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【連載】月刊ブング・ジャム Vol.52 家庭で便利に使えるイチオシ文具!(その2)

本サイト編集長の文具王・高畑正幸さん、イロモノ文具コレクター・きだてたくさん、ブンボーグA・他故壁氏さんの3人による文具トークライブユニット「ブング・ジャム」が、気になる最新文房具を独自の視点から切り込んでいく「月刊ブング・ジャム」。

今回は、家庭で便利に使える文房具をブング・ジャムのみなさんに紹介してもらいました。

第2回目は、他故さんおすすめの「ディアキチ ワザアリテープ」です。

写真左からきだてさん、他故さん、高畑編集長*2021年6月30日撮影
*鼎談は2021年6月22日にリモートで行われました。

キッチンまわりで便利な貼ってはがせるテープ


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――次は他故さんですね。

【他故】もう発売されて随分経つので、ご存じの方も多いと思いますが。

【高畑】いやいや、まだ少ないと思う。

【他故】文房具として見られてないから、まだ少ないかもしれないね。ニチバンが、「ディアキチ」というシリーズで発売している「ワザアリテープ」。キッチンとかで使える、いわば養生テープの小さいやつ。手で簡単にちぎれてペッと貼れて、それなりの粘着力はあるんだけど、のり残りなくはがせるよというテープを、「キッチンまわり、家庭まわりで使うと便利だよ」というシリーズだと僕は思ってるんですけど。

――はい。

【他故】発売されてしばらくは、正直あんまり関心なかったんですよ。他のものでもできるだろうと思ってずっとやってたんですね。例えば、飲み物を我が家で管理するときに、娘の飲み物と息子の飲み物を同じものを買ってきたというのはよくあったので、ペットボトルに書いてたりしたんですけど、ペットボトルに書くのって意外と難しい。例えば、コーラのペットボトルを買ってきて、白いペンで名前を書くと、コーラの内容量が減ると名前が見えないという問題があって。かといって黒いペンで書くと、そもそも見えないみたいな。

【きだて】ボトルに書くのか。

【他故】それで、ちょっと濡れてるだけで書けないとか、色々とやっているうちに、書くのはあまりよろしくないなという雰囲気になってきて、うちにあるマスキングテープを貼ってみたんですよ。まあ、はがれちゃうわけですよね。ちょっと結露するだけではがれちゃうなと思っていたところに、よく考えたら、元々そういう製品あったよねということで、「ディアキチ」を使ってみたわけですけども、まあさすがに強力に貼り付いて。このロールタイプにマグネットが付いているけど、いつから?

【高畑】割と前からそうだったと思う。

【他故】最初の頃からあった? 俺が見てなかっただけなのかな。久しぶりに買ってみたらマグネットが付いていて、冷蔵庫にポンと貼れるという。これだけで、収納が楽というか、なくさないで済む。

【高畑】うむ。

【他故】あと、個人的に好きなのがカットタイプ。板っぺらの状態のやつ。それを冷蔵庫に貼っておいて、そのまま貼ればいいよという。これは切らなくていいので、すごく楽ちん。
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【他故】台紙に1枚だけ残っちゃうのが、すごくもったいないなといつも思うんだけど(苦笑)。

【きだて】そうね。あれはなんかモヤッとする。

【他故】「21枚あります」と書いてあるんだけど、「最後の1枚は台紙に残ります」とも書いてあって(笑)。

【高畑】20枚使えるように、21枚入ってるということね。

【他故】ちょっともったいないなと思いながらも、すごく便利なんで、いつも使ってる。

【高畑】これって、端っこがはがれてるんだよね。

【他故】そうそう。5㎜くらいかな。

【高畑】だから、ふせんみたいな感じでめくれますよということだよね。

【他故】そうそう。ふせんみたいにペロンってはがれるようになっていて、輪っかのやつは養生テープなんで、爪引っかけるだけで簡単にはがれるし。あんまり柄ものが好きじゃないので、ずっと無地のものを使ってたんだけど、最近久しぶりに買い替えてみたら、絵柄が途中で切り替わっているやつがあるのね。同系色だけど、色が途中から変わっていくのがあって、「ここの長さで切るとちょうどいいよね」というガイドになってくれる。その新しいシリーズが好きになって、いくつか買ってきたりするんだけど。

