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- 車椅子ライターから見た 弱い力でも使いやすい文具たち
- 【連載】車椅子ライターから見た 弱い力でも使いやすい文具たち #19「ワンタッチで貼れる両面テープ」
【連載】車椅子ライターから見た 弱い力でも使いやすい文具たち #19「ワンタッチで貼れる両面テープ」
今回ご紹介する文具は、少し指先での力加減に微調整が必要です。握力15kgかつ不器用な私でもこなせる程度ではありましたが、個人差のあることですので、もしかしたら合わない方もいらっしゃるかも…と思いつつ、それでも便利だと感じたのでご紹介します。
両面テープの剥離紙がめくりにくい、という話は以前にもこの連載でしたことがあります。爪の先を使って密着した小さなテープの先をめくるのには手先の起用さが不可欠で、私にはなかなかに難しいのです。
その時にご紹介したのが、テープのりのように使えるコクヨの「ラクハリ」でした。
#9「片手で使える両面テープ」
https://www.buntobi.com/articles/entry/series/namiko/008478/
剥離紙いらずで、コツを掴めばとても便利なラクハリ。もっと早く出会いたかったと思えるほどには嬉しい出会いでした。
そして先日、新たに出会ったのが、またアプローチの異なる両面テープです。
カンミ堂「タップテープ」
カンミ堂のタップテープ。落ち着いた色合いの本体には上品な箔押しが。
カンミ堂の「タップテープ」は、「日常使いしやすい手軽さ・デザイン」をコンセプトにした、とてもコンパクトな両面テープです。
紙製の薄くて小さな箱の中に、等間隔でカットされたテープがロール状に収められています。左上部の斜めに切り取った角からテープの一部(剥離紙)が見え、右上部の角からは剥離紙が伸びています。
パッケージの表面・裏面・中面には使い方が解りやすく記載されている
剥離紙を摘まんで引き出すと、次のテープが現れる
この伸びた剥離紙をテープの1片分だけ引っ張ると、左上部の角に次のテープが現れます。
そうしたら、人差し指で出ている剥離紙を箱の側面に押さえつけ、箱の表面と裏面を親指と中指で挟み持ち、現れたテープを貼りたいところにポンと押し付けます。
カットされた1片分のテープが、四角い形に貼りつくのです。
次のテープは端がやや剥離紙から浮いた状態で現れる
このとき重要なのは、必ず「箱の表面と裏面を挟み持つ」こと。実は最初、いつもテープのり等を使うときのように剥離紙を親指で押さえながら使ってみたところ、貼った紙から剥離紙が離れず、次のテープまでびよーんと出てきてしまいました。
箱越しにロールを両サイドから押さえることで、しっかりとロールが固定されます。
剥離紙を押さえながら、本体の表と裏を挟み持ち、ポンとタップしてテープを貼りつける。強粘着なので、薄い紙なら手で押さえる必要あり
使う度に剥離紙が伸びていくので、適宜はさみでカットします。あまり短く切ってしまうと次に貼るときに人差し指で押さえにくくなるので注意です。
裏側からロールの減り具合が解る
もしテープが出過ぎたときは、裏面からロールを摘まんで巻き戻せる(ただし器用さが要求されます)
私が便利だと感じた点はみっつ。
まずは、ワンタッチで粘着面が思った場所に押せること。ちょっと慣れは必要ですが、すぐにうまくいきます。
ふたつめは、片面が貼って剥がせる粘着面であること。ワンタッチで貼り付けた面は強粘着で剥がせませんが、そのとき上になった面は貼り直しが利きます。例えば旅ログでノートにレシートを貼るとき、レシートの裏にテープを貼ってノートに貼れば、違う場所に貼り直したいときもレシートを剥がして移動できるんです。
みっつめは、そのコンパクトさ。旅先に持って行くのにも支障のない軽さと薄さがとても嬉しいです。
ラインナップは4色。私が購入したスモークブルーのほか、ホワイト、マスタード、グレーがあります。古紙40%以上配合の非木材紙(ファンシーペーパー)を使用した厚紙製の本体は、色合いも手触りも落ち着いていて上品なのが嬉しいです。
冒頭で申し上げたように、コンパクト故に指先での絶妙な力加減が必要となります。
剥離紙を摘まんでテープ1片分だけ引き出す。人差し指で剥離紙を押さえながら薄い本体の表面と裏面を挟み持ち、貼りたい面に押し付けて(それが薄い紙であればもう片方の手で紙を押さえて)持ち上げる。
おそらく多くの方にとって何でもないこの一連の動作も、私にとっては意識して指先をコントロールする作業となるのです。
剥離紙を親指で押さえる持ち方だとテープが余分に出てきてしまった
慣れればうまくいくと今の私は感じましたが、もしこの先もう少し力加減の調整が不得意になったら、ちょっと難しく感じるかも知れません。
でも、ひとまず今は、便利に使えることを楽しみたいと思っています。
とりあえず、次の旅行には持って行きます!
プロフィール
1974年生まれ。脊柱側弯症、先天性ミオパチーのため、2006年に杖歩行となり、2012年から車椅子、2014年12月から簡易型電動車椅子を使用。便利な道具や文具が好き。
奈良県奈良市で生まれ育ち、大阪・東京での暮らしを経て現在奈良市在住。
産経新聞奈良版および産経WESTにて連載「車いすでみるなら」2015年2月~2019年5月、全70回。
ブログ「車椅子、ときどき杖。」 http://nam-kid.hatenablog.com/
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