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【連載】『小粋な手紙箱』 #40 暑中見舞いに添えるひとことにもちょっとした気遣いを

(社)手紙文化振興協会認定・手紙の書き方コンサルタントの田丸有子さんは、子どもの頃から「手紙魔」と呼ばれるほどの手紙好き。コンサルタントとして手紙文化を広めるために活動している田丸さんに、手紙の書き方のコツや手紙に関するトピックなどを毎月紹介してもらいます。

手紙で気持ちを伝えよう!

みなさん、こんにちは。

梅雨明けまでしばらく時間がかかりそうな雨模様の日々ですが、いかがお過ごしですか?

そろそろ暑中見舞いを出そうと考えていらっしゃることと思います。今年は誰もがいつもとは違う夏を迎えることになるので、添えるひとことにもちょっとした気遣いがあると良いですね。

ニューノーマルの生活に少しずつ慣れていこうとしている今だからこそ言えることがあります。
●猛暑にもウィルスにもマスク熱中症にも負けず、元気に過ごしましょう。
●この夏は美味しいもの食べて、たくさん寝て、筋肉と免疫力を育てます。一緒にいかがですか?
●遠くへ行く予定はないけれど、近場の魅力を発見するのが夏休みの目当てです。
●またお会いする日を楽しみにしています。どうかお体をおいといください。

よし頑張ろう! と思える言葉、フッと心がほぐれる言葉を選びましょう。
●お互いにたくさん笑って夏を乗り切りましょう。
●あっついね〜! 毎日お仕事おつかれさまです!

暗いニュースが多いので、とにかく明るく楽しいことを連想させる言葉を綴りましょう。
● 夏本番!仕事上がりに飲む冷えたビールが最高!
●毎朝、今日はいくつ咲いたかな?と朝顔の水やりが楽しいこの頃です。

相手にもよりますが、なるべく普段使いのい言葉で、誰でも頭に思い描くことができる日常を感じさせることがコツです。身近なところに使える言葉はたくさん転がっています。あなたらしいユーモアを感じさせるひとことをぜひ考えてみてくださいね。

手紙トピック

井上ひさしさんの小説『十二人の手紙』(中公文庫)を読みました。

初版は1980年の作品です。書簡形式の短編小説が収められていて、そのほとんどが「ええ!」「なんと!」「そうきたか!」と思わず声が出てしまうような、どんでん返しを含む意外性に満ちたラストで締めくくられています。話の流れが実に巧妙で、随所に張り巡らされていた伏線や仕掛けに私は気が付けませんでした。ネタバレになるのであまり言えませんが、推理小説やサスペンス小説を読み慣れている人なら途中で気が付いてメモでも取り出すかもしれません。

ちなみに短編の内容は人間の闇の部分や思い通りにならない人生模様を描いたものばかりです。それが書簡形式をとることで、まるで親しい人の身に起こったことを読んでいるような不思議な錯覚に陥ります。同情したり、批判したり、読者の心も右往左往。たとえ最後のオチを見逃したとしても短編の一つ一つが珠玉の作品であることは疑いようがありません。手紙文の書き方という視点でも参考になりますよ。

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今月のマキシマムカード

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テーマ:ほおずき市
葉書:Hallmark
切手:夏のグリーティング
風景印:浅草郵便局

お知らせ

★手紙やメールの書き方の基本について通信講座があります。
忙しい人でも自分のペースで学べます。
楽しく学んで手紙上手になりましょう!

入門講座 /通信講座「手紙の書き方講座」
ビジネスメール講座 /通信講座「仕事で差がつく!メール・文章の書き方講座」
美文字講座 /通信講座「仕事で差がつく!実用美字・美手紙講座」


★ 体験講座も有ります!

(社)手紙文化振興協会 体験講座スケジュール

プロフィール

田丸有子 (たまるゆうこ)

(社)手紙文化振興協会認定・手紙の書き方コンサルタント

子供の頃から「手紙魔」と呼ばれるほどの文通好き。でも手紙の何がそこまで自分を魅了するのか、深く考えたことはありませんでした。講座を受けて一番良かったことは、手紙が私の憧れを実現する手段であると気付いたことです。自分を表現することで人に喜んでもらいたい。叶えるために出来ることは何かずっと探してきました。その表現方法こそ私にとっての手紙であり、魅かれる理由なのだと気付いた瞬間、「やっと見つけた!」そんな気持ちになりました。

また、郵趣のコミュニティに参加したことで、手紙にも色々な楽しみ方が有ることを知りました。私が今夢中になっているのは、葉書と切手、消印をコーディネートするマキシマムカード。いかにセンス良く仕上げて個性を出すか、考えるだけでワクワクします。

奥深い手紙文化を通して自分の世界が広がっていく面白さを沢山の人たちと共有し、心を豊かにしていきたいです。

ブログ「Cordially yours

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