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【連載】『小粋な手紙箱』 #70・喫茶店めぐりでポストカードを

田丸有子

(社)手紙文化振興協会認定・手紙の書き方コンサルタントの田丸有子さんは、子どもの頃から「手紙魔」と呼ばれるほどの手紙好き。コンサルタントとして手紙文化を広めるために活動している田丸さんに、手紙の書き方のコツや手紙に関するトピックなどを毎月紹介してもらいます。

手紙で気持ちを伝えよう!

2023年が明けました。いかがお過ごしですか? 今年もどうぞよろしくお願いします。

私はカフェめぐりが趣味で、最近はクラシックなカフェや昭和レトロな喫茶店をめぐっています。約束しているわけではありませんが、落ち着ける良い喫茶店を見つけたらそのつどポストカードを1枚書いて送り合うようになった友人がいます。喫茶店に行くときはポストカードと切手とペンを携え、ここは良い! コーヒーも旨い! 友人におすすめしたい! そう思ったらすぐに書くのです。また、教えてもらったお店に行って、そのお礼状をしたためることもあります。

何か用事があるわけではありませんし、どうしても書かなくてはいけないわけでもありません。でも自分が好きなこと、良いと思ったことを誰かに伝えるのは楽しいものです。フォレスト・カーターの小説『リトル・トリー』にこんな一節があります。

「なにかいいものを見つけたとき、まずしなくちゃならないのはね、それをだれでもいいから、出会った人に分けてあげて、いっしょに喜ぶことなの。そうすれば、いいものはどこまでも広がっていく。」

私はいつも自分が良かったと感じたことを誰かに伝えるとき、この言葉を思い出します。

ポストカード1枚なら押し付けがましくもなりませんし、相手もわざわざ自分のために書いてくれたと喜んでくれます。もちろんメールやチャットでも薦めることはできますが、時間を感じさせることができるのは手紙ならでは。手書き文字は喫茶店でゆったりと過ごした時間そのものを届けてくれます。こんなコミュニケーションの取り方があっても悪くないですよね? 

手紙を書きたくてもいつどんな時に書けば良いのかわからず、きっかけを探している方は、まずは自分が好きなものや良かったと思った何かを身近な人や友人に書いてみると良いですよ。試しにぜひやってみてください。

手紙トピック

アマゾンプライムビデオで配信されている映画『ビューティフル・レターズ 綴られた言葉』。タイトルを一目見て、これは面白そうだとさっそく観てみました。

冒頭数分間の映像から目が釘付けになりました。色褪せた手紙の束、老紳士が古い机の上にたくさんの万年からお気に入りの一本を取り出し、白い便箋に文字を綴っていきます。折り畳まれた手紙は封筒に入れられ「FIRST CLASS」のスタンプを押され、秤で重さを確認後に切手が貼られます。手紙が完成していく様子がなんとも美しく描かれています。この老紳士が書いている手紙の内容は相手への励ましや祝福です。しかも相手は電話帳でランダムに選んだ人々。ある日、その手紙は高校生・マギーの元に届き、そこからストーリーが展開していきます。人生うまくいかないことだらけで鬱屈した日々を送っていたマギーは老紳士と交流するうちに、自分に起こっていることと真摯に向き合い自らの可能性を見出していきます。

淡々と物語が進んでいく中で、登場人物の心情をていねいに表現しており、心を動かされる上質な映画でした。鑑賞後は清々しい気持ちになり、また頑張ろうと思えます。気になった方はぜひご覧になってみてください。

今月のマキシマムカード

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テーマ: SNOOPY & PEANUTS
ポストカード: 日本ホールマーク
特殊切手&絵入りハト印: グリーティング スヌーピーとピーナッツのなかまたち

お知らせ

★手紙やメールの書き方の基本について通信講座があります。
忙しい人でも自分のペースで学べます。
楽しく学んで手紙上手になりましょう!

入門講座 /通信講座「手紙の書き方講座」
ビジネスメール講座 /通信講座「仕事で差がつく!メール・文章の書き方講座」
美文字講座 /通信講座「仕事で差がつく!実用美字・美手紙講座」


★ 体験講座も有ります!
月に一度、オンラインで手紙の書き方講座を開催中。お申し込み、お待ちしています!
(社)手紙文化振興協会 体験講座スケジュール

プロフィール

田丸有子(たまるゆうこ)

(社)手紙文化振興協会認定・手紙の書き方コンサルタント

子供の頃から「手紙魔」と呼ばれるほどの文通好き。でも手紙の何がそこまで自分を魅了するのか、深く考えたことはありませんでした。講座を受けて一番良かったことは、手紙が私の憧れを実現する手段であると気付いたことです。自分を表現することで人に喜んでもらいたい。叶えるために出来ることは何かずっと探してきました。その表現方法こそ私にとっての手紙であり、魅かれる理由なのだと気付いた瞬間、「やっと見つけた!」そんな気持ちになりました。

また、郵趣のコミュニティに参加したことで、手紙にも色々な楽しみ方が有ることを知りました。私が今夢中になっているのは、葉書と切手、消印をコーディネートするマキシマムカード。いかにセンス良く仕上げて個性を出すか、考えるだけでワクワクします。

奥深い手紙文化を通して自分の世界が広がっていく面白さを沢山の人たちと共有し、心を豊かにしていきたいです。

ブログ「手紙魔Yukoのお手紙ライフ
You Tube「手紙魔Yukoのお手紙ライフ

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