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【特別公開】「誰もが働きやすく。」文具メーカー・プラスの環境づくりとは

文具のとびら編集部

文具業界の専門紙「旬刊ステイショナー」2023年1月5日号では、「生理・出産・子育て…働く女性の課題」をテーマに、文具業界における女性の働き方を特集。そのインタビュー記事をこのほど再編集し、メディアプラットフォーム「note」で有料公開しています。


今回、より多くの方に読んでいただきたいとの想いから特集記事3本を特別公開することにいたしました!

また同時に、「文具のとびら」上でも記事の一部を無料公開。少しでも興味がある方は、この特別な機会をお見逃しなく!

【旬刊ステイショナー特集「生理・出産・子育て…働く女性の課題」】

①オカモトヤ 鈴木美樹子社長インタビュー「妊娠・出産・育児と働くこと」
②サンスター文具の生理関連用品「ルナプロジェクト」。企画から発売までの道のり
③「誰もが働きやすく。」文具メーカー・プラスの環境づくりとは(←今回はこちら)

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 文具業界における女性の働き方への取り組みは、製品やサービスだけでなく、業界内で働く人の"環境づくり"にも見られる。なかでも、文具・オフィス家具を製造するプラスでは、性別の垣根を超え誰もが働きやすい環境を整備している。1982年には職場での服装の自由化をいち早く導入し、2008年には男性による育児休業が社内で初めて取得されたプラスの取り組みは、女性特有の健康課題やライフステージの変化による、女性の働きづらさを解消する一つのヒントになり得る。

 本紙では、2021年に育休を取得した同社奥田浩士さんと、産休・育休を経て時短勤務で仕事に取り組む山森毬加さんに取材。また、人材開発室室長の白井由紀さんに、プラスの勤務制度について詳しく話を聞いた。

プラス.jpg(左から)白井由紀さん(コーポレート本部 人事統括部 人材開発室 室長)奥田浩士さん(コーポレート本部 経営企画部門 事業開発室)山森毬加さん(ステーショナリーカンパニー製品クリエイティブ本部製品企画1部 第2企画グループ)(撮影:ステイショナー編集部)


●男性社員も育休取得、働き方・家族への意識にも変化

 プラスでは早くから、男性が育児休業を取得している。同社の「育児休職制度」では男性・女性のどちらも、自身の子どもが原則1歳6カ月を迎えるまでの期間、休職が可能。初めて女性社員が取得したのは1990年代前半と一般的にも早く、「属性を問わず、誰もが働きやすい環境づくり」へのプラスの姿勢がうかがえる。
 同社コーポレート本部に所属する奥田浩士さんは、2021年10月から1カ月半、育児休業を取得した。「夫婦共働きで実家も遠方にあることから、妻と話し合い、育休を取得することに決めました」と奥田さん。厚労省が発表した令和3年度の男性による育児休業の取得率は13.97%と、低い水準にある。世間的に浸透していない男性の育児休業を取得したことについて、奥田さんはこう振り返る。
 「後輩(男性)が育休を2回取得していて、現在も子育てと仕事を両立しているので、まず彼に相談をしました。彼のような身近な前例があったので取得できたというのも、理由としてあります」。
 

 前例があったとはいえ、プラス社内でも育児休業を取得した男性社員は2022年12月時点で合計6人とその数は少ない。少数派ゆえに当事者がハードルを感じやすいのも事実だ。会社として取得しやすい風潮にあっても、奥田さんは不安を感じていたという。「社会人になって10年以上過ごしてきましたが、それだけの長期間休むということがなかったので、どういう風に上司に言い出せばいいのか、取得したら何かデメリットがあるのかなど、不安もありました」と奥田さん。そのために、取得希望時期の半年以上前に上司に相談し、早期に業務引継ぎを行うことなどを心がけたそうだ。「正直、取得の希望を上司に相談する前は『もしかしたら難色を示されるかも』など身構えている部分もありました。実際には『おめでとう』と声を掛けてもらい、引き継ぎ業務について話があった程度で、拍子抜けしました」(奥田さん)。
 取得前の不安は杞憂に終わり、予定通り育休を取得した奥田さん。取得したことで、その後の働き方や考え方に変化があったという。その一番の変化として奥田さんは「時間の制約があること」を挙げる。「育休前までは仕事を中心にタイムスケジュールを組み『仕事をやりきること』を優先していました。ですが、子どもがいると帰宅時間が決まっているため、強制的に仕事を区切らないといけなくなります。時間が限られているなかで仕事を回していくにはどうしたらいいかを考えるようになりました」。子どものお迎えやお風呂に入れる時間などで帰宅時間が決まっているために、育休取得前とは働き方が変わったという。
 また、家族への接し方にも気付きがあったそうだ。奥田さんは「育休中は私も妻も、初めてのことで正解も分からず大変でした。2~3時間に1回ミルクをあげたり、おむつを替えたり。もしそうした経験をせずにいたら、仕事から帰って家族に接するときに(育児の大変さを)想像しきれなかったと思います」と言い、「育休を取らせてもらえて本当によかったです」と話した。

●育児・仕事を両立しやすい環境とは。フォロー体制、勤務制度も充実

 男性の育休だけでなく、女性が育児をしながら働きやすい環境づくりにも、注目したい。
 同社では、「育児短時間勤務制度」(最長で社員の子どもが小学校2年生終了直後の5月31日まで利用できる)を設けている。…続きはnoteで公開中(税込270円)

【この後の内容】
・育児をしながらの仕事環境に「工夫」
・仕事への向き合い方にも変化
・プラスの充実した勤務制度
・いきいきと働き、やりがいを感じられる環境へ

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