1. 連載企画
  2. 【連載】月刊ブング・ジャム Vol.77 ブング・ジャムがおすすめする、旅に持っていきたい文具 その2

【連載】月刊ブング・ジャム Vol.77 ブング・ジャムがおすすめする、旅に持っていきたい文具 その2

文具のとびら編集部

本サイト編集長の文具王・高畑正幸さん、イロモノ文具コレクター・きだてたくさん、ブンボーグA・他故壁氏さんの3人による文具トークライブユニット「ブング・ジャム」が、気になる最新文房具を独自の視点から切り込んでいく「月刊ブング・ジャム」。今回は、“旅”をテーマに文房具を紹介してもらいました。

第2回目は、他故さんおすすめの「ドットライナーフリック あとから貼りつくタイプ」です。

写真左から高畑編集長、他故さん、きだてさん*2023年6月3日撮影
*鼎談は2023年8月4日にリモートで行われました。

貼り直しできるからイイ!

1.jpgドットライナーフリック あとから貼りつくタイプ(コクヨ)

『ドットライナーフリック』を楽天でチェック

『ドットライナーフリック』をAmazonでチェック

■文具のとびら関連記事■
コクヨのテープのり「ドットライナーフリック」に新タイプ追加
https://www.buntobi.com/articles/entry/news/016376/


【他故】私の使い方は、文具王と全く同じなんですよね(前回記事)。

【きだて】他故さんも書く派だものね。

【高畑】他故さんも野帳なの?

【他故】うん、この間も「あのちっちゃいノート(EDiT 手帳用紙を使った小さな方眼ノート・B7)っていうのを手に入れましたよ」っていう話をして(こちらを参照)、その時に言ってたと思うんだけど、「こっちは貼り物をして厚くしたくない」っていう気持ちがまだ強くて、何も貼ってない。やっぱりなんだかんだ言って、貼ろうと思うのは野帳の方なので。僕の場合、旅のノートではなくて、あくまで日常で毎日使ってるノートなんだけども、ここに旅があれば一緒に入り込むから、完全に時系列で旅が挟まってるっていう感じなのね。だから旅のノートっていうのはないんだけど、「“何年の何月頃に旅した”っていうとここに入ってる」みたいな。

【高畑】おーなるほどね。

【他故】ただ、なんだかんだ言ってすごい収集してるわけではなくって、どちらかというと、コンビニで何か買って食べ物のレシートを貼るとか、チケットが手に入ったら貼るとかまあその程度のもので、そんなに色々と貼ってるわけではないんだけど。ただ、やっぱり見返すと懐かしいというか面白いというか、「こんなことあったんだ」と思うんですけどね。

――はい。

【他故】すごく不器用な人間なので、テープのりでここに貼るんだけど、大抵曲がっちゃうのね。直したいんだけども、通常のテープのりの糊って強いので、結構レシートがバリバリになっちゃったり、ヘナヘナになっちゃったりするので、旅に出る時に忘れなければ買って持っていくのが、貼った後でのりが強くなるタイプのテープのり。いわゆる仮止めっというやつではなくて、これはコクヨだと「1分」って書いてある、「貼り直しができるけど、1分経つと強くなりますよ」っていうタイプを選んで買う。

2.jpg【他故】これは旅に行く前に買うときもあるし、うっかり忘れて向こうに行って貼ろうと思った時に「ああ、やっぱりこれじゃなきゃダメだ」って思って文具店を回るって事もあるので、貼り直せるタイプでないと旅に持っていきたくないという気持ちが強い。

――なるほど。

【他故】「ドットライナーフリック」の前に「ドットライナーコンパクト」っていうのがあって。小っちゃくて1分で貼り直せるっていうのが良いなと思って、詰め替え用のテープもずっと買い続けて使ってたんですけど、生産終了しちゃったんですよね。気がついたらなくなってて、もう「フリック」しかないみたい。

【高畑】フリックでは貼り直せるタイプがあるの?

【他故】フリックにはある。普段使ってた「コンパクト」の方がもう「生産終了しました」っていうので、手元にある詰め替えを使い切ると終わりになっちゃうので、まあ仕方なく、フリックに切り替え中。

【高畑】その後から貼り直せるやつは、フリックじゃなくってそっちのコンパクトの方が良かったの?

