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【連載】車椅子ライターから見た 弱い力でも使いやすい文具たち #44 「指先や切手を湿らすコンパクトな味方」

波子

切手の裏を湿らせるのに、ペロッと舐めていたこともありますが、あまり衛生的ではありませんよね。
何年か前にネットで見かけたのが、水筆を使って濡らす方法。なるほど、これなら机の上に裏返して切手を置き、落ち着いて湿らせることができます。
でも、ここで私の不器用っぷりが発揮されたのでした。
まず、濡らしすぎるんですね。水筆からの水分を調整するのが難しかったのです。
そして、指先の力が弱くなるにつれてネックになってきたのが、水筆で湿らせた切手を表返す必要があること。
湿らせたあと表に戻してから貼るときに「濡れている薄い切手の端を指先でつまみ上げひっくり返す」のは、今や難度の高いミッションなのです。

そんな私に、新たな味方が現れました。

プラス「メクボール コンパクト」

202110namiko1.jpgプラス「メクボール コンパクト」。開けやすく、丸洗いも簡単



202110namiko2.jpgパッケージ背面には説明書きが



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本体とフタはSIAA(抗菌製品技術協議会)認証の抗菌加工済み


今年4月に発売された、プラスの「メクボール コンパクト」は、ボールを水(またはメクボール用除菌液)を入れた容器にはめ込んで回転させ、濡れた表面に指先や切手を当てて湿らせる「メクボール」を約20%小型化した新商品です。
事務用品として昔からあるスポンジや海綿よりも耐久性に優れ、長持ちします。
スーパーマーケットなどの、買った商品を袋詰めするサッカー台で見かけることもありますね。私も、買ったものをレジ袋に入れたいとき、指先が乾燥してなかなか袋の口がめくれない…という事態が自分の身に起こるようになって、もうずいぶん経ちました。



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本体は軽くひねるとフタが外れます。この「ツイスト設計」はコンパクトで新たに採用されました。オレンジ色のボールはピンポン球のように軽いです。



202110namiko5.jpgケースの内側にある線まで水(またはメクボール用除菌液)を入れます。15ml程の容量です。



202110namiko6.jpgボールを水に浮かべ、上からフタを被せます。丸く開いた部分にボールが収まるようにして、そのまま下へ押せばカチリとはまります。



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ボールを回転させると、水に濡れた面が現れます。スポンジタイプのものより表面の水分が少ないので、濡らしすぎることにはならないのが嬉しいですね。
指先を湿らせるにはこれで充分ですが、切手を濡らしたいときはボールにぐりぐり押しつけるようにしっかりと当てた方が安心です。



202110namiko8.jpg球面なので、濡らし終えた切手を持ち上げるときも端をつまみやすい一方、角までしっかり濡らすためには丁寧に当てる必要があります。



202110namiko9.jpg切手をひっくり返すことなく、封筒に貼りつけられました。
このときもし切手の角に水分が不足して浮いていたら、指先を濡らして補います。

不特定多数が使用する場所に置く際、メクボール用除菌液を使用した場合に掲示できる小さなプラカードが付属していて、本体の背面に両面テープで付けられるようになっています。



202110namiko10.jpg衛生面から、入れた水やメクボール用除菌液は1日で交換することが推奨されています。

プロフィール

波子
1974年生まれ。脊柱側弯症、先天性ミオパチーのため、2006年に杖歩行となり、2012年から車椅子、2014年12月から簡易型電動車椅子を使用。便利な道具や文具が好き。
奈良県奈良市で生まれ育ち、大阪・東京での暮らしを経て現在奈良市在住。
産経新聞奈良版および産経WESTにて連載「車いすでみるなら」2015年2月~2019年5月、全70回。
ブログ「車椅子、ときどき杖。」http://nam-kid.hatenablog.com/

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