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【連載】他故となおみのブンボーグ大作戦!Bootleg  #38 自分色のサインペンを作れる「Pen FAB.」に行ってきました

ふじいなおみ

30分間、文房具の話題だけをお送りするラジオ番組「他故となおみのブンボーグ大作戦!」のパーソナリティ「なおちゃん」こと、ふじいなおみです。

番組では毎週たくさんの文房具が登場します。その中から、他故さんとなおちゃん2人で選んだ商品をピックアップ。より掘り下げてご紹介していきます。

今回は、2024年5月5日OA のコーナー「なおちゃんの使ってみた」でご紹介した三菱鉛筆が運営するo-i STUDIO
で開催されているワークショップ「Pen FAB.」です。

o-i STUDIOとPen FAB.とは

o-i STUDIOは三菱鉛筆が創業150周年を迎えるにあたり策定した目標に向けて「商品を買っていただくだけでなく、その商品を使って『書く』こと『描く』ことで『表現体験』を提供する」べく作られた施設です。

photo1.jpgこの看板が入口の目印


そこでオープンと同時に始まったワークショップが「Pen FAB.」です。「Pen FAB.」は用意されたインクを好きな割合で混ぜ合わせて色を作り、気に入った3色を三菱鉛筆の水性サインペン「EMOTT」の軸に詰め込みオリジナルの色のペンを作り上げるというものです。私は、2024年4月12日 14:00〜15:30(初回開催日)に参加してきました。

4月は施設開放日(金曜・土曜のみ)のうち、オープン日(別イベントがおこなわれていました)を除いた1日1回開催。定員は1回2名です。予約開始して1日で9割が埋まったほど人気だったようです。
告知はo-i STUDIOのInstagramアカウントから行われるのですが、たまたま受付開始を知らせる投稿をすぐに発見したので今回、参加することができました。

参加費は1回3,300円。ワークショップでは3本のペンが作れます。

実際の開発者から教えてもらえるワークショップ

この日のワークショップの先生は、元々ボールペンインクを中心とした商品開発に携わっていた方でした。インク大好きななおちゃんにとっては一言も聞き逃せないような夢のような時間でした。

色を作るために用意されていたインクは次の9色(今後改良される可能性もあるそう)です。

photo2.jpg実際にEMOTTで使われているインクが瓶に入っています



・シアン(この色だけインクは存在するがペンの色としては商品化されていない)
・グリーン
・ブラウン
・オレンジ
・レモン
・バーミリオン
・フューシャ
・バイオレット
・ブルーブラック

まずはマイクロピペットの練習から

今までなおちゃんが体験してきたインクを混ぜて自分だけの色を作るイベントや商品は、簡易的なスポイトを使って何滴入れたかを記録して作るものばかりでした。でも、Pen FAB.は違いました。まずはマイクロピペットを使う練習を行います。

photo3.jpg

マイクロピペットと20数年ぶりに再会


マイクロピペットは化学実験で使う、かなり精度高く液体の量を測り取れる道具です。今回用意されていたのは200マイクロリットル(0.2mL)〜1000マイクロリットル(=1.0mL)まで測ることが可能なもの。なおちゃんは大学の化学実験で使用したことがありますが、三菱鉛筆の研究室でも実際にも使われている道具とのことです。ここでなおちゃんの理系魂(大学卒業からもう20年以上経過……)が目覚めました。

photo4.jpg

o-i STUDIO提供 マイクロピペット先端の青い筒が「ピペットチップ」です

マイクロピペットを使う時にはまず、先端に筒(ピペットチップというそうです)を取り付けます。この筒の中に液体を吸い込み、ビーカーに移して混ぜて色を作っていきます。

マイクロピペットには吸い込みたい量を指定する数字が表示されていて、ダイヤルを回すことで変えられます。数字を合わせたらピペットのお尻のパーツをプッシュして、そのままインクの中に先端をしっかり入れます。そして静かに指を離していくと指定した量の液体が筒に吸い込まれていきます。

ちなみに筒は基本的に一度で使い捨てです。「もったいない」と感じるかもしれませんが、1回液体を吸った筒は壁面に微量のインクが残ってしまいます。同じインクだとしても2回、3回とそのまま使用すると正確さが担保できなくなってしまうのです。なので、同じ色でも何度も吸う必要がある時には新しい筒にするのです。こんなに本格的な研究体験ができるとは!!テンションが上がりました!

