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【連載】『小粋な手紙箱』 #04 文章を考える

田丸有子

(社)手紙文化振興協会認定・手紙の書き方コンサルタントの田丸有子さんは、子どもの頃から「手紙魔」と呼ばれるほどの手紙好き。コンサルタントとして手紙文化を広めるために活動している田丸さんに、手紙の書き方のコツや手紙に関するトピックなどを毎月紹介してもらいます。

手紙で気持ちを伝えよう!

手紙の基本の5つのステップは…

  1. 紙を選ぶ
  2. 筆記具を選ぶ
  3. 文章を考える
  4. 手書きする
  5. 切手を貼る。

今回は3つ目の「文章を考える」についてお話しします。

手紙の文章の基本構成は、「挨拶 → 本文 → 結びの言葉」です。

文章を考えることは手紙が苦手な人にとっては一番難しく感じる部分かもしれません。相手が目の前にいて話しかけるとしたらどんな風に何を話すのか考えてみましょう。

心を伝えるという点で大事なことは、気の利いた一言より“等身大の言葉”であることをお忘れなく。

暑中見舞いを例に書いてみます。

葉書で書く場合はスペースが限られますので、3行から5行ぐらいでまとめましょう。

挨拶は決まり文句を使います。

本文は、相手の健康や近況を尋ね、自分の近況も一言書くようにします。ダラダラ書かずに一文で終わらせるのがコツです。

結びの句は、次につながる言葉、相手の健康を労わる一言などを書くと締まります。


(挨拶)暑中お見舞い申し上げます。

(本文)猛暑が続いていますが、お元気ですか?
 私は来月の北海道旅行を楽しみに忙しい毎日を送っています。

(結びの句)近々暑気払いにお誘いしますのでお会いできたら嬉しいです。
 お互い夏バテには気を付けて暑い季節を満喫しましょうね。


いかがでしたか?

次回はステップ4「手書きする」についてお話しします。

手紙トピック

夏の挨拶状を出す時期についておさらいしておきましょう。

暑中見舞い: 暑中とは二十四節気の「小暑から大暑の間」という意味です。暦に正確にならうと2017年は7月7日〜8月6日となりますが、ざっくり梅雨明けしてからお盆までと考えても良いでしょう。

残暑見舞い: 残暑は「立秋から白露までの間」という意味です。今年は8月7日〜9月6日までとなりますが、なるべく8月中に出すのが良いとされています。お盆過ぎたら残暑見舞いを8月中に出すと考えておけば間違いありません。

梅雨明けしていなくても猛暑日が続いたり、残暑も10月まで長引くこともありますから時期について頑なにこだわらず、相手の健康を気遣う手紙をさらっと書きたいですね。

今月のマキシマムカード

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猛暑お見舞い申し上げます。

みなさまに涼が届きますように。

お知らせ

手紙の書き方の基本について通信講座があります。

忙しい人でも自分のペースで学べます。

楽しく学んで手紙上手になりましょう!

手紙の書き方アドバイザーⓇ2級認定講座

体験講座も有ります!

(社)手紙文化振興協会 体験講座スケジュール

プロフィール

田丸有子 (たまるゆうこ)

(社)手紙文化振興協会認定・手紙の書き方コンサルタント

子供の頃から「手紙魔」と呼ばれるほどの文通好き。でも手紙の何がそこまで自分を魅了するのか、深く考えたことはありませんでした。講座を受けて一番良かったことは、手紙が私の憧れを実現する手段であると気付いたことです。自分を表現することで人に喜んでもらいたい。叶えるために出来ることは何かずっと探してきました。その表現方法こそ私にとっての手紙であり、魅かれる理由なのだと気付いた瞬間、「やっと見つけた!」そんな気持ちになりました。

また、郵趣のコミュニティに参加したことで、手紙にも色々な楽しみ方が有ることを知りました。私が今夢中になっているのは、葉書と切手、消印をコーディネートするマキシマムカード。いかにセンス良く仕上げて個性を出すか、考えるだけでワクワクします。

奥深い手紙文化を通して自分の世界が広がっていく面白さを沢山の人たちと共有し、心を豊かにしていきたいです。

ブログ「Cordially yours

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