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【コレ買いました!】中村文具店のアンティークな一品

北澤孝之(Bun2編集長)

東京・武蔵小金井駅前の老舗文具店・中村文具店が、駅前の再開発により惜しまれつつ60年の歴史に幕を下ろしたのは、2010年2月のこと。しかし、その年の12月、小金井市内の別の場所に店舗を構え、アンティーク文具を専門に扱う新生「中村文具店」として再出発している。

実は、店主の中村研一さんには、新店がオープンする前少し前に、ある取材で初めてお目にかかっている。そのときの取材ノートをひもとくと、「なくすものがあるときは、得るものも大きい」という中村さんの言葉が記してあった(確か、友人から聞いた言葉だと言っていたはずだ)。幼少からの記憶が詰まっていたお店を手放すのは断腸の思いだったと思うが、新しいお店をオープンし、文具ファンの聖地となったことは、中村さんにとって大きなことだったに違いない。

さて、中村文具店はJR中央線武蔵小金井駅南口から徒歩5分の場所にある。以前は小金井神社の近くに店舗があったが、その後こちらの場所に移転してきた。基本、土日のみの営業だが、最近は平日に店を開けることも稀にあるようだ(*営業日はお店のホームページで確認して下さい)。超レトロな建物だが、お店の中もアンティークな文房具を扱うのに相応しいレトロさを演出していて、昭和30年代ぐらいにタイムスリップしたような趣がある。

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扱っている商品は、一部新製品も入れているが、デットストック品が中心。昭和の頃に売られていた懐かしい文房具ばかりだ。その一方で、中村文具店オリジナルの商品も、数は多くないがいくつか販売されていた。その一つが、昭和の領収書と令和への訂正印をセットにしたこちらの商品である。

4.jpg平成から令和へと元号が切り替わるときに、書類に印字されている古い元号の上に二重線を捺して、その隣に新しい元号が捺せる訂正用のゴム印が発売されたりした(こちらの記事も参照)が、中村文具店で扱っているのは昭和の領収書なので、「昭」だけを訂正すれば令和になるわけだ。なので、「令=」というゴム印をオリジナルで作成して、コクヨの古い領収書とセットにしているとのこと。これまでに、色々な令和グッズを見たが、昭和と令和をからめたグッズは初めてみたような気がする。

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そして、今回購入してきたのが、もう一つのオリジナル品のこちらのメモ帳。表紙が、何とタイムカードなのだ。お値段は税抜で500円。

7.jpg中村さん曰く、「タイムカードは、タイムレコーダーに出し入れするものなので、結構丈夫な紙でできている」そうなので、メモ帳の表紙にぴったりなのだとか。そして中の紙も、中村文具店らしい、ちょっと焼けたような古っぽいザラ紙を使っている。

8.jpgせっかくなので、以前中村文具店で購入した、パイロットのアンティーク万年筆(結構気に入っている)で試し書きをしてみた。予想はしていたけど、表面がザラザラしているし、ペン先が細書きということもあり、書くときに結構引っかかりがある。やっぱり、こういうザラ紙は鉛筆の方が相性がよさそうなので、鉛筆で書いてみたら実に気持ちよく書けた。この組み合わせはクセになりそう!?

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他にも面白いネタがあるのだが、ちょっと長くなってしまったので、後日改めてご紹介します。ご期待下さい。

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