1. イベント
  2. 【イベント】「パーカー」130周年を記念して代官山でトークショー!創業者の曾孫が歴史を語る

【イベント】「パーカー」130周年を記念して代官山でトークショー!創業者の曾孫が歴史を語る

千葉 勇

代官山 蔦屋書店で2018年9月8日、「パーカー」創業130周年を記念したトークイベントが参加費無料の予約制で開催され、「パーカー」ペンの愛用者や来店客などが聴講した。出演した創業者の曾孫であるジェフリー・サッフォード・パーカー氏は、「パーカー」ブランドの歴史や創業130周年記念モデル第2弾「ソネット スペシャルエディション」(2018年9月26日発売)について、およそ1時間にわたって語った。

「パーカー」創業者ジョージ・パーカー氏が掲げた3つの原則

トークイベントに登壇したジェフリー・サッフォード・パーカー氏は、「皆さん、あたたかくお迎えいただいて本当にありがとうございます。そして日本にまた戻って来られたことをとてもうれしく思います。私は創業者ジョージ・パーカーの曾孫で、現在ブランドヒストリアンという役目を務めています。たくさんの役割がありますが、その1つがパーカーのビジネスの歴史を皆様にお伝えしていくことです。そこで今日は皆様にこのお話をしたいと思います」と自己紹介したあと、同社の歴史について次のように語った。

「まず最初にお話ししたいのは、創業者のジョージについてです。1888年に彼はペン作りを始めました。そのとき彼はまだ25歳だったんです。教師をしていた彼は、給料以外にも小遣いを稼ごうと、生徒にジョン・ホランド・ペンカンパニーという小さな会社で作られていたペンを売り始めました。その会社は質のいいペンを作っていなかったので、皆さんも名前を聞いたことはないでしょう。質が良くなかったため、使っている方からインクが漏れるとか、引っかかって書きづらいといった苦情が出ました。その度にジョージは自分でペンの修理をしました。修理することでペンの機能やどうしたらより良いペンになるのかを学んだジョージは、他人が作ったペンを修理するのではなく、自分でいいペンを作ろうと決意しました」

「ビジネスを始めたジョージは、今後成長を継続していくためにはあることが必要だと気づいたそうです。それは哲学ともいえるもので、1つめは最高品質の素材を使うこと、2つめは最高レベルのクラフトマンシップ、匠の技を極めていくこと、そして3つめは常に新しいことを取り込んでいく革新性を失わないという考え方です。この3つの原則を基盤にして「パーカー」のビジネスは発展を遂げ、130周年を迎えることができました。我々継承者たちも3つの原則を念頭に置いてビジネスを展開してきました。創業からの130年間は、ジョージが1888年に掲げた理想を実現するための歴史ということができます」

「ソネット スペシャルエディション」は創業者へのオマージュ

創業130周年記念モデル第2弾の「ソネット スペシャルエディション」については、「ジョージに対するオマージュであり、違う意味もあります」として、次のように説明した。

「ジョージは田舎の農家で生まれました。望ましい環境で教育を受けることができなかったため、読書することで様々なことを学んだようです。それから読書以外にも学ぶ方法はあるのではないかと考え、人と話すことが勉強になると気づきました。そして人と話すには旅に出ればいいと思いつきました。それからのジョージの人生の中心になったのが『旅』というキーワードです。ジョージは旅に出たとき、エッフェル塔や万里の長城を見ることが楽しかったわけではなく、それがどういう意味を持っているのかを理解したいという気持ちがありました。また、そこに住んでいる現地の人々と知り合うことが彼にとって非常に魅力だったようです」

「好奇心旺盛だったジョージは、船旅でいろいろな国を回り、4回も世界1周旅行をしました。最初の海外旅行はヨーロッパでしたが、そこで彼はある重大なことに気づきました。パーカーペンはどんな言語でも書くことができるということに気づいたんです。このシンプルで革命的な気づきがあり、旅先でビジネスを拡大していきました。こうして世界中でパーカーが知られるようになったわけです」

「話は元に戻りますが、「ソネット スペシャルエディション」は、ジョージの持っていた『旅』への好奇心がテーマになっています。彼に捧げるオマージュということで、彼の影響力は今でも大きく残っているわけです」

最後にジェフリー氏は「これまで130年間にわたって「パーカー」のビジネスは続いてきましたが、少なくともこれから130年は皆様に愛していただけるブランドとして続いていくと思います」と語り、トークイベントを終了した。

【文具のとびら】が気に入ったらいいね!しよう