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【連載】月刊ブング・ジャム Vol.77 ブング・ジャムがおすすめする、旅に持っていきたい文具 その1

文具のとびら編集部

本サイト編集長の文具王・高畑正幸さん、イロモノ文具コレクター・きだてたくさん、ブンボーグA・他故壁氏さんの3人による文具トークライブユニット「ブング・ジャム」が、気になる最新文房具を独自の視点から切り込んでいく「月刊ブング・ジャム」。今回は、“旅”をテーマに文房具を紹介してもらいました。

第1回目は、高畑編集長おすすの「測量野帳」です。

写真左から高畑編集長、他故さん、きだてさん*2023年6月3日撮影
*鼎談は2023年8月4日にリモートで行われました。

旅の記録はこれ1冊に

1.jpg測量野帳(コクヨ)

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――今日のテーマは「旅」です。高畑編集長が先日まで台湾に行かれてたということもあるので、旅行に持って行く文房具ご紹介いただければと思います。まず高畑編集長からお願いします。

【高畑】僕は毎回旅に行くとき、特に海外の場合っていうのは、ある程度お作法というか、決まっているルールがあって。その一つがですね、「測量野帳」を1海外旅行1冊っていうのが自分の中ではルールになってます。ということで、海外旅行に行く時に必ず1冊下ろすんだけど、測量野帳ぐらいがちょうどいいっていうか、旅行で作るとしたらすごいページ数があっても困るというか。

【他故】分かる。

【高畑】何かでかいのも邪魔なんだけど、サッと取り出せてすぐに使える、それで色々貼ったりしたやつを置いとくっていうのに、「トラベラーズノート」とかも別に悪くはないんだけれども、僕の中では「トラベラーズノート」よりもスリムというのと、表紙がしっかりとしてるので、割と測量野帳のスケッチを使ってます。あと測量野帳って、何だかんだ言ってたまるじゃん。

【他故】ああ、たまる、たまる。

【高畑】限定版とかでさ、いろんなやつを買ったりもらったりするじゃん。それが、なんだかんだでたまってるけど、旅行に行くと必ず1冊はそれで使うので。

【きだて】いい消費方法だよね。

【他故】そうそう、定番で決まってるのっていいよね。

【高畑】あと、これに測量野帳の専用カバーがあるのさ。これは付けるようにしてます。これを付けとくと、表紙がポケット代わりになるじゃん。この裏のところにちょっと物を挟んだりとかできるようになるので。あと、海外の時だと飛行機に手荷物を預けると付けられるクレームタグっていうやつがあるじゃないですか。あれを表紙に貼るっていうのが一応自分の中のルールになっていて、毎回それを貼ってるんですよ。

【きだて】なるほど、いい目印になるじゃない。

【高畑】これを貼ると、どこの国っていうのがはっきりする。例えば、TSAだとこれが台湾の松山空港って所なんだけど、そこに行ってきたのが分かる。で「羽田に戻ってきたよ」っていうのが分かるので。これはちょうど貼りやすいんだよ。日付もここに入っていて、めっちゃ分かりやすいので、これを貼るようにしてますっていうのと、あと飛行機の予約情報。国際線に乗るのって、パスポートがあれば何もなくても乗れるのね。いわゆるチケット的なものって全然いらなくて、行けば乗れるんだけど。ただ、「どの乗り場だっけ?」とかが分かんなくなるので。それと、ホテルとかパッと出せないと困るやつ。あとね、案外パスポートのコピーを貼っておくと便利なんだよ。

【他故】へぇ。

【高畑】入国とかで、いちいちパスポートの番号とかをたまに聞かれたりするじゃない。「パスポートナンバーを書け」っていう書類がたまに出るんだけど、面倒くさいのでそういうのを貼っておく。あと地図とかも必要な場合は貼っておく。スマホの画面を見せて「どこですか?」とかって聞くより、紙の方がいい場合が結構ある。それがまあベースにあって、あとは旅行先でもらった系のものをとにかく貼るっていう。

【きだて】結果大分ぶ厚くなるやつだね。

【高畑】そうそう。こんな感じで毎回分厚くなるんだけど。

【きだて】野帳とは思えない厚みだな(笑)。

【高畑】もらったものとかも、本当にホテルのカードのやつだったりとか、途中で会った人の名刺だったりとか、レシートとか、あとは行った先々でスタンプを捺したりとか、記念のものは何でも貼っておくという感じなの。これが非常に良いですよ、というところですね。

3-4.jpg

【高畑】だからもう本当にこれ1冊に全部まとめてる。どこかに行って1日終わってホテルに戻ってきたら、まず財布の中身というか、書類とかを全部一旦出して、それを全部ここに貼り付けておくっていうのを毎日やっておくと、後になって「どこだっけ?」「何だっけ?」みたいなのがない。帰国してから全部まとめてやろうとすると、わんさか出てきたレシートが一体何のレシートだったか全く分からないみたいな状況があるじゃない。しかも日本語じゃないから、いちいち解読するのに時間がかかるんだよね。商品名とか書いてなかったりして、「これ何のレシートだっけ?」みたいになっちゃうので。そういうのを全部戻ってきてからやるためには、現地で貼る。

