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2年で1000万本売れた"折れない"シャーペン「デルガード」(ゼブラ)

千葉 勇

デルガード手書きs.jpg

ゼブラのシャープペン「デルガード」は、シャープペンの「力を入れた時に芯が折れる」という最大の不満を解決した人気商品。『どれだけ力を込めても芯が折れない世界初のシャープペン』というキャッチフレーズで、2014年11月に芯径0.5mmを発売すると、たちまち話題沸騰。その後は0.3mm、0.7mmと芯径のバリエーションを拡大するとともに、高級版の「デルガード タイプLX」、逆さにするだけですぐに消しゴムが使える「デルガード タイプER」を投入。さらに人気キャラクターのスヌーピーやハローキティをあしらった数量限定品も発売しラインアップの拡充を続けている。その売れ行きは発売からわずか2年で1000万本を突破するなど、今や“折れないシャーペン”のリーダー的な存在となっている。

「デルガードシステム」の3つの特徴で不満点を解消

シャープペンは、中高生の9割が毎日使う筆記具と言われるが、集中してペンに力を入れたときに芯が折れたり、内部で芯が詰まって出なくなることが最大の不満点だった。

そこで「デルガード」は、「デルガードシステム」という3つの特徴でその不満点を解消した。1つめは、垂直に強い筆圧が加わると軸に内蔵されたスプリングが芯を上方向に逃がし折れを防ぐ。2つめは、斜めに強い筆圧が加わると、先端の金属部品が自動で出てきて芯を包み込みガードする。この2つの機構(特許取得済)が、加わる力の角度や強さに合わせて自動で配分を調整して作動する。そして3つめは、軸内部に芯を誘導する部品を取り付けたことで、短い芯でもずれて詰まることをなくした(特許取得済)。

デルガードシステム.jpgデルガードシステム


「デルガードが目指したのは普段使いで芯が折れないこと。芯を選ばずに折れない仕組みの開発を目指して、試作品を50種類以上も作りました。使いにくいものを排除していく中で最終的に残ったのが、タテ方向と斜め方向からの筆圧に対応する仕組みでした」と同社広報室の池田智雄課長は話す。


「本当に折れないと断言できる?」ゼブラに直撃!

実際に「デルガード」を使ってみると、垂直方向の力に対してはスプリングの働きでペン先が引っ込むことがわかる。また、斜め方向の力に対しては金属部品が動いて芯を包み込むようにガードする様子が目で確認できる。芯が出ていない状態から、ノック3回までならどんなに強い力を加えても芯が折れることはないという。確かにほとんど折れないとは思うが、商品パッケージには「もう、折れない。」と断言する文字が見て取れる。果たしてそこまで言い切っても大丈夫なのだろうか。池田課長はこの疑問に対して次のように回答した。

「実は“もう、折れない。”というコピーは社内でもめました。ただ開発に携わった技術者は、折れないことは確認済みなので、折れないと表現しても大丈夫ということでした。そこで企画チームが機能をわかりやすい言葉にしたのです。実際、“もう、折れない。”というわかりやすい言葉もあり、ヒットしたのではないかと思います」

ではヒットの理由は、折れないことだけなのだろうか。目立たないが、普段使いを目指した自然な書き味も特徴と言える。芯を選ばないので、好みの芯を選んで入れることができる自由度の高さも人気の理由だろう。

0.3/0.5/0.7をラインアップ。0.3はさらに折れない工夫が!

デルガード.jpgデルガード0.5


芯径は0.3mm、0.5mm、0.7mmの3タイプ。女子学生に人気の0.3mmは、小さな字でもつぶれずに書くことができるのでノートをキレイにまとめたり、スケジュール帳に細かく予定を書き込む際に便利。また0.5mmは授業ノートや宿題、0.7mmは試験のときマークシートを素早く塗りつぶすのに適した太さと言える。

0.3mmは当然のことながら0.5mmより細く折れやすいため、最初に発売した0.5mm用のバネの強さや部品形状を見直し、0.5mmに比べて弱い筆圧でガードを始めるように設計されている。0.7mmもバネの強さを変えたが、部品は0.5mmと同じ。