【他故】というか、替えのテープをたくさん買ってたので。この本体がなくなるなんて思ってもいなかったので、たまたま店頭で「そういえば最近ちゃんと買ってないな」と思って見てみたら、私の定番がなくなってる。意外と簡単になくなっちゃうもんなんだなって。

【高畑】コンパクトはフリックに統合されていく感じなのかな? なんかイメージ的にはね。

【きだて】何かそんな気がするね。

【他故】フリックはフリックで、このギミックが飽きられたらなくなっちゃうんじゃないかっていう気もして、めっちゃ怖いところはあるんだけど(苦笑)。

【高畑】多分、今の感じだとコスパもいいし、小っちゃいし、詰め替えもできるしっていうところだから、一応性能的には他のやつを統合できる受け皿になるんだよね。

【他故】なんだけど、店頭ではそのフリックの例えばカラーバージョンとか可愛いというものが結構並んでる中で、この1分ってやつがね、ほぼ見当たらないんですよ。まだそこまでは店頭に並んでなくて。で、そういう時にはトンボ鉛筆の「ピットリトライC」っていう、これはかなり古くからあって、かたちも全然変わらずずっと出ているこっちを買う。コクヨを扱ってない店だとトンボは扱ってるので、フリックがなければこっちを絶対買うっていう。だから、今はこの2択状態で過ごしてるのね。

トンボ1.jpgピットリトライC(写真右、左は強粘着の「ピットパワーC」/トンボ鉛筆)

『ピットパワーC』を楽天でチェック

『ピットパワーC』をAmazonでチェック


【高畑】今回は台湾に「ドットライナー フリック」を持ってたのね。まあ、フタが閉まるし、勝手に開かないからいいなと思って持ってたんだけど、今の話を聞いて「そうか、1分のやつを持っていけばよかったな」って思った。

【他故】ははは(笑)。

【高畑】実際に貼った後で、レイアウトが気に入らなかったりすることとか、あと貼った後に「しまった、このページじゃなかった」みたいなやつがあるから。

【きだて】そりゃあるだろうね。

【他故】それはある。特に、折って開こうと思って、折って裏にテープ貼って、「さあ、貼ろう」と思ったら、「こっちのページじゃなくて、あっちのページに貼りたかったのに間違えた」みたいなね、いろんなパターンがあったりするんで。そういうのを含めて、この貼り直しができるやつっていうのは、僕は本当になくなって欲しくないなと、いつも思ってるんですよ。それで、コクヨのこの貼り直しのやつって、色が決まってなかったような気がするのね。別にこの色だから「1分」と限らなかったような気がする。

【きだて】それは特にないね。

【他故】ないじゃない。で、前のコンパクトの時にこの色が決まって。で、今回フリックもこの緑で同じ色になったのよ。だから、ちょっと統一して、というかこのイメージでやってほしいなって思ってるところがあって。

【きだて】いや、分からないなー。

【他故】かたちとか色とかでないとちゃんと覚えられないというか(苦笑)。

【高畑】多分コクヨは、弱粘着が黄色でしょ。

【他故】そう、弱粘着が黄色。

【高畑】それで、強粘着が赤っていうのが前からあるから、多分強粘着が赤で弱粘着が黄色、ブルーが普段用だから、1分貼り直しは余った緑ってことかな。

【他故】そう、白・ブルーが普段用だからね。

【きだて】まとめてくれるんならいいし。あとは「もう業界でその辺りは統一してくれよ」って、俺は前から言ってたじゃない。頼みますよ。

【高畑】だから、テープのりはそれがあるよね。トンボは何が何色だっけ?

【他故】トンボは、カラーバリエーションめちゃめちゃ多いんだけど、この「ピットリトライ」になってからは、どっちかというとピンク色がこの「1分」のイメージなのね。実は、これって「ピンク+透明」と「全体ピンク」と「青」と「黄緑」の4種類の色があるのよ。どれも「1分貼り直し」って書いてあるんだけど、どうもピンときてなくて。昔からあえて僕はピンクを選んでいて、この色は「1分貼り直しだよ」っていう風に覚えて使ってたという感じがあったので、この色はなくしてほしくないんだけど。でも、業界統一の色ではない。

【高畑】そうだね。

【他故】逆に、貼ってはがせる「ピットタック」が緑なんだよ。

【高畑】あーそうそう。

【他故】なので、色の統一があまりないのかなっていうのは確かにあるね。

【高畑】うん。

【他故】そうそう、小っちゃいやつでもやっぱり「ピットリトライ」はピンク色だったりするので、このピンクというのは覚えてるから間違えないんだけども、「ドットライナー」は、光の具合によってはノーマルも1分貼り直しもそんなに違わない色に見えたりするので、ちょっとなあっていう(苦笑)。

【高畑】コニシとセメダインだっけ。速乾と普通のボンドの色が黄色と白が逆なんだよ、確か。違ったっけ?

【他故】そうだっけ?