――なるほど。

【高畑】それと同時に、旅行に行く時に、マスキングテープは仮留めしとくのにすごい便利なので持ってくんだけど。マスキングテープのディスペンサーとしてはですね、このスガイワールドの「アニマルハグ」っていうのがめちゃくちゃいいです。どこのテープカッターよりも軽いっていうのが良い。


アニマルハグ(スガイワールド)

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【きだて】軽いし、絶対に刃物扱いされないから、どこへでも割と持ち運びしやすいんだよね。

【高畑】紙だから、そこもいいかもね。これはね、特に飛行機で移動するときに、これを持っておくと飛行機に付いてるエチケット袋をビリビリッと開けて、その狭い机の上にこれでベタベタっとマスキングテープを貼るんだよ。それで常にここにゴミ箱ができる状態になると、機内食とかを食べるときにめっちゃ助かるんだよ。机の上であれこれやりくりするのが僕が苦手なので、とにかくゴミはもうその中にぽいぽい捨てていく。だから、旅行に行くときの必需品はこの「アニマルハグ」。他にももちろんテープのりも持ってくんだけれど。

【きだて】ゴミ袋に関しては、俺もさすがに新幹線ぐらいではやらないけど、ちょっと移動長いなと思ったら、カウネットの「貼るゴミ袋」を貼るものね。

【高畑】それもかなりいいよね。

【きだて】ホテルでも貼って使って、チェックアウト前に中を確認してからゴミ箱に捨てるの。前に間違ってバスのチケットを捨てちゃってて大慌てしたから。

【高畑】そういうのにも使えるし、マスキングテープは1本持っておくと仮留め用のテープとして何にでも使えるから。

【きだて】やっぱり使い勝手良いよね。

【高畑】持っていくと案外重宝するのでおすすめなんだけど、テープカッターが邪魔になるのも嫌なので、できるだけ軽いものを。

【他故】あ~そうか。

【高畑】コクヨの「カルカットクリップ」も悪くはないんだけど、あれって使わないときは必ず外れちゃうじゃない。こっちはずっと付けっぱなし感がすごいちゃんとしてるので、非常に楽でいいですよ。なので、今回もちょうど行ってきて、いい感じに1冊できました よ。やっぱり、旅の記録はアナログがいいぞ。

【他故】後で見返した時に楽しいしね。

【高畑】そう。写真も撮るけど、一応全部貼っておくと後でいいし。あとね、測量野帳だと後でハンコを捺せるじゃん。行ったところのハンコを。そういうのは、デジタルで写真撮っておくより味わいが深くて良いよ。

【他故】うん。

【高畑】ということで、旅行には測量野帳を1冊持って行くのをお勧めします。

――毎回必ず1冊最後まで使い切るみたいな感じですか?

【高畑】少ない時はもう全然真ん中ぐらいで終わっちゃうんだけど。でも、測量野帳で旅行に行って1冊だったら別に惜しくないじゃん。半分残ってても、まあそれはそれでいいじゃん。今回は結構カツカツまで貼ったけど、いっぱい貼れたら貼れたでそれでいいし、足りなかったら隙間にどんどん上から貼っていけばいいかなと思っていて。

【きだて】これは2冊以上には分けないの?

【高畑】分けると後で面倒くさいじゃん。

【他故】ああ、そうか。

【高畑】この1冊に収まらなかったら、どんどん間に挟み込んで、バンドで留めるぐらいの感じでいいかなっていう風に思ってる。むしろ、1冊以上にはならないようにするっていう感じでいいのかなと。これが何冊も今家にあるので、規格が揃ってるから良いかなと。あとね、旅の思い出もあんまりでかいと、置いとく場所がなくなるじゃん。

【他故】ははは、分かる(笑)。

【高畑】昔はでかいA5サイズとかを使ってたんだけど、A5でパンパンになると結構ジャマなんだよ。だから、測量野帳サイズっていうのが、なんだかんだ言いながら、僕の旅行からするとすごくちょうどいい。はみ出したりもするんだけど、貼って折り曲げてベターッてやっちゃうみたいな。よっぽどでなければ、両面見られなくてもいいやという。裏面をどうしても見たい時は、それこそマスキングテープで貼っといてはがせるようにするけど。まあ、こういうものは自己満足だからね。

【きだて】そらそうだ。

【高畑】あんまり大げさにし過ぎるのも嫌だけど、ちゃんとした1冊になっていくっていうのも素敵なので、この測量野帳っていうのは本当に良いなと思っています。そこが、僕は「トラベラーズノート」よりこっちの方が好きかなって感じで使ってます。

【他故】私も基本、全て貼り物は全部野帳にしてるので、すごくその気持ちは分かるんですよ。

【きだて】俺が、何かを貼っていく文化を持ってないからな。素敵だろうなとは思うんだけど、ピンとこないところがあるんだよね。

――人それぞれですからね。

【高畑】旅行へ行った時は、特に何にも残らずにって感じ? お土産とかは別として。

【きだて】ここ10年以上、旅行イコール取材だしなー。結局のところ、写真を撮って、必要な紙資料は後でスキャンするためにちゃんと取っておかないといけないし、という感じだし。なので、旅情を後から楽しむために何かを残すってことはないんだよ。旅情を感じたかったら、自分で公開された記事見りゃいいからね。