ゼブラ シャープペン デルガード 0.5 ブルー P-MA85-BL

大人には高級タイプ「デルガード タイプLX 0.3/0.5」

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「デルガード タイプLX」は、高級感のある外見でより書きやすい「デルガード」が欲しいという高校生や社会人の要望に応えたモデル。金属グリップを採用してペンの重心を下げ、安定した書きやすさを実現した。リング部やクリップにも金属を使用している。軸にメタリック塗装を施して、男性にも好まれるシックな高級感を演出。形状は製図用シャープペンを意識して細長いボディに機構を埋め込み、プロっぽさを演出している。また、先端部分を透明にして芯をガードする機構を見せているのは、メカニカルな高級時計を意識したため。芯径は0.3mmと0.5mmの2タイプ。

ゼブラ シャープペン デルガード タイプLx 0.5 ブラック P-MA86-BK

消しゴムにも特殊機能!「デルガード タイプER」

消している写真.jpg「デルガード タイプER」は、逆さにするだけで、すぐに消しゴムが出てくる機能「デルイレーサー機構」を加えたモデル。消しゴムのキャップレスを実現し、本体の向きを変えるだけで消しゴムが使えるので、キャップを外す手間がかからず集中力を途切れさせないのが特徴。また、消しゴム自体の品質を高めたのも大きなポイント。消しゴムの品質アップによって、気持ちよくきれいに字を消すことができる。


「デルイレーサー機構」は、①本体の向きを逆さにすると、重力で消しゴムホルダーが落下する②消しゴムホルダーが落下すると、2カ所溝が発生し、その溝に2個のボールがはまる③ボールがはまると、その上から振り子がかぶさり、ボールと消しゴムホルダーをロックする④本体の向きを元に戻すと、振り子が戻り、溝からボールが外れ、消しゴムホルダーが本体の中に収まる、という仕組み。

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便利な消しゴムを付けた理由はほかにもある。最近はやりの立つペンケース対策だ。立つペンケースに普通の消しゴム入れると下にもぐってしまい不便。そこで消しゴムがなくてもシャープペン1本で、「書く、消す」といった一連の動作が行えるように考えたという。教室を移動する際にも、これ1本持っていけば用が足りるというわけ。

このほか、長時間筆記しても疲れにくく、握りやすいラバーグリップを搭載し、ストレス軽減を図った。クリップがないデザインにしたのは、卓上で使用することを想定しているため。

ゼブラ シャープペン デルガード タイプER 0.5 ブルー P-MA88-BL

人気キャラクターとのコラボも!「デルガード×ハローキティ」「デルガード×スヌーピー」

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デルガード×ハローキティ
©1976,2017 SANRIO CO.,LTD APPROVAL NO.S575205


「デルガード×ハローキティ」は、世界中で大人気のサンリオのキャラクター「ハローキティ」とコラボレーションした数量限定モデル。ボディにハローキティのデザインがあしらわれている。思いっきり書ける0.5mmと、小さいところに細くキレイに書ける0.3mmの全6種類がすべて違うデザインなので、好みの1本を楽しく選ぶことができる。デザインにはハローキティの顔の輪郭に金や銀を使っているものもあり、女性が好む高級感にもこだわったという。また、ハローキティをデザインした替芯「デルガード替芯ハローキティ」も発売中。

「デルガード×スヌーピー」は、ピーナッツ・ワールドワイド LLC(米国ニューヨーク)とのライセンス契約のもと、世界中で大人気のキャラクター「スヌーピー」とコラボレーションした数量限定モデル。本体デザインには、ドット柄の中にスヌーピーの足跡が混じっていたり、スヌーピーの表情が微妙に変わっていたりと、さりげない仕掛けが隠されているので、自分だけの可愛いポイントを見つけるという楽しみ方もできる。0.5mmと0.3mmの全6種類すべて違うデザインを採用した。

ゼブラ シャープペン デルガード ハローキティ 0.5 ピンク P-MA89-HK-Q2

主なラインアップと価格

「デルガード0.3」税抜450円
「デルガード0.5」税抜450円
「デルガード0.7」税抜450円
「デルガード タイプLX」税抜1000円
「デルガード タイプER」税抜700円

「デルガード×ハローキティ」税抜650円
「デルガード替芯×ハローキティ」税抜250円
「デルガード×スヌーピー」税抜650円

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