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【連載】『小粋な手紙箱』 #83・手紙のフリーペーパー

田丸有子

(社)手紙文化振興協会認定・手紙の書き方コンサルタントの田丸有子さんは、子どもの頃から「手紙魔」と呼ばれるほどの手紙好き。コンサルタントとして手紙文化を広めるために活動している田丸さんに、手紙の書き方のコツや手紙に関するトピックなどを毎月紹介してもらいます。

手紙で気持ちを伝えよう!

こんにちは。太陽の光を集めたような福寿草の黄金色に、来る季節への期待を感じてワクワクする今日このごろ、お変わりなくお過ごしでしょうか。

先日、友人からの手紙に2種類の冊子が同封されていました。日本郵便が民営化される前の時代、郵便局に置かれていたフリーペーパーで、タイトルは「手紙讃歌」と「かしこ」です。写真を見て懐かしさを覚える方もいらっしゃるかもしれませんね。

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「手紙讃歌」は絵手紙など手紙の楽しみ方をたくさんのカラー写真と共に紹介しており、「かしこ」は書き方やマナーをていねいに解説しています。どちらも手紙を書くことの喜びや魅力がよく伝わってくる内容で、手紙は「豊かな心のふれあい」であり「人の心を繋ぐもの」と書かれています。

興味深い文通体験談も掲載されています。気の合う仲間と1日1通と決めて、必ず絵手紙を書き送る人や、将来は海外のペンフレンドを訪ねて旅したいと夢見ながら文通を楽しんでいる方、将棋の一手をはがきや手紙で送り合い、勝負がつくのは1年後という気の長い交流をなさっている方などが紹介されていました。継続は力なり。それは文通にも当てはまるようです。続けることで相手への思いが深まり、視野が広がり、心が豊かになっていくのを実感するのですね。

現役の、手紙をテーマにしたフリーペーパーといえば、季刊誌「ふみぶみ」があります。第一号から読んでいますが、号を重ねるごとに情報豊かに内容も濃くなっています。一般的には手紙は書かなくなっていると認識されているでしょうけれど、手紙を書くことを心から楽しんでいる人々がいるのも事実。現役のフリーペーパーと一昔前のフリーペーパーのどちらも読めば、手紙には色褪せない普遍の魅力があり、時代が変わってもそれを楽しむ人々がいると改めて思い知らされます。私も手紙文化の魅力にあらがえず、夢中になっている一人。それを誇らしく思います。

手紙トピック

2月10日は「ふう(2)とう(10)」の語呂合わせから「封筒の日」だそうです。封筒文化、手紙文化の良さを改めて知ってもらい身近に感じてもらうことを目的として制定された日とのこと。手紙には欠かせない封筒ですが、地味に脇役の位置付けで私自身もこれといって注目してこなかった気がしています。

10代の頃、自分の名前と住所が英文で印刷されたカラフルな封筒を贈り物としていただいたことがあります。当時の文通相手に嬉々として惜しげもなく使った記憶がありますが、今思えば本当に贅沢なものでした。 “使ってこそなんぼ”だと思うので後悔はしていませんが、今の私なら記念に数枚ぐらいは取っておくかもしれません。

いつか自分自身で、活版印刷や箔押しされた名前入りのかっこいいオリジナル封筒を注文して作り、ここぞというときの大切な手紙に使うという夢があります。そのいつかはいつ来るのでしょうか。大人になっても「まだよ」となぜか思い続けています。「封筒の日」にそんな夢を抱いていたことを思い出したのでした。

今月のマキシマムカード

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テーマ: 梅の香
切手:おもてなしの花シリーズ 第2集
郵便創業100年記念
風景印: 太宰府郵便局

お知らせ

★手紙やメールの書き方の基本について通信講座があります。
忙しい人でも自分のペースで学べます。
楽しく学んで手紙上手になりましょう!

入門講座 /通信講座「手紙の書き方講座」
ビジネスメール講座 /通信講座「仕事で差がつく!メール・文章の書き方講座」
美文字講座 /通信講座「仕事で差がつく!実用美字・美手紙講座」


★ 体験講座も有ります!
月に一度、オンラインで手紙の書き方講座を開催中。
みなさまのお申し込み、心よりお待ちしています!

(社)手紙文化振興協会 体験講座スケジュール

プロフィール

田丸有子(たまるゆうこ)

(社)手紙文化振興協会認定・手紙の書き方コンサルタント

子供の頃から「手紙魔」と呼ばれるほどの文通好き。でも手紙の何がそこまで自分を魅了するのか、深く考えたことはありませんでした。講座を受けて一番良かったことは、手紙が私の憧れを実現する手段であると気付いたことです。自分を表現することで人に喜んでもらいたい。叶えるために出来ることは何かずっと探してきました。その表現方法こそ私にとっての手紙であり、魅かれる理由なのだと気付いた瞬間、「やっと見つけた!」そんな気持ちになりました。

また、郵趣のコミュニティに参加したことで、手紙にも色々な楽しみ方が有ることを知りました。私が今夢中になっているのは、葉書と切手、消印をコーディネートするマキシマムカード。いかにセンス良く仕上げて個性を出すか、考えるだけでワクワクします。

奥深い手紙文化を通して自分の世界が広がっていく面白さを沢山の人たちと共有し、心を豊かにしていきたいです。

ブログ「手紙魔Yukoのお手紙ライフ
You Tube「手紙魔Yukoのお手紙ライフ

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