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【コレ買いました!】「満寿屋の原稿用紙」がハガキサイズに!

北澤孝之(Bun2編集長)

創業明治15年(1882年)、東京・浅草の満寿屋といえば、何と言っても原稿用紙が有名だ。長年多くの作家に愛されてきた高品質の原稿用紙で、文具ファンからも大きな支持を集めている。

原稿用紙は、社会人になると、作家とか物を書く仕事にでも就かない限りなかなか使う機会はないだろう。しかも、PCで仕事をするのが当たり前となった今日では、より縁遠い存在になっているのではないだろうか。

筆者の場合は、長年物を書く仕事に従事しているわけだが、今の会社に入社した二十数年前は、記事原稿はワープロ(PCではない)で打ち、フロッピーディスクに保存して印刷所に入稿するという、デジタル化に片足を突っ込んだような時代だったので、原稿用紙に向かって記事を書いていたわけではない。ただし、校正のために印刷所の校正室に詰めているときに、急に記事を差し替える、あるい何か追加で記事を入れないと紙面が埋まらない、となったときは、手元にワープロがないので、200字詰めの原稿用紙に手書きで記事を書いて入稿していた。なので、全く原稿用紙を使わなかったわけではなかった。

しかしデジタル化が進むにつれ、次第に原稿用紙とは疎遠になっていき、今はデスクの引き出しの中で休眠状態になっている。ところが最近は、万年筆ブームやインクブームの影響で、原稿用紙が再び脚光を浴びつつある、というような時代になった。そうなると、原稿用紙を全く使わないのが何だか申し訳なくなってきた。

そんなときに見つけたのが、満寿屋の「ハガキサイズ原稿用紙」。下の写真をご覧いただければお分かりになると思うが、200字詰めの原稿用紙をそのままハガキサイズに縮小したようなかたちで、原稿用紙というよりは一筆箋に近いだろう。これならば、「原稿用紙を使う機会がない」という筆者のような人間でも、手軽に使えそうだ。

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満寿屋のブログをみると、発売したのは2009年となっている。最近の商品なのかと思っていたが、もう10年以上も前から販売されているのだ。ラインアップは5種類で、筆者が購入したのは、魚(鯉?)のイラストが印象的な「M11」という商品。数十年前のデザインを復刻したものだそうだ。飾り罫のレトロな感じはもちろん、罫線のカスレ具合もなかなか味わい深い。中には、赤・紺・茶の3色のミニ原稿用紙が20枚ずつ綴じられている。価格は税込418円。

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万年筆で書いてみたがこんな感じ。一つのマスの大きさはおよそ5×7㎜程度で、細字のペンならばこのマスの中に文字を何とか書けそうだ。画数の多い漢字だとちょっと厳しいかもしれない。もちろん、一筆箋のように、何か贈り物に添えるメッセージを書くのだったら、マスは無視して大きな文字で書くのもアリだ。その場合、落款印なんかを捺してみると、ありきたりの文面でも、なかなか様になるのではと思う。

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紙は、原稿用紙のために同社が独自に開発した紙を使っているが、万年筆での筆記を想定して開発されたもので、万年筆で書いてもにじみや裏抜けがしにくいという。これを書いたあとに裏返してみたら、確かに万年筆のインクは裏抜けしていなかった。万年筆を使って、ちょっとしたメッセージを送りたい、という人におすすめだろう。しかも、原稿用紙になっているので、作家気分で書けそうだ。

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