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【他故】これは文具王もきだて氏も使ってる製品だと思うので、ぜひみなさんの使い方もぜひ教えてもらいたい。

【きだて】今、引き出し開けると、普通にちゃんとストックがあります。

【他故】さすがですね(笑)。

【高畑】これ、ディスペンサーがあるんだよ。だから、そのディスペンサーに入れて使ってるよ。レンジフードに貼って使ってる。ディスペンサーのところにペンを引っかけられるようになっていて、それでペンを引っかけておく。

4.jpg【他故】はいはい。

【高畑】ラベルを書くのにペンが要るんだけど、油性のペンじゃないと文字が消えちゃうので。

【他故】そうね。上手く書けないからね。

【高畑】それで、油性のペンと一緒にして壁に貼ってあって。わりかし場所をとらないからいいよ。

【きだて】油性マーカーと一緒に使うんだったら、ぺんてるの油性ノックマーカーが便利だよね。

【高畑】ノックなら「マッキーノック」でもいいけど。

【他故】ああ、ノック式ね。

【きだて】何だかんだで、キッチンは手が足りないので、手1本で書き出せるノック式は便利。うちは、ぺんてるのノック式マーカーをレイメイ藤井の「ピタグリップ」に付けて、これと一緒に貼ってます。

【高畑】そういうホルダーを使ってもいいけど、ディスペンサーにちょっとだけ穴があいていて、そこにペンを引っかけておけるので。俺は、これとマスキングテープ用に使っているサンスター文具の「ラカット」の2つを並べてるわけですよ。

(一堂)あ~。

【高畑】使い分けで、マスキングテープがいいときもあるんだけど、さっき他故さんも言った通り、結露に強いとか、低温に強いとかがはっきりあるので、冷凍系にラベル貼ったりするのはこっちの方がいいよね。

【きだて】「ワザアリテープ」を使う前は、「ラカット」でマスキングテープを使ってたんだけど、こっちを使い出したら、もうマスキングテープを使う理由がほぼ無くて。ワザアリだけで充分だわと。

【他故】あ~。

【きだて】あんまり使い分けるということもなく。俺の中では、養生テープが割と上位互換なイメージがあるのね。

【高畑】なるほど。

【きだて】書けるのは一緒だとして、粘着力はあるし。

【高畑】俺的には、養生テープは紙に貼るとはがせないじゃない。ガムテープと一緒で。

【他故】そういうことか。

【きだて】キッチンまわりで紙に貼ることないしな。

【高畑】俺は割と貼るな。

【他故】何でも貼る派だね(笑)。

【高畑】そう。あと、紙に貼るとすると養生テープだとちょっとゴツいんだよね。

【きだて】まあね。

【高畑】養生テープは、貼るものの壁面がツルツルで強いという条件さえ満たしていれば、きれいにはがれるからいいと思うんだよ。だから、冷蔵庫の中に入れるものは全部養生テープでいいと思うんだけどね。どっちか1個と言われたら、確かに養生テープになるのかな。

【他故】そうだね。

【高畑】マスキングテープの話は色々と出るけど、養生テープ自体の認知度がまだ低いじゃない。

【他故】うん、まだね。

【高畑】日本語にすると、どっちも養生テープなんだけど(笑)。割とパワフルに付くし、水回りに強いというのはもうちょっと知られてもいいよね。

【他故】そう思うよね。養生テープがないご家庭があるというのにビックリするし。

【きだて】まだそっちの家庭の方が多いよ。

【他故】何か1本ぐらいはあるんじゃない?