【他故】なるほど、成果物があるわけだからね。

【高畑】だから、きだてさんの場合は、記事っていうのが野帳の代わりになるわけだよね。だから、何も記録を残してないわけではなくて、むしろそれをちゃんとまとめて出しているわけだよね。

【きだて】なんだけど、そうやって記録に残ってるのを見ると「ああいいな、素敵なことやってやがるな、ちくしょう」とは思うわけだよ。

【他故】ははは(笑)。

【高畑】今回4年ぶりに台湾に行ってるんだけど、前回の野帳を開くと、前に誠品書店でお世話になった人の名刺が貼ってあって、すごい助かったんだよ。

【きだて】なるほどね。

【高畑】「誰だっけ?」みたいな話もあるし。

【きだて】前回のやつは持って行ったの?

【高畑】今回は文具のイベントだから、「前回、こんなの作ったんです」みたいな感じで持っていったので、それで助かったのもある。ただ、ちょっとやばかったのは、誠品書店の人に「見てもいいですか?」って言ったので見せたら、前回の時のレシートが貼ってあるじゃん。で「こんなに買ってくれたんですね。前回」って言ってペラペラとめくっていて、それで今年のも見せたら、「今年はまだこんだけしか買ってないんですね」って言われて(笑)。

【きだて】ははは(笑)。

【高畑】「いや、まだ他のフロアでも買い物すると思うので」と言ったんだけどね(苦笑)。

【きだて】記録が残るのも色々と良し悪しだな(笑)。

【高畑】そうではあるんだけど、こういう風にかたちで残ってると、後で読み返してというか、何か調べるときにも、名刺とかが全部残っていると、住所も分かるし。まあ、同じところに2回行くっていうのもそんなにはないけど、たまたま2回目に行った時にはすごい便利だったなっていうのがあって。なので、僕としてはこういうの作るのいいなという感じですね。

【他故】なるほど。

――まあ、コロナも落ち着いて、またそうやって野帳を作る機会もこれからありそうですからね。

【高畑】だからまたちょっとどっか行きたいなっていう風には思うけど、今回1冊また作れたのは本当に良かったなと思ってます。

*次回は他故さんおすすめの「ドットライナーフリック あとから貼りつくタイプ」です。

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プロフィール

高畑 正幸(たかばたけ まさゆき)
文具のとびら編集長。学生時代に「究極の文房具カタログ」を自費出版。「TVチャンピオン」(テレビ東京系列)の「文房具通選手権」では、3連覇を達成した。サンスター文具に入社し商品企画を担当。現在は同社とプロ契約を結び、個人活動も開始。弊社が運営する文房具のWebマガジン「文具のとびら」の編集長も務めている。著書は『究極の文房具カタログ―マストアイテム編―』(ロコモーションパブリッシング)、『究極の文房具ハック』(河出書房新社)、『そこまでやるか! 文具王高畑正幸の最強アイテム完全批評』(日経BP社)、『文具王 高畑正幸セレクション 一度は訪れたい文具店&イチ押し文具』(監修/玄光社)、『究極の文房具カタログ』(河出書房新社)、『文房具語辞典』(誠文堂新光社)と、翻訳を手がけた絵本『えんぴつとケシゴム』(KADOKAWA)。
https://bungu-o.com/


きだて たく

小学生の時に「学校に持っていっても怒られないおもちゃ」を求めて、遊べる文房具・珍妙なギミックの付いた文房具に行き当たる。以降、とにかく馬鹿馬鹿しいモノばかり探し続けているうちに集まった文房具を「色物文具=イロブン」と称してサイトで公開。世界一のイロブンコレクターとして文房具のダメさ加減をも愛する楽しみ方を布教している。著書に『イロブン 色物文具マニアックス』(ロコモーションパブリッシング)、『愛しの駄文具』(飛鳥新社)など。
色物文具専門サイト【イロブン】http://www.irobun.com/

他故 壁氏(たこ かべうじ)
文房具トークユニット〈ブング・ジャム〉のツッコミ担当。文房具マニアではあるが蒐集家ではないので、博物館を作るほどの文房具は持ち合わせていない。好きなジャンルは筆記具全般、5×3カードとA5サイズノート。二児の父親。使わない文房具を子供たちに譲るのが得意。ラジオ番組「他故となおみのブンボーグ大作戦!」が好評放送中。ラジオで共演しているふじいなおみさんとのユニット「たこなお文具堂」の著書『文房具屋さん大賞PRESENTS こども文房具 2022』が発売中。
たこぶろぐhttp://powertac.blog.shinobi.jp/

「ブング・ジャムの文具放談・完全収録版~2022年Bun2大賞を斬る!~」〈前編・後編〉をコンテンツプラットフォームnoteで公開中。

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