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【連載】月刊ブング・ジャム Vol.79 ブング・ジャムがおすすめする引っ越し便利文具 その3

文具のとびら編集部

本サイト編集長の文具王・高畑正幸さん、イロモノ文具コレクター・きだてたくさん、ブンボーグA・他故壁氏さんの3人による文具トークライブユニット「ブング・ジャム」が、気になる最新文房具を独自の視点から切り込んでいく「月刊ブング・ジャム」。今回は、引っ越しの際に便利な文房具をブング・ジャムのみなさんに紹介してもらいました。

第3回目は、高畑編集長おすすめの「メモックロールテープ&Vスーパーカラー」です。

写真左から高畑編集長、他故さん、きだてさん*2023年6月3日撮影
*鼎談は2023年10月3日にリモートで行われました。

シンデレラフィットをお試しあれ!

――最後は、高畑編集長です。

【高畑】ヤマトのロールふせん「メモックロールテープ」と、パイロットの「Vスーパーカラー」なんですけど、これがジョイントするのにちょうどいいんですよ。

文具王 2.jpgメモックロールテープ」(ヤマト)、「Vスーパーカラー」(パイロット/マーカー本体は生産終了商品です

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【きだて】ははは、いきなり合体させやがった(笑)。

【他故】ジョイント?

【高畑】はめるとこの状態になるんですよ。これずっと家に置いてあるんですけど。ラベリングが大事っていうのは、さっきの他故さんと全く同じ話なんだけど、一時的に箱を使うのね。ダイソーで今300円ぐらいで小っちゃい折りコンみたいなケースを売ってるけど、ああいうのを使ったりとか、もちろん段ボールもあるんだけど、とにかく何を入れたか分からなくなるので。引っ越さなくても、1回開けた段ボールには何が入っているというのを書くというのをやってるんですね。プラケースなんかだと、テプラなんかでラベル貼ったりもするんだけど、それをやるよりも前の段階で、とりあえずっていうところで名前を書く。このとりあえずをやらないと、開けてみて「違う、これじゃない」といってまた違う箱を開けるっていうのが結構あるんだよね。それこそ、紹介用のサンプルとかあるじゃないですか。ああいうので送られてきた段ボールが三つ、四つあると「何が入ってたっけ?」ってまずなるんだよね。

【きだて】うん、絶対になるね。

【高畑】そこから始まっちゃうのでね。それが嫌なので、段ボールをなるべく捨てるようにはしてるんだけど。あと組み立てたり潰したりできるんで、プラスチックの折りコンを使うんだけど、これも折りコンを重ねちゃうと、もうどの折りコンに入れたのかが分かんないので。

【きだて】うん。

【高畑】例えば、「紙博行ってきました」っていったら、「紙博」っていうのを貼っておいて、とりあえず買ってきたやつとかその時のチケットとかを一旦そこにザーッて全部出して、中身を整理したらそれをまたたたむっていうサイクルなのね。なので、外から見づらいので、そこに書かないといけないというのがあって。ずっと長く使うものだったら、もちろんテプラでいいんだけど、一時的なものとか、段ボールで誰かに送るものとかを詰めてる途中とかで、その段ボールに誰々に送る用って書いて置いておかないと、送る前にもう一回開けて見みるみたいになるので。

【きだて】あるある。

【他故】「何だっけ?」みたいな(笑)。

【高畑】「何だっけ?」ってなるんだよね。きだてさんも僕もそうですけど、物の数が増えてくると、覚えてるつもりが、今日・明日だったらまだいいんだけど、来週までにこの箱の中に、例えば文具マーケット行きのやつを詰めといて後で出そうみたいな、半開き段ボールみたいなのを作ったりするじゃん。そういうのをやってると、「これ何だっけ?」って一瞬考えるんだけど、これがやっぱり嫌で。自分が覚えるの苦手なので、すぐに「何だっけ?」ってちょっと開けているので、とにかくこういうの貼るっていうのが必要なんだけど。そのときに、目立つラベルに書く。段ボールも再利用したりするから、直にに書きたくないっていうのと、あと目立つ色で貼りたいっていうのがあって、その目立つ色のロールテープを使う。割と長く書くことがあるじゃん。「文具女子博〇〇の2023年〇〇」みたいなのをベタッと貼っておくとか。「2024年手帳」とかいうのを書いたりするのに、このぐらい長さが欲しいときが多くて。なので、ロール付箋がいいんだけど、ちょうどいいロール付箋ってあんまりないなって。手頃なロール付箋って案外ないんだよ。強さの面でもそうなんだけど、ちょうどいいものが。まあ、最近になって3Mが出したりしてるんだけど、この間までは「メモックロールテープ」ぐらいしかなくて。

