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【連載】車椅子ライターから見た 弱い力でも使いやすい文具たち #16「かわいくて持ちやすいカッターナイフ」

波子

馴染みの文具屋さんで棚を眺めていると、ふと目に留まったものがありました。
一見かわいらしい、女子向けにデザインされたその文具を私が手に取ったのは、それが「かわいい」見た目であることが珍しいと感じたから。

文具の中には、機能的であることに加えて、デザインがカッコ良かったり、オシャレだったり、かわいらしいものが多く出ています。
でも、私の体感的な印象かも知れませんが、この文具でかわいらしいと感じるもの(小さくて愛らしい、というもの以外で)は珍しいなと思ったんです。

それは、カッターナイフです。

NTカッター「チョコレートカッターL」

NTカッターの「チョコレートカッターL」は、「女の子のための可愛いカッター」。
パッケージを手に取ってじっくり眺めた時点で、ピンときました。
この丸みを帯びたフォルムは、もしかして握りやすいんではないかしら?
そう思ったら、買わずにはいられませんでした。

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家に帰って、ワクワクしながら取り出して握ってみたところ、やはりとても持ちやすい!
厚みのある、やや膨らんだ形が手の中にうまくフィットします。
そして、大きめの刃なので、使うときに安定します。厚物切り用のL刃の幅・厚みと同じなので、段ボールの開封にも便利。
上から見ると、持ち手部分から突き出ている刃のカバーの根元が、やや幅広くなっているのが判ります。ここを人差し指で押さえるように当てても痛くありません。

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刃をスライドさせるときに指を当てる部分がチョコレートの形になっています。この、縁が盛り上がった形が指を引っかけてくれるので、スライドさせやすいんです。
「グリーン(抹茶チョコ)」の方はそのチョコレートが溶けかけた形になっていて、これがまた絶妙に指にフィットします。ただし、刃をしまうときは、「アイボリー(バニラチョコ)」のまっすぐなチョコレートの方が指を引っかけやすく感じました。これは個人差があるかも知れません。
できれば、もう少し軽くスライドさせられたなら、もっと使いやすいだろうなと思います。
それにしても、パッケージ裏に「食べられません!」と注意書きのあるカッターナイフってほんと斬新ですよね。

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刃の先端が丸みを帯びていて、パッケージには「こわくない!」と書いてあります。なるほど、女子にはカッターの刃先がパキッとした直線になっているのがちょっと怖く感じるんでしょうね。女子でなくても、カッターナイフの尖った刃先が苦手な人にも安心して使えるのではないでしょうか。
それに、この愛らしい見た目のカッターナイフには、確かにこうした柔らかい印象の刃が合っているなと感じます。
カラーは、私が店頭で見かけたこの2色以外に「ブルー(チョコミント)」と「ピンク(いちごチョコ)」の4色展開です。

かわいらしくて、使いやすい。
使いやすくて、かわいらしい。

以前にご紹介したミドリの「ミニクリーナー」もそうですが、これってとてもだいじなことで、嬉しいことだと思うんです。
力が弱くても、かわいらしい文具を使いたいですものね。

プロフィール

波子
1974年生まれ。脊柱側弯症、先天性ミオパチーのため、2006年に杖歩行となり、2012年から車椅子、2014年12月から簡易型電動車椅子を使用。便利な道具や文具が好き。
奈良県奈良市で生まれ育ち、大阪・東京での暮らしを経て現在奈良市在住。
産経新聞奈良版および産経WESTにて連載「車いすでみるなら」2015年2月~2019年5月、全70回。
ブログ「車椅子、ときどき杖。」 http://nam-kid.hatenablog.com/

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