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【2018年を振り返って】伊東屋初開催の「インク沼」イベントが話題に

東京・銀座の伊東屋本店では、インクイベント「INK.Ink.ink! ~インク沼へようこそ~」を、2018年9月19日から26日まで、本館G.Itoya B1ホールで開催した。会場に約1,000種のインクを用意し、インクの販売はもちろん、その全てのインクの試し書きができるというイベントだが、インクだけでイベントを開催するのは、同店では初めての試みだったという。しかも入場料(500円)をとるイベントの開催も初めてだったが、連日大勢の万年筆ファン、インクファンが来場し、入場時に配布された特製ノートや持参のノートに試し書きを楽しんでいた。

万年筆インクは、2018年の文具市場で大いに盛り上がったが、2019年へ向けてさらに盛り上がりを見せるだろうと思われる。インクがさらに注目を集めるきっかけとなった、同イベントを企画した一人である、商品戦略部バイヤーの平石康一さんにお話しを伺った。

伊東屋インク沼・平石氏.jpg平石康一さん

「売り場ではインクの色見本を置いていますが、実際に試し書きをしたいというお客様が多いです。インクの種類が増えてきているし、その全ての試し書きに対応するのは難しいので、インクを一堂に試せるイベントを企画しました。定番色一つをとってもメーカーによって色味が異なるので、それを比べてもらういい機会になり、インクメーカーの掘り起こしにもなると考えました」。

イベントのタイトルに「インク沼」という言葉を入れたので、「沼らしくどんどん揃えよう」と、約1,000種のインクを用意。普段伊東屋で扱っているのは約500種とのことなので、今回のイベントのためにさらに約500種類のインクを用意したわけだ。

2.jpg会場には多種多彩なボトルインクがずらりと並んでいた


会場に入るためには500円の入場料が必要だが、それにもかかわらず、入場制限がかかるほど大勢の人が訪れた。

「インクが好きな人に来てほしかったので、あえて入場料を設定したのですが、来られた方は本当にインクが好きな方ばかりです。来場者の方は全員ひと言もしゃべらず、ただひたすら試し書きをされていました。こんなに人がいるのに、誰もしゃべらないイベントは珍しいのでは」。

来場者で目立ったのは女性。特に、30代から40代の女性が多かったようで、会場の中にはほとんど女性しかいないという時間帯があったほどだという。男性も30代から40代の来場が目立った。また、20代前半の女性など比較的若年齢層の来場も多かったそうだ。

8.jpg会場で人気だっという韓国・PLNBEE社の「カラーバース」。写真のインクは2018年限定インク「Hayabusa」。

その日のうちに再入場できるので、一日がかりでインクの試し書きを熱心に行う人も少なくなかったとのこと。中には連日のように来場した人もいたようだ。また、試し書きをしたノートを写真に撮って、SNSにアップする人も。服装や持ち物など、来場する際の注意事項などをSNSでアドバイスする人もいたそうだ。

会場で特に人気があったのは、台湾の「藍濃道具屋(レンノンツールバー)」のインク。すぐに完売するほどの人気で、今では本店の万年筆売場で取り扱っているという。また海外ものでは、韓国の「カラーバース」も人気。国内のローカルインクでは、「TAG STATIONERY」のインクが人気。商品パッケージがかわいいので、“パケ買い”も多かったそうだ。

「お客様のインクへの思いが高まったのではないかと手応えを感じています。また、万年筆売場との相乗効果もありました。普段とはひと味違ったイベントでしたので、商品の購入以外の楽しみも提供できたのではと思います。今後は、さらにこれを発展させたイベントを開催できたらいいなと思っています」。

伊東屋インク沼.jpgG.Itoya 3Fの高級筆記具売場で取り扱っている人気のインク。左から、英国の老舗インクメーカー「DIAMINE(ダイアミン)」の“150thアニバーサリーインク”、フランスの老舗インクメーカー「ジャック・エルバン」の銀の微粒子入りインク、イベントで完売するほどの人気となった台湾「藍濃道具屋(レンノンツールバー)」のインク、ナカバヤシが高級筆記具ブランド「TACCIA(タッチア)」から発売した「すなおいろ・インク」、京都発のステーショナリーブランド「TAG STATIONERY」のオリジナルインク「京の音」と「京彩」。

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