【高畑】養生テープって、前に台風が来たときに急に人気になったじゃない。

【きだて】あ~はいはい。

【他故】窓ガラスに貼るといいというやつね。

【高畑】窓ガラスに普通のクラフトテープを貼っちゃって、後でどうにもならなくなったという話があってさ。

【きだて】のり残りが悲惨だからね。

【高畑】テープ自体が破けたりするじゃない。それはよくないよという話で。

【他故】あの時は、文具店が仕入れても仕入れてもすぐに売り切れるとか言ってたね。

――今は、柄入りの養生テープが出てきているじゃないですか。

【他故】だいぶ出てきましたね。

【きだて】マスキングテープの流行をこっちに持ってこないで、と思うんだけど(笑)。俺は、「ワザアリテープ」も白一択でやってますので。

【高畑】やっぱり無地なんだね。でも、黄色もいいけどね。

【他故】柄もかわいいんだよ(笑)。

【きだて】何言ってんだよ(苦笑)。

【高畑】これ以外にも、他にも養生テープあるじゃん。クラフトテープと同じサイズの養生テープを細かく切って使えばいいじゃんという話ではあるけど、でもこの幅の方が楽だよね。

【他故】この大きさになってから、突然便利になった気がするよ。

【高畑】大きい方は荷造りとかに使えるから、それはそれでいいんだよ。でも、キッチンまわりで使うには不便だよね。

【他故】そうね。

【高畑】養生テープで小巻にしてあるやつは他にもあるんだけど、もうちょい幅があるんだよ。この幅ぐらいがちょうどいいかなという気はするね。文字書くのにもちょうどいいし。

【他故】なので、まだ使ったことがない方は、ぜひキッチンまわりに1個いかがですか?という話ですわ。

――他故さんは、ディスペンサーに入れて使ってないんですか?

【他故】ディスペンサーはまだですね。2人のを見て良さそうなので、とりあえず買う気にはなってるんですけど。

【きだて】テープも片手で切れた方が楽だよ。

【高畑】でも、最初からカットされているやつを使っているということなんで、もしかしたらそれでもいいかもしれない。

【他故】まあ、こればっか使ってると、コスト的に厳しいところもあるんだけどね(苦笑)。

【きだて】うちは、食品のパッケージを閉じるのに使ってたりするから。そのパッケージのサイズに合わせて切りたいというのがあるので、カットされてるタイプを使うよりはディスペンサー使った方が楽かな。

【他故】そうだろうね。

【きだて】パスタとかおそばとか、中途半端に余ったのを、これでピタッと閉じちゃうんで、だいぶ楽だね。

【他故】ああ、そういうのは楽だよね。

【きだて】他故さんところは4人家族だから、パスタが余るとかあんまりないかもしれないけど。

【他故】いやでも、半端に余ることはあるんだよ。だから、そういうところにも使ってみよう。

【高畑】最初から小分けになっているやつとか、袋がジッパーになっているのしか買わないとか。

【他故】いや、そこまではこだわってないので(苦笑)。

【高畑】あと、このディスペンサーがあった方がいいのは、さっききだてさんが言ったように、両手使わなくていいというのと、それとこのディスペンサーは養生テープ用に作られているんだよね。マスキングテープ用じゃないんだよ。だから、この刃がめっちゃななめなの。

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【他故】はいはい。

【高畑】養生テープって、ベースが元々強いじゃん。だから、切るときは端から切らないといけない。ななめになってるから、どうやっても端からひねって切ることになる。不思議なんだけど、真っ直ぐにひねらないでテープを切ろうとする人がいるじゃん。これだと、それにならないよね。

【きだて】だから、誰が使ってもちゃんと切れるという、使い方インストールタイプね。…そういえば、前にもこの話したな(こちらを参照)。

【他故】ああ、してたね。そのときは、僕はそんなに関心がなかったんだよ。でも、今それを聞いて、絶対買わなきゃと思ってるし。

【きだて】ははは(笑)。今ようやく他故さんが目覚めた(笑)。

【他故】そう、ようやく(笑)。

【高畑】これも、業務系のやつを家に持ち込むと便利というやつだよね。

【他故】ああそうだね。

【きだて】あと、キッチンまわりだけじゃなくて、自分の文具部屋にも置いてるんだけど、木工とかプラダンで何か組み立てたいときに、仮止めテープとしてちょびっと使うのに便利なのよ。

【他故】ほ~。

【きだて】普通の養生テープよりも幅がせまいので、ちょびっと切ってというのに使いやすい。マスキングテープよりもハリがあるし、はがすときもはがしやすいという点で、工作用にも重宝してます。

