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- 車椅子ライターから見た 弱い力でも使いやすい文具たち
- 【連載】車椅子ライターから見た 弱い力でも使いやすい文具たち #10「片手で使えるふせん」
【連載】車椅子ライターから見た 弱い力でも使いやすい文具たち #10「片手で使えるふせん」
[毎月25日更新]
私は体幹の筋力も弱いので、机に向かって作業をするときも支えが必要です。机と身体の間にクッションを挟んでもたれ、左肘を机上について支えています。
両手でも作業はできますが、右手だけで使える道具が便利に感じます。私がご紹介する文具が「片手で使える」のを重視することが多いのは、それが理由です。
使うとき、一般的に「両手を必要とする」文具はたくさんあります。
そのひとつが、ふせん。
めくるときに必ず片手で1枚つまんで、残りをもう一方の手で持ちますよね。そうしないとはがせないからです。
以前の私なら、そんなことまったく意識せずに使っていました。
今回は、「片手で使えるふせん」をご紹介します。
3M「ポスト・イット 強粘着ポップアップノートディスペンサー」
3Mの「ポスト・イット®強粘着ポップアップノートディスペンサー」は、ティッシュボックスから1枚ずつティッシュを取り出すように、片手でふせんが取り出せます。
一般的なふせんの糊は一方の辺についていますが、「強粘着ポップアップノート」は上辺と下辺に交互に糊がついているので、上に引っ張ると下の1枚がディスペンサーから引き出されてくるのです。
ディスペンサーは据え置き型のテープカッターのようにどっしりと重みがあります。
強粘着ポップアップノートを片手で引き上げてもびくともせず、しっかりとホールドしてくれるので安心です。
残りが少なくなってきても、中央の突起がバネでノートを押し上げてくれます。
今年の1月、この置き型ディスペンサーがリニューアルされました。押し上げる突起が3つとなり、「ポスト・イット 強粘着ポップアップふせん」にも対応。これにより、使えるサイズは75mm×75mm、75mm×50mm、75mm×25mmの3種類となりました。
組み合わせは3パターン。私が使っているのは75mm×50mmサイズと75mm×25mmサイズの組み合わせですが、75mm×75mmサイズを単体でセットしたり、75mm×25mmサイズを3色セットすることもできます。
小さいサイズも手軽に片手で扱えるのは、とても便利ですね。
強粘着ポップアップノートとふせんのカラーは、イエロー、ビビットイエロー、ローズ、ポピー、アクアウェーブ、ライムの6色。サイズによりカラー展開は異なります。
強粘着ポップアップディスペンサーの唯一の難点は、机上で場所を取ることでしょうか。常に置いておく使い方になるので、スペースに余裕がないと日常的には使いにくいかも知れません。
実は私もそうなんですが、そんな私たちのためのような、「コマンド タブ」で壁などに貼り付けるタイプのディスペンサー(強粘着ポップアップノート75mm×75mmサイズに対応)もあるんです。すばらしい!
私はこちらを机の引き出しに貼り付けています。この使い方だと本体のサイドについているペン刺しは使えませんが、「ここに必ずふせんがある」という安心感が得られたので、満足しています。
電話をしていてとっさにメモを取りたいとき、何故か近くにメモ用紙が見当たらないことってありがちですが、強粘着ポップアップディスペンサーなら「いつもここにある」かつ「電話をしながら片手で1枚取り出せる」のです。
しかも、ふせんですから、机に貼り付ければそのまま片手で簡単に筆記できます。
今回「ポスト・イット 強粘着ポップアップディスペンサー」をご紹介したことで、この連載のタイトル写真でチラ見せしている文具はすべて登場いたしました。
それ以外の文具もご紹介しましたし、弱い力でも使いやすい文具は他にもまだまだございます。
来年も引き続き、私が便利だと感じた文具たちをご紹介してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
プロフィール
1974年生まれ。脊柱側弯症、先天性ミオパチーのため、2006年に杖歩行となり、2012年から車椅子、2014年12月から簡易型電動車椅子を使用。便利な道具や文具が好き。
奈良県奈良市で生まれ育ち、大阪・東京での暮らしを経て現在奈良市在住。
産経新聞奈良版および産経WESTにて「車いすでみるなら」連載中。
ブログ「車椅子、ときどき杖。」 http://nam-kid.hatenablog.com/
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