ちなみにマイクロピペットは便利な道具なのですが、使い方を間違えるとインクが飛び散ったり、ピペット内部にインクが入ってしまったり(そうなると掃除するのがとても大変)なので、初めは水を使ってしっかりと練習します。

色作りスタート

マイクロピペットの使い方に自信が持てたら、色作りをスタート。自分が使いたいインクをマイクロピペットで吸って、混ぜるために用意された30mLのビーカーに移していきます。2色目を入れた以降は先端に綿がついた棒でかき混ぜ、試し書きをするという繰り返しです。「こんな色にしたい」とイメージがあっても、なかなか思ったようにはいきません。

photo5.jpgビーカーがかわいいのです

「かわいらしい色を」と思って入れた色が、全く違う方向に発色する場合もあり、1からやり直すこともありました。
photo6.jpg

色を作る過程はこんな感じでした

毎回、どの色をどのくらい入れたかをメモしながら色を作っていき、決まったら先生にビーカーごと渡します。EMOTTは中綿式の水性顔料インクで、一本を作るために最低限必要になるインクの量が決まっているので多すぎず、少なすぎず作っていきました。

最後は先生がシリンジを使って中綿にインクを詰めるのですが、その際も0.01gの単位まで測れるはかりを用いて、誤差はほぼ許されないという条件で厳密に測りとり、中綿に刺して注入をしていました。

そして完成へ

混ぜるのはおおよそ3色まで。
「本当にくすんだ色を作りたいのであればそれ以上混ぜても良いかもしれないが、3色以内にした方が無難」と最初にアドバイスがありました(これは別のインク調合ワークショップでも言われたことがあります)

残すは仕上げの工程です。まず、尾栓をしめて中綿を封じ込めます。次に、作った色に合わせてカラーパーツを40色から選んでこちらも取り付けていただきました。これで3本のペンが完成です。1時間半があっという間に過ぎていました。

photo7.jpg完成したところを記念にぱしゃり


ちなみにPen FAB.で使うインクは洋服に飛ぶといくら洗っても取れないそうです。汚れてもいい服、または用意してある白衣を着て作業をするのがおすすめです(ちなみに白衣を着るとそれだけで気分が上がります)。

ここでしかもらえないスペシャルな軸!

ここはPen FAB.で作ったぞ!という特別感が欲しいですよね!

photo8.jpg「made in o-i STUDIO」がかっこいい!


軸にはPen FAB.で作ったEMOTTにしか施されない、「made in o-i STUDIO」の文字が入っています。「今度はこんな色が作りたいな」そんな話を一緒に受講した方と話しながら和気藹々とした雰囲気でワークショップを終えました。

イベント詳細

参加費:3,300円
場 所:東京都品川区東大井5丁目22−5 オブリ・ユニビル1階(各線大井町駅から徒歩3分)
定 員:2名

申し込み開始のお知らせはo-i STUDIOのinstagramのアカウント(https://www.instagram.com/oi_studio_official/)から発信されます。

ブンボーグ大作戦!こぼれ話

「他故となおみのブンボーグ大作戦!」トークライブ「ラジブン4」開催決定です。

photo9.jpg今年は7月に開催です


7月13日土曜日、昼12時30分スタートです。
今回も会場での生観覧とツイキャスを使ったリモート観覧で文房具の話をみっちり3時間お送りいたします。

今回のゲストは、祝・イロブン25周年ということで、イロブン(色物文具)コレクターで文房具ライターのきだてたくさんをお招きします!!

チケットは3種類からお選びください
[配信観覧チケット] 2,500円
・ツイキャスにて2週間何度もライブを見ることができます

[サンプル付き配信観覧チケット] 限定30枚 3,000円
・ツイキャスにて2週間何度もライブを見ることができます
・後日、協賛企業からご提供いただきましたサンプル商品福袋を郵送します

[会場観覧チケット] 限定10枚 6,000円
・当日、配信会場(東京・四谷三丁目)でトークライブを生で観覧できます
・当日おもしろい文房具を持ってきていただいた方にはライブに出演してもらうかも??
・ライブ終了後、お片付けをしてそのまま二次会開始(きだてさん手作りのパーティー料理+ノンアルコールドリンク)
・ツイキャスにて2週間何度もライブを見ることができます
・後日、協賛企業からご提供いただきましたサンプル商品福袋を郵送します

チケットは6月10日19時発売開始です。
ツイキャスのプレミア配信(https://twitcasting.tv/shop.php)の検索画面で「ラジブン4」と検索してくださいね!

プロフィール

【ふじいなおみ】
1979年北海道札幌市生まれ。ラジオパーソナリティ/文房具プレゼンター
ナナコライブリーエフエムで放送中のラジオ番組「他故となおみのブンボーグ大作戦!」のパーソナリティ及び制作・技術を担当。万年筆インク(中でもご当地インク)コレクター。
他故壁氏さんとユニット「たこなお文具情報室」として、文房具の楽しさを伝える活動を行っている。
2015年生まれの娘とともに知育・学童文具を使用しているため、リアルな声を届けられる数少ない存在である。
そして、きだてたくさんと色物文具をひたすら紹介する動画コンテンツ「イロブンの引き出し開けていこう」もYouTubeにて配信中。

【他故となおみのブンボーグ大作戦!】
埼玉県朝霞市のコミュニティFM「ナナコライブリーエフエム」にて放送中の30分間文房具の話題だけをお送りするラジオ番組。
パーソナリティーは他故壁氏&ふじいなおみ。
放送時間は毎週日曜日19:30~20:00/毎週水曜日 11:30~12:00(再放送)
FMラジオ77.5MHz(埼玉県朝霞市・志木市・新座市・和光市とその周辺地域)の他、パソコンやスマートフォンではListenRadioのサービスを利用すると気軽に聴くことができます。

詳しい聴き方は番組Webページへ
https://daisakusen.net/howto/

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