- 連載企画
- 車椅子ライターから見た 弱い力でも使いやすい文具たち
- 【連載】車椅子ライターから見た 弱い力でも使いやすい文具たち #23「太くて描きやすい色鉛筆」
【連載】車椅子ライターから見た 弱い力でも使いやすい文具たち #23「太くて描きやすい色鉛筆」
波子
この連載を始めてから、文具売場に立ち寄る度に「弱い力でも使いやすそうな文具」にセンサーを働かせるようになりました。もともと文具が好きで、ハンズやロフトの文具売場で何時間でも過ごせる質でしたが、そこへ新たな視点が加わったことで、よりいっそう売場チェックが楽しくなったのです。
そして、それは売場だけの話ではありません。
文具好きにはたまらないイベントである「展示会」も、それまで知らなかった「使いやすそうな文具」に出会える機会なんです。しかも、メーカーの方と直接お話しして説明が聞ける訳です。すばらしい。
そんな展示会で出会った「お子さん向けの文具」がとても使いやすかったので、ご紹介します。
ステッドラー日本「buddy(バディ)」
ステッドラーの「buddy(バディ)」は、「2才からずっと使える」という軸が太めの色えんぴつ。
芯も太く、幼児の力でも描きやすいのが特徴です。
色鉛筆、クレヨン、水彩色鉛筆という3通りの使い方ができます。紙からはみ出て机や床に描いてしまっても、つるっとした面なら水拭きで落とせるというのも、幼児向けらしい特徴ですね。
ステッドラーの色鉛筆「バディー」。パッケージの包装フィルムに日本語での説明書きあり
箱のふたは上に開けるタイプ。「1本3役」である説明が4ヶ国語で書かれている
この「小さな手で握っても描きやすい形状」は、手の力が弱い私にとってもかなり持ちやすいことに気づきました。
そして、何より嬉しいのは、ちょっと弱々しい力で紙の上に滑らせた芯の先から、しっかりとした線が描かれることです。
軸と芯が太いので並べるとかわいらしく見える。上から、こげちゃいろ、みどり、あお、あか、うすだいだい、きいろ
そもそも、色鉛筆を使うにはそれなりの筆圧が要ります。あまり濃く色を塗らないような使い方なら問題ないかも知れませんが、ちょっとしっかり色を付けたいなと思うと疲れてしまうんですね。
だから、展示会でこの「バディ」を試し書きさせてもらったとき、とても驚いたのです。
何気なく書いた線が、思った以上に滑らかで濃かったからです。それこそ、クレヨンのように。
太い基軸はずっしりしているが手に馴染む。また、自由な持ち方で使えると感じた
ずしりと重量感のある木軸はやや丸みを帯びた六角形。鉛筆としてはありえない太さですが、不思議と手の中に馴染みます。
ゴリゴリと描けばクレヨンのような線になりますし、色鉛筆として細やかに描くこともできるのがとてもおもしろい。水筆で上からなぞると色が混ざり合い、水彩タッチに。
絵心のない私でも、それなりの雰囲気が出せてめちゃくちゃ楽しいです。
左は普通に持って描いた線。力を込めて強めに描くと(右)、クレヨンっぽい線になる
左上の葉っぱ(のつもり)は描いた後に水筆でなぞっている。強いタッチで描くとクレヨン画のようになる(左下)。中央(水彩色鉛筆)と右(色鉛筆)はそれぞれグラデーションの比較。上はあかからきいろ、下はあおからあか
色のついた紙や、黒い紙にも描くことができます。あと、私はまだ試していませんが、窓ガラスやガラス瓶にも描けるとのことなので、次は家にある空き小瓶をデコってみようかなと思います。ガラス面なら失敗しても水拭きで消せるのが良いですね。
水色の画用紙に描いた猫(のつもり)。少し水筆でなぞるように仕上げたら、きいろとうすだいだいがのばされていい雰囲気になり、楽しくなった
私が購入したのは6色セット。専用鉛筆削りも付いています。
店頭で購入することは叶いませんでしたが、ネット通販で手に入れました。大都市に住んでいなくてもこうした文具が買えるのはありがたいですね。
色は全18色で、ラインナップは他に、12色セットと18色セット(筆1本付き)。それ以外にも、36本(18色×2セット)がバケツ型のケースに入ったものもあります。
今年は新しいことにたくさん挑戦したいなと思っているので、いろんな画材で絵を描くことにもチャレンジしてみようかなとワクワクしています。
プロフィール
波子
1974年生まれ。脊柱側弯症、先天性ミオパチーのため、2006年に杖歩行となり、2012年から車椅子、2014年12月から簡易型電動車椅子を使用。便利な道具や文具が好き。
奈良県奈良市で生まれ育ち、大阪・東京での暮らしを経て現在奈良市在住。
産経新聞奈良版および産経WESTにて連載「車いすでみるなら」2015年2月~2019年5月、全70回。
ブログ「車椅子、ときどき杖。」 http://nam-kid.hatenablog.com/
1974年生まれ。脊柱側弯症、先天性ミオパチーのため、2006年に杖歩行となり、2012年から車椅子、2014年12月から簡易型電動車椅子を使用。便利な道具や文具が好き。
奈良県奈良市で生まれ育ち、大阪・東京での暮らしを経て現在奈良市在住。
産経新聞奈良版および産経WESTにて連載「車いすでみるなら」2015年2月~2019年5月、全70回。
ブログ「車椅子、ときどき杖。」 http://nam-kid.hatenablog.com/
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