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【連載】パイロット指輪物語/第5話「長く身につけるほど差が出る『つけ心地』へのこだわり」

文・イラスト/ヨシムラマリ

※この記事は、横浜YAMATOのウェブサイトに掲載されたものを再掲載しました。

第5話「長く身につけるほど差が出る『つけ心地』へのこだわり」

 宝飾品というと、つい素材の希少性や見た目の美しさにばかり気が向いてしまうけれども、身につけるものだからこそ大切な要素がある。それは「つけ心地」だ。
 結婚指輪は人によっては寝るときまで肌身離さずというほど、長い時間身につけるものだ。特にアクセサリーに馴染みがなく、指輪をつけるのも初めてという人は、一生ものの装飾品として、ぜひ「つけ心地」も意識しながら選んでほしい。
 パイロットのブライダルリングは、「内甲丸」という独自の内面加工によって装着感の良さを実現している。
 指輪の内側になんの処理も施されていなければ、当たり前だが、カドが当たって痛い。そのため通常は、カドを削って肌へのあたりを柔らかくする面取り加工を行う。
 「内甲丸」ではカドだけではなく、さらに内面全体が曲線を描くように加工することで、装着の際の違和感を最小限にしている。また、指通りがよく着脱もスムーズになるので、仕事の都合などでつけ外しをする機会が多い人にとってもありがたい。
 考えてみれば、つけ心地は見た目だけではまずわからないし、買う時も言われなければ思いつきさえしない人も少なくないだろう。素材が硬い分、内面全体を削る加工にかかる労力も大きい。それでも使う人の日々を想像して目立たないところにも気を配る…というのが、なんとも日本のメーカーというか、パイロットらしいと思うのだ。

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プロフィール

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ヨシムラマリ

神奈川県横浜市出身。子供の頃、身近な画材であった紙やペンをきっかけに文房具にハマる。現在は会社員として働くかたわら、イラスト制作や執筆を手がける。

著書『文房具の解剖図鑑』(エクスナレッジ)

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