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【連載】車椅子ライターから見た 弱い力でも使いやすい文具たち #52「片手でページがめくれる書見台」

波子

最近は、本を読むというと電子書籍が多くなってきました。理由はいくつかありますが、その中でも「本が重い」ことと「両手を使うのが面倒」というのがかなり大きく占めています。
机に向かうときは左腕で体幹を支えたい私。両手で広げておかないとページが閉じてしまう本は、ちょっと読みにくく感じてしまうのです。

いつも行く文具店に立ち寄ったとき、棚に見かけたロングセラー文具。正直申し上げて、目にするまでその存在を失念しておりました。
そうだ、これがあれば解決できる!
…と思わせてくれた頼もしい味方をご紹介します。

レイメイ藤井「ケンコー書見台」

202207namiko1.jpgレイメイ藤井「ケンコー書見台」。懐かしい雰囲気のパッケージ



レイメイ藤井の「ケンコー書見台」は、1961年から販売されているロングセラー文具。
パッケージのフォントもレトロです。


202207namiko2.jpgパッケージ裏には使い方が詳しく説明されている



そうなんですよ、確かに小学生の頃(1980年代)、「教科書を見ながらノートに書いて学習する際には書見台を使うと良い」と言われた記憶があります。店頭で見かけた瞬間にぶわわっと蘇ってきました。

作りはとてもシンプル。スタンドを起こし、角度調整パーツの位置を整え真後ろに向けてから倒し、本押さえを起こします。

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角度調整パーツの位置は自由に調整できます。目安として、書籍が45度傾く位置に赤く印が付けられています。パーツを移動させるのにやや力とコツが必要ですが、一度場所を決めれば片づけるときはその場で向きを変えるだけなので、もし難しい場合はどなたかの手を借りてもいいかと。
本押さえを起こすのにも最初だけ力が要りますが、私には問題なくできました。

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45度の位置にセットして、本を置いてみました。

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ページをめくるときは、スッと引き抜いてめくり、差し入れることができます。本押さえを動かさなくても大丈夫でした。
つまり、一度本をセットしてしまえば、あとは片手でページをめくるだけです。これはありがたい!

家にある文具関係の本を何冊かセットしてみました。

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厚みのある本はセットするのに少々手間取りますが、シリコン製の本押さえは適度に摩擦力があり、うまくキープしてくれるので安心です。
カラーはホワイトのほか、ブラックとレッドがあります。

外出の頻度を下げているため、以前に比べると文具店に足を向ける回数も減ってしまっています。でも、やっぱりこうして実際にお店に行くと、思わぬ出会いがあるんですよね。
これからも、実店舗での出会いを大切にしたいです。


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プロフィール

波子
1974年生まれ。脊柱側弯症、先天性ミオパチーのため、2006年に杖歩行となり、2012年から車椅子、2014年12月から簡易型電動車椅子を使用。便利な道具や文具が好き。
奈良県奈良市で生まれ育ち、大阪・東京での暮らしを経て現在奈良市在住。
産経新聞奈良版および産経WESTにて連載「車いすでみるなら」2015年2月~2019年5月、全70回。
ブログ「車椅子、ときどき杖。」http://nam-kid.hatenablog.com/

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