【きだて】「メモックロールテープ」、意外と言ったらあれだけど、わりとあちこちで入手しやすいんだよね。

【高畑】おしゃれで小っちゃいやつもあるんだけど、幅は狭いので。なので、僕はもうこのタイプを使ってる。本当はこのケースももうちょっとがっちりしたやつが欲しいんだけど。それで、「Vスーパーカラー」でずっと書いてたんだけど、ある日「おや?」っと思って挿してみたら、グイってはまるんだよ。土牛と一緒で、上へ引っ張るとキャップは抜けずにペンだけ抜けるのよ。

【他故】ははは(笑)。

【高畑】これでドンッて置いとくと、立っててくれるじゃん。だから、これも見失わないために。ペンを横置きにすると見つからなくなるんだけど。こうやって立っててくれると、割と目立つんだよね。

【他故】面白い、本当だ(笑)。

【高畑】結構入るでしょ。ギュッて押し込むとキャップが固定されるんだよ。

【他故】うん。

【きだて】俺も試したいのに~、どこかにあるはずなのに~。

――まだダンボールの中に眠ってるわけですね(笑)。

【高畑】これね、いわゆるシンデレラフィットってやつ。たまたまなんだけど、ギュッと押し込んだら上手くはまったので、これがちょうどよくてこの状態で使ってる。

――ガラスの靴みたいな。

【他故】これ、めちゃめちゃ良い。

【高畑】これを置いておくと目立つし、別に危なくもないので、ずっと置いておくのにちょうどいい。何なら、ペンに替えテープをはめておいてもいいし、案外便利なんだよ。もちろん、大掛かりな引っ越しだとこれじゃ追い付かないので、他故さんみたいなラベルを使ったりとか、きだてさんみたいに段ボールに養生テープを貼ってみてもいいし。そのときに、「ペンなくならない問題」というのは、立てておくと案外いい。

【他故】うん。

【高畑】僕が「Vスーパーカラー」を好きなのは、カスレてきたらインクタンクを直で換えられるから。僕は中綿が嫌いなんだよ。中綿って、替え時が見えづらいじゃない。

【他故】ああ、まあね。

【高畑】ちょっとカスレてきたけど、捨てるのは惜しいみたいな時期があって、迷うのが嫌なので。「Vスーパーカラー」は、インクがなくなったら、ガチャッとはめてそのまま書けるし、ペン先も交換できるからね。なので、「Vスーパーカラー」をいつも使っているので、この状態でセットで使っております。

【他故】セットでね。

【高畑】書くものと書かれるものはやっぱり両方必要なので。

【きだて】25㎜幅のロールテープって、それもまた100均で買えるんだよね。

【高畑】あーそうなんだ。

【きだて】調達が楽なのはまずいいことだし。引っ越し中に調達が楽かどうかって、結構でかいんだよね。

【他故】そうか。

【きだて】文房具屋さんでも、規模によって売ってる、売ってないがあるんだけど、地方に行っても100均はやっぱりちゃんとそこそこ広い面積で文房具を売ってるんだよね。

【高畑】でも、100均のグレードにもよるから、大きめの100均があると大体ある。むしろ地方に行った方がある。

【きだて】そうそう。

【高畑】うちの近所だと、そんなに広くなかったりするから、目当てのものがあったりなかったりするんだけどね。まあでも、当然使ってたら中身がなくなるので、替えが必要っていうのはあるよね。今は別に段ボールは閉じてないから、家にはこれの予備も普通にあるので、入れ替えはできるんだけど。引っ越しの時とかだったら、「メモックロールテープ」の全部幅のがあるじゃん。それでもいいかなと思うんだけど。

【他故】うん、そうね。

【高畑】全部の幅だと50㎜だっけ? 50㎜だとちょっと大きいので、今は25㎜でやってるけど。

【きだて】引っ越し中でも25㎜でいいと思うよ。それぐらいあれば目印に十分だよ。

【高畑】この25だとね、引き出しとかにも貼れたりするんで、「とりあえずこれ入れよう」って決めたときに、差し当たり貼っておくみたいな。

【他故】はいはい、仮でね。

【高畑】目立つので、分かるじゃない。そういう意味では、引き出しの中身が落ち着いたらもう迷わずそこに入れられるんだけど、決まるまでの間ってあるじゃん。「ここに薬入れよう」とか、「ここははさみ類を入れよう」とか決めたりして、とりあえず貼っておくっていうのは結構大事かなと思ってるので。

