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【連載】『小粋な手紙箱』 #32 東京・蔵前にある手紙のお店「自由丁」

田丸有子

(社)手紙文化振興協会認定・手紙の書き方コンサルタントの田丸有子さんは、子どもの頃から「手紙魔」と呼ばれるほどの手紙好き。コンサルタントとして手紙文化を広めるために活動している田丸さんに、手紙の書き方のコツや手紙に関するトピックなどを毎月紹介してもらいます。

手紙で気持ちを伝えよう!

みなさん、こんにちは。
寒くなってきましたが、風邪など引いていませんか?

東京の蔵前に、手紙を書いたり本を読んだりするための空間を提供している『自由丁』というお店があるのをご存知でしょうか?

手紙を書くためのレターセットや筆記用具が置いてあり、未来の自分に手紙を書くと預かってくれて、1年後に届けてくれます。忘れた頃に届く手紙なんて、ちょっとしたタイムカプセルみたいで面白いサービスですね。

私が良いと思ったのは、過去の自分に手紙を書くというサービス。その手紙はお店に来る人たちも読めるようになっています。これからその年齢を迎える若い人たちが読めば、人生の何かヒントになることが書かれているかもしれないから、とのこと。見せていただくと、どの手紙もハガキの大きさの紙に手書きでびっしりと書かれていました。過去の自分に対してなら何を遠慮する必要もなく、素直になれますよね。過去の自分を客観的に見て、その頃より少しは成長している自分が伝えられることはどんなことでしょう。励ましか慰めか、はたまた叱咤激励でしょうか。書いている間に自分でも知らなかった気持ちに気付くこともあるかもしれません。そして、それが見知らぬ人の役に立つかもしれないという考え方、「あなたの過去で誰かの今を照らそう」というコンセプトはとても素敵だと思いました。

また、お店には「繋がる本棚」というものがあって古本がずらりと並んでいます。お店に来た人が置いていった本で、その人がすすめる理由などを書いたお手紙が挟んであります。もし購入したかったら、自分が薦める本と交換するという方法で買うことが出来ます。

自分のためにしていることも、いつか誰かの役に立つかもしれない。『自由丁』はその見えない部分をつなげてくれるサービスを提供してくれます。そこに一役買うツールが手紙であり、こんな風に生かすこともできるのかと新鮮な感動を覚えました。

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手紙トピック

以前からずっと行ってみたかった蔵前にある文具店『カキモリ』のインクスタンドに万年筆用のインクを作りに行ってきました。 頭の中で色をイメージして調合していく作業は本当に楽しくて終始ワクワク。仕事で使っている一筆箋に合わせたくて深みのある若草色のインクを作りましたが、自分で手を加えていると思うと愛着もひとしおです。

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今月のマキシマムカード

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テーマ: 御祝い

葉書: 京都便利堂

切手・特印: 天皇陛下御即位記念

お知らせ

★手紙やメールの書き方の基本について通信講座があります。

忙しい人でも自分のペースで学べます。

楽しく学んで手紙上手になりましょう!

入門講座 /通信講座「手紙の書き方講座」

ビジネスメール講座 /通信講座「仕事で差がつく!メール・文章の書き方講座」

美文字講座 /通信講座「仕事で差がつく!実用美字・美手紙講座」


★ 体験講座も有ります!

(社)手紙文化振興協会 体験講座スケジュール

プロフィール

田丸有子 (たまるゆうこ)

(社)手紙文化振興協会認定・手紙の書き方コンサルタント

子供の頃から「手紙魔」と呼ばれるほどの文通好き。でも手紙の何がそこまで自分を魅了するのか、深く考えたことはありませんでした。講座を受けて一番良かったことは、手紙が私の憧れを実現する手段であると気付いたことです。自分を表現することで人に喜んでもらいたい。叶えるために出来ることは何かずっと探してきました。その表現方法こそ私にとっての手紙であり、魅かれる理由なのだと気付いた瞬間、「やっと見つけた!」そんな気持ちになりました。

また、郵趣のコミュニティに参加したことで、手紙にも色々な楽しみ方が有ることを知りました。私が今夢中になっているのは、葉書と切手、消印をコーディネートするマキシマムカード。いかにセンス良く仕上げて個性を出すか、考えるだけでワクワクします。

奥深い手紙文化を通して自分の世界が広がっていく面白さを沢山の人たちと共有し、心を豊かにしていきたいです。

ブログ「Cordially yours

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