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トガり続けるシャーペン「クルトガ」の2倍速で芯が回転!文字がよりクッキリ書ける「アドバンス」

三菱鉛筆は、シャープペンシルの新製品「アドバンス」(税抜550円)を2017年3月22日に発売した。「アドバンス」は、大ヒットシャープペンシル「クルトガ」(スタンダードモデル)に搭載している自動芯回転機構“クルトガエンジン”よりも2倍速く回る“Wスピードエンジン”を搭載。より長時間書き続けても文字の濃さも太さもずっと同じように書き続けられるのが特徴だ。「クルトガ」スタンダードモデルよりもプラス100円という価格設定だが、発売早々、中高生たちのハートをつかみ、品薄になるほどの大ヒットとなっている。「クルトガ」と「アドバンス」の違いをレビューするとともに、同社商品開発部付中山協課長に話を伺った。

文具史に残る傑作シャープ、芯がトガり続ける「クルトガ」

クルトガ.jpg

クルトガ スタンダードモデル

2008年3月に発売された「クルトガ」は、書くたびに芯を少しずつ回転させるので、芯が偏減りせず絶えずトガり続ける自動芯回転機構「クルトガエンジン」を搭載。

クルトガエンジン.jpgクルトガエンジン

クルトガエンジンは、機構内部が3つのギアに分かれており、芯に連結された中ギアが、文字を書くときの筆圧を利用して上下に運動する仕組み。上下のギアと斜めに噛み合うことで、一画書く度に中ギアと芯が少しずつ回転する芯の偏減りによる「筆跡が太くなる」「書いていてひっかかる」「芯が折れる」といった不満点を解消した、文具史に残る画期的なシャープペンシルだ。

アルファゲルグリップタイプ、ハイエンドな製図用シャープペンシル風のデザインで低重心のローレットモデル、高級感のあるハイグレードモデル、ラバーグリップ付きなどバリエーションを充実させ、芯径も0.3㎜と0.5㎜に加え、筆圧の強い小学生が書きやすい太めの0.7㎜も登場している。

三菱鉛筆 シャープペン クルトガ 0.7 M74501P.33 ブルー

「クルトガ」の2倍速で芯が回転する「アドバンス」はクッキリしたキレイな文字が書ける

「色々な機能のシャープペンシルが出てきていますが、実際にどんなシャープペンシルが欲しいのかをユーザーに調査しました。そこで上がってきたのが、“キレイな文字を書きたい”というニーズでした。そこで、“キレイな文字を書けるシャープペンシル”として開発したのが『アドバンス』です。もちろん、クルトガでもキレイに書けますが、“芯の偏減りの解消”を前面に出していますので、ユーザーに伝わりにくい部分があるのではないかと思います」と中山さん。そこで、クルトガよりもキレイな文字を書く機能を強化したアドバンスを開発し、“キレイな文字が書けるシャープペンシル”を前面に打ち出したという。

キレイな文字を書く機能として開発したのが、「クルトガ」の2倍の速さで芯が回転する「Wスピードエンジン」。「クルトガエンジン」は、40画で芯が1周回転するように40歯のギアを使用しているが、それに対して20画で芯が1周回転する20歯のギアを使用することで、2倍速く回ることができるという。これにより、HBでは約12%、2Bでは約17%細く書き続けることができるようになったという(0.5mmの同じ芯を使用した場合)。

この新エンジンの開発が一番苦労したところで、2年かけて開発したという。

クルトガ2.jpgクルトガエンジン(左)より2倍速で回転する「アドバンス」に搭載した“Wスピードエンジン”は、マークもそれをイメージしたものに変更されている。

どのくらいキレイに書けるのか、普通のシャープペンシルで筆記した文字と「アドバンス」で書いた文字を比較したノートを見せてもらったが、一目でその違いが分かるほどでビックリした(どちらも0.5㎜のB芯を使用)。「アドバンス」で書いた文字の方が非常にクッキリと鮮明で、「コピーもキレイにとれます」という。


クルトガ4.jpg上が通常のシャープペン、下が「アドバンス」で筆記したもの(どちらも0.5㎜のB芯で筆記)。「アドバンス」の方が、1画1画の描線がクッキリしているのがよく分かる。

数学などの授業で、ノートにグラフや図表を書く場合にも有効で、「線を引き続けている間はエンジンが回らないので、偏減り状態になりますが、より高速で回転する『アドバンス』だと、偏減りからの回復が早いです。感覚として、数画で復帰すると思います」とのこと。

クルトガ アドバンス ( ADVANCE ) 0.5mm ネイビー

金属製パーツにより耐久性が向上、光沢やパール調で高級感を演出

クルトガ3.jpg口金やノックカバーを金属製に


“Wスピードエンジン”以外の部分も見ていこう。まず芯と連動して先端パイプがスライドするスライドパイプの採用によって、筆記時の芯折れを防止し、折れないシャーペンとして進化。先端部の口金も、「クルトガ」では樹脂製だったが、「アドバンス」では金属の削り出しのパーツに変更している。金属製にすることで、筆記時の安定性がより増しているという。

「書く度に芯を回転させるため、芯先が紙から離れるたびにギアが上下に動いていますが、『クルトガ』に比べ半分の歯車しかないアドバンスはその上下動がより大きくなってしまいます。そこで、ギアの形状や角度を見直すなど上下動を抑える工夫をしています。また、口金を金属パーツにすることで、その振動を抑えてよりなめらかに書くことができます」。

加えて、クリップやノックカバーにも金属製パーツを使用し、耐久性を向上。さらに、上質な仕上げを追求し、光沢やパール調で高級感を演出したスタイリッシュなボディデザインに仕上げている。

「『クルトガ』に加え、『アドバンス』を出したことにより、選択肢がより広がったのではないでしょうか。今後、ユーザーから色々な要望が出てくると思いますが、いずれはそれに応えたものを出せればいいと思います」。

主なラインアップと価格

「アドバンス」(芯径0.5mm)税抜550円
「クルトガ スタンダードモデル 0.3mm」税抜450円

「クルトガ スタンダードモデル 0.5mm」税抜450円
「クルトガ スタンダードモデル 0.7mm」税抜450円

「クルトガ/セサミストリート スタンダードモデル 0.3mm <数量限定>税抜650円
「クルトガ/セサミストリート スタンダードモデル 0.5mm」 <数量限定>税抜650円
「クルトガ/サンリオキャラクター スタンダードモデル 0.5mm」<数量限定>税抜650円
クルトガ パイプスライドモデル」(芯径0.5mm)税抜450円
「クルトガ ラバーグリップ付」(芯径0.5mm)税抜650円
「クルトガ ローレットモデル」(芯径0.5mm)税抜1000円
「クルトガ ユニアルファゲル搭載タイプ」(芯径0.5mm)税抜850円

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