【高畑】コニシのボンドは黄色が普通で白が速乾なんだけど、セメダインは黄色が速乾で白が普通なのよ。

【きだて】そうだ、逆だね。

【高畑】ボトルの色が逆なんだよ。

【他故】統一してほしいな。

【きだて】「木工用速乾」と「木工用」ね。

【高畑】そう。それで、ひっくり返して置けるのはセメダインの方。そういう「あれ?」ってなるのがあるよね。

【他故】でも今回のフリックは、フタが開かないとかそういうところがすごく気に入ってる。この間コクヨのメッシュの筆入れを買ったんですけど、ここの上のポケットに入れておくのにちょうどいい厚さで、消しゴムとほぼ同じ大きさなので、持ち運ぶにはこっちが良いかなっていう気もしてるので、できれば「ドットライナーフリック」の1分のは、このままなくならずにいてほしい。買い支えようかなっていう感じではあります。

――そのタイプは結構需要はないですかね? 学生とか子供たちがプリントを貼る時に便利だというので出てきたんじゃなかったでしたっけ?

【他故】そうですそうです。

【高畑】それって、フリックだからどうじゃなくて、そもそも1分のやつをお店が仕入れてないっていう話だと思うんだよね。「そんなに種類いらないだろ」みたいなところはありうるという気がしますね。

【他故】たくさん種類を置いてない可能性はあるね。まあ、僕は旅に行くとか出張に行くとか、そういう時には必ずこの1分で貼り付くってやつが手元にあれば持っていきます。手元になければ必ず探すっていう感じです。

【きだて】今後は、このフリックのやつを買い溜めて置くわけ?

【他故】これは、替えテープがあるので、替えテープを買っていこうかなと思います。

【高畑】僕も今度から、旅行に持っていくやつは1分のやつにします。

【他故】ははは(笑)。

【高畑】今回、普通のやつを持ってたんですけど、貼ってから後悔した部分があって、そっとはがしたけど、ビリってはがれたやつがあります。なので、僕もそうしたいと思います。

*次回はきだてさんおすすめの「ブックマークノート」です。

■文具のとびら関連記事■
月刊ブング・ジャム Vol.75 ブング・ジャムの2023年上半期ベストバイ文具 その1
https://www.buntobi.com/articles/entry/series/01/017745/

プロフィール

高畑 正幸(たかばたけ まさゆき)
文具のとびら編集長。学生時代に「究極の文房具カタログ」を自費出版。「TVチャンピオン」(テレビ東京系列)の「文房具通選手権」では、3連覇を達成した。サンスター文具に入社し商品企画を担当。現在は同社とプロ契約を結び、個人活動も開始。弊社が運営する文房具のWebマガジン「文具のとびら」の編集長も務めている。著書は『究極の文房具カタログ―マストアイテム編―』(ロコモーションパブリッシング)、『究極の文房具ハック』(河出書房新社)、『そこまでやるか! 文具王高畑正幸の最強アイテム完全批評』(日経BP社)、『文具王 高畑正幸セレクション 一度は訪れたい文具店&イチ押し文具』(監修/玄光社)、『究極の文房具カタログ』(河出書房新社)、『文房具語辞典』(誠文堂新光社)と、翻訳を手がけた絵本『えんぴつとケシゴム』(KADOKAWA)。
https://bungu-o.com/


きだて たく

小学生の時に「学校に持っていっても怒られないおもちゃ」を求めて、遊べる文房具・珍妙なギミックの付いた文房具に行き当たる。以降、とにかく馬鹿馬鹿しいモノばかり探し続けているうちに集まった文房具を「色物文具=イロブン」と称してサイトで公開。世界一のイロブンコレクターとして文房具のダメさ加減をも愛する楽しみ方を布教している。著書に『イロブン 色物文具マニアックス』(ロコモーションパブリッシング)、『愛しの駄文具』(飛鳥新社)など。
色物文具専門サイト【イロブン】http://www.irobun.com/

他故 壁氏(たこ かべうじ)
文房具トークユニット〈ブング・ジャム〉のツッコミ担当。文房具マニアではあるが蒐集家ではないので、博物館を作るほどの文房具は持ち合わせていない。好きなジャンルは筆記具全般、5×3カードとA5サイズノート。二児の父親。使わない文房具を子供たちに譲るのが得意。ラジオ番組「他故となおみのブンボーグ大作戦!」が好評放送中。ラジオで共演しているふじいなおみさんとのユニット「たこなお文具堂」の著書『文房具屋さん大賞PRESENTS こども文房具 2022』が発売中。
たこぶろぐhttp://powertac.blog.shinobi.jp/

「ブング・ジャムの文具放談・完全収録版~2022年Bun2大賞を斬る!~」〈前編・後編〉をコンテンツプラットフォームnoteで公開中。

【文具のとびら】が気に入ったらいいね!しよう