【他故】なるほど。

【高畑】言い忘れてたけど、俺はラベリングなんだよね。引き出しの中の物のラベリングを作るんだけど、「とりあえず、いまのところはコレ」というものにはテプラではなくて「ワザアリテープ」を貼る。貼らずに置いておくと、引き出しの中で他のものと混ざっちゃうんだよ。とりあえず、これはこれと決めたときに、仮で構わないから「この中に入れる物は何」と書いて貼っておくと、割と片付くんだよね。

【他故】うん。

【高畑】僕は、物を元に戻せない派なのよ。物の位置を覚えておけない人なので、あらゆる引き出しとかにラベルを貼ってないと、片付けができないんですよ。マスキングテープも使ってたんだけど、幅が広いのが少ないじゃない。これが、ラベルにはちょうどいい大きさなんだよね。50㎜の養生テープも使ってたんだけど、50㎜だとちょっと幅が広すぎるよね。

【他故】ちょっとね(笑)。

【きだて】さすがに、50㎜幅のテープを貼っちゃうと、引っ越し直後感がすごいことになる(笑)。

【他故】そうだよね(笑)。

【高畑】10㎝くらいのサイズのに引き出しの名前を書いて貼るとちょうどよくて。最近おかしいんじゃないかというぐらい、すべての引き出しに何を入れるかを書いている。

【他故】いや~、良い知識をもらいました。僕も真似してみよう。

【きだて】他故さんがプレゼンしてたはずなのに、何故か聞く立場になってないか。大丈夫か?

【他故】いやいやいや、あなたたちに比べれば、僕はまだ初心者だから。やっぱり、使い方をインストールしてもらうのが一番なので。

【高畑】でも、今話を聞いていたら、みんなそれぞれにこだわりがあってさ。プラダンの仮止めは、俺はしてないもの(笑)。それだけ汎用性があるということではあるよね。「はがせるってステキ」って思う。

【きだて】ちなみに、いま散々「養生テープ」って言ってたけどさ。ニチバンの人に「これ養生テープですよね?」って言ったら、「いえ、ワザアリテープです!」って怒られたぞ(笑)。

【高畑】ニチバンが普段売っている養生テープは、「養生テープ」なの?

【きだて】うん、あれは「養生テープ」。

【高畑】小巻のものは、別物として扱って下さいということか。

【きだて】でも、低温に強いようにカスタムしているみたいなんだけどね。

【他故】全く同じではないということね。

【きだて】確か、そういうことを言っていたと思うよ。

【高畑】ニチバン的には「ワザアリテープ」を推したいということだね。

【他故】ということで、「ワザアリテープ」という名前で呼んで下さい(笑)。

*次回は「カイコーンPRO」です。

プロフィール

きだて たく
小学生の時に「学校に持っていっても怒られないおもちゃ」を求めて、遊べる文房具・珍妙なギミックの付いた文房具に行き当たる。以降、とにかく馬鹿馬鹿しいモノばかり探し続けているうちに集まった文房具を「色物文具=イロブン」と称してサイトで公開。世界一のイロブンコレクターとして文房具のダメさ加減をも愛する楽しみ方を布教している。著書に『イロブン 色物文具マニアックス』(ロコモーションパブリッシング)、『愛しの駄文具』(飛鳥新社)など。
色物文具専門サイト【イロブン】http://www.irobun.com/

他故 壁氏(たこ かべうじ)
文房具トークユニット〈ブング・ジャム〉のツッコミ担当。文房具マニアではあるが蒐集家ではないので、博物館を作るほどの文房具は持ち合わせていない。好きなジャンルは筆記具全般、5×3カードとA5サイズノート。二児の父親。使わない文房具を子供たちに譲るのが得意。ラジオ番組「他故となおみのブンボーグ大作戦!」が群馬県沼田市のコミュニティFM「FM OZE」で好評放送中。
たこぶろぐhttp://powertac.blog.shinobi.jp/


*このほか、ブング・ジャム名義による著書として『筆箱採集帳 増補・新装版』(廣済堂出版)と、古川耕さんとの共著『この10年でいちばん重要な文房具はこれだ決定会議』(スモール出版)がある。

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