【きだて】自分の記憶は絶対当てにならないけど、その当時に自分の書いたものは最低限信じられるじゃん。

【他故】それはそうだね。

【高畑】目印で書いてあると、わりかしそこに物を入れるようになるじゃん。すごく記憶力のある人だと、真っ白の箱とかが並んでる収納とかやっぱ憧れるんだけど、自分には向いてないなってずっと思っていて。

【他故】分かる分かる、うん。そんな中身の見えないものが並んでたってしょうがないよ(笑)。

【高畑】ナンバーとかがちゃんと書いてあってさ。それこそ昔の佐藤可士和のオフィスには、「バンカーズボックス」がズラッと並んでたりするじゃない。僕はあれ全然無理で、そこははっきり書かないとダメな人なので、こういうの頼らないとダメ。とにかくね、ラベルを貼るっていうことに関しては、極端に貼ることが多いので、こういうのはいつでも使えるようにしておくのがいいなということで、シンデレラフィットを皆さんもお試しください。

【きだて】試したいけど…、どこに入ってるのかな(苦笑)。

【他故】めっちゃいいぞ、これ(笑)。

【高畑】たまたまなんだけど、こうやって入れてはまった瞬間のさ、「おっ」ていうのがさ。

【他故】これ、気持ちいい(笑)。

【きだて】そうか、「Vスーパーカラー」はキャップが途中から太くなってるやつだから、上手くはまるんだ。

【高畑】そうなんだよ、ここの段差がちょうど引っかかるんだよ。だから、これ以上入ることもないんだよ。これを発見したときの喜びっていうのがさ。

【きだて】分かる。

【高畑】なので、こういうのがあると、自分の家の定番グッズとしてずっと置いておけるので、これはなかなか良かったなと思う。

――「メモックロールテープ」は紙のやつですか?

【高畑】紙のやつです。紙のやつがペンとの相性がいいので、フィルムのやつだと透けたりもするし。ペンで書いても、乾くまでに擦れたりとかすると汚れるので、普通に紙でいいかなと。

【他故】やっぱ紙がいいですね。

【高畑】粘着力もまあまあ強いので。

【きだて】普通に貼る分にはやっぱりちょっと不安なんだけど、段ボールに貼るとちょうどいいよね。

【高畑】仮だから、これでいいかなっていう感じだね。本当にやりたかったら、もうちょっとちゃんとしたラベルを作ったりもするんだけど。でも、仮で作るのにはすごくいいし、ファイルとかにもとりあえず貼るみたいなのにも使えるので。そういうのにもいいよねって思うので、とにかく何でも名前書けばなくさないから。

【他故】何でも書く(笑)。

【高畑】何にでもとにかく名前を書く。ファイルの背表紙にも全部書くし。ファイルの背表紙っていきなり本チャンで書くのちょっと怖いから。

【他故】分かる。

【高畑】途中で中身変わったりするから。だから、そういう意味では、こういうラベルをとりあえず貼っとくっというのは、もうめっちゃ大事なので。「とにかくラベル貼れ」っていうのは、まあ僕としてはおすすめかな。

【きだて・他故】大事。

【高畑】多分、きだてさんはこれだけやってても、「どこへ行ったか分からなくなる問題」は、いくつかは出てくるはずなんだよ。

【きだて】それは自信あるよ。絶対発生するよ。

【高畑】何か出てくるよね。詰める時には分かってて、「ここに入れた」って覚えてたはずなのに、どこを探しても見つからないっていうのは出てくるよね。

【きだて】何なら本当にそれは発生してて、「工具入れが見つかんない」ってさっきちょっと言ったけど。

【高畑】工具入れが見つからないっていうのは、しんどいね。

【きだて】しんどいよ。一応サブの工具入れが見つかったから、それでなんとかしのいでるんだけど。ウォータープライヤーとかああいう大物の工具入れてる方の工具箱が見つかんないので、水回りができない。

