っこにこの名前が刻まれたプレートが貼ってあったりするので、ご存じの方もいると思う。その東急車輌が作ったオリジナル文具なのだ。
そして真ん中に2本の溝があるが、これがNゲージのレールの幅と同じなので、鉄道模型をディスプレーすることもできる(上写真)。しかも両側に目盛りが付いていて、その一つは普通に長さが測れるものだが、もう一つの方はNゲージ車両が実際の車両ならばどれくらいの寸法なのかが分かる目盛りなのだ。例えば、この写真の模型はおよそ13㎝だが、実際の全長はおよそ19.5mほどだというのが分かる。Nゲージを持っていなければ何の役にも立たない目盛りなのだが、そういう遊び心に思わずニヤリとしてしまう。おまけ・南海ティッシュカバー
これは文具ではないけれど、なかなか気に入っているのでご紹介したい。先日、大井川鐵道へ行ったときに、新金谷駅の売店で見つけ、一目惚れして購入したもの。現在、大井川鐵道で走っている元南海電鉄の21000系をモチーフにしたティッシュカバーだ。21000系は流線形だが、なかなか上手く感じを出している。
顔の部分にそれぞれ「急行」と「普通」のヘッドマークが描かれているが、急行の方は南海時代のものだそうだ。そういうところが、車両のオリジナリティを大事にする大井川鐵道らしい。「南海ティッシュカバー」という商品名も何だか嬉しい。価格は税込1,500円。
*次回は紙ものアイテムを中心に紹介します。
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