【他故】ああそうか、水回りは辛いなあ。

【きだて】かといって、これで今買っちゃうのは負けじゃん。

【他故】絶対あるものを買うのは嫌だね。

【高畑】ウォータープライヤー2個とかは嫌だね。それで買ってきたら見つかったりするんだよね。

【きだて】絶対そうじゃん。だから、もうちょっとしっかりラベリングしておけばよかったっていうのもあるしね。

【高畑】悪魔と契約したら、段ボールの中身がすぐにどれでも分かるってなると、ちょっと寿命を削っていいよね。

【きだて】正直、今なら寿命5年削ってもいい。

【他故】ははは(笑)。

―― 大きく出たな(笑)。

【きだて】今はそれぐらい必要。本当に色々と困ってるから。

【高畑】段ボールに入れたはずのものが見つからないっていう問題を、とにかく避けるのが重要だね。結局そういう話になったな。

【きだて】結局、他故さんも文具王もそういう話だったね。

【他故】結果的にそうなっちゃったね。

【高畑】引っ越しで何に困ったかなと思ったら、物が見つかんなくなる問題が一番しんどかったなって思う。実際に、引っ越した後で見つからなかったものって結構あるんだよね。それも何年もした後に、「何だ、ここにあったのかよ」みたいな見つかり方をするじゃない。それがあったりするので、梱包で壊れたとかっていう問題よりも、見つからない問題の方が全然頻発するし。

【きだて】それを思って、すぐに必要なものは別に取り分けて梱包したりとかしてたんだけどね。

【他故】それでもダメだったんだね。

【きだて】やっぱりラベリングをもっと徹底的にしておくべきだったっていうのは、今回痛感した。いやまぁ前の引っ越しでも痛感した気がするんだけども。

【高畑】何回やっても、やっぱりそういうのは出てくるので、まあそれをちょっとでも楽にしておくっていうのは大事だよね。まあ、僕もいつか引っ越すのかどうなのか、ちょっと分からないですけれども。でも、きだてさんの話を聞くと、それはそれでしんどいなと思いながら、ちょっと怖くなっている感じではあるけど。とは言いながらもね、新天地に行くのもそうだし、部屋が広くなるのも、やっぱりうらやましい気がするね。

【きだて】いや、ここいいよ。

【高畑】新たな城を築くところは楽しまないとさ。

【他故】楽しみだよ。

【きだて】構築していくよ。

【高畑】きだてさんがどういうレイアウトにするのか、個人的に興味があるので、ぜひそういう記事が読みたいね。

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プロフィール

高畑 正幸(たかばたけ まさゆき)
文具のとびら編集長。学生時代に「究極の文房具カタログ」を自費出版。「TVチャンピオン」(テレビ東京系列)の「文房具通選手権」では、3連覇を達成した。サンスター文具に入社し商品企画を担当。現在は同社とプロ契約を結び、個人活動も開始。弊社が運営する文房具のWebマガジン「文具のとびら」の編集長も務めている。著書は『究極の文房具カタログ―マストアイテム編―』(ロコモーションパブリッシング)、『究極の文房具ハック』(河出書房新社)、『そこまでやるか! 文具王高畑正幸の最強アイテム完全批評』(日経BP社)、『文具王 高畑正幸セレクション 一度は訪れたい文具店&イチ押し文具』(監修/玄光社)、『究極の文房具カタログ』(河出書房新社)、『文房具語辞典』(誠文堂新光社)と、翻訳を手がけた絵本『えんぴつとケシゴム』(KADOKAWA)。
https://bungu-o.com/


きだて たく

小学生の時に「学校に持っていっても怒られないおもちゃ」を求めて、遊べる文房具・珍妙なギミックの付いた文房具に行き当たる。以降、とにかく馬鹿馬鹿しいモノばかり探し続けているうちに集まった文房具を「色物文具=イロブン」と称してサイトで公開。世界一のイロブンコレクターとして文房具のダメさ加減をも愛する楽しみ方を布教している。著書に『イロブン 色物文具マニアックス』(ロコモーションパブリッシング)、『愛しの駄文具』(飛鳥新社)など。
色物文具専門サイト【イロブン】http://www.irobun.com/

他故 壁氏(たこ かべうじ)
文房具トークユニット〈ブング・ジャム〉のツッコミ担当。文房具マニアではあるが蒐集家ではないので、博物館を作るほどの文房具は持ち合わせていない。好きなジャンルは筆記具全般、5×3カードとA5サイズノート。二児の父親。使わない文房具を子供たちに譲るのが得意。ラジオ番組「他故となおみのブンボーグ大作戦!」が好評放送中。ラジオで共演しているふじいなおみさんとのユニット「たこなお文具堂」の著書『文房具屋さん大賞PRESENTS こども文房具 2022』が発売中。
たこぶろぐhttp://powertac.blog.shinobi.jp/

「ブング・ジャムの文具放談・完全収録版~2022年Bun2大賞を斬る!~」〈前編・後編〉をコンテンツプラットフォームnoteで公開中。

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