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【コレ買いました!】インクが映える透明ボディの台湾万年筆「ツイスビー エコ」

北澤孝之(Bun2編集長)

日本の文具シーンにおける“台湾”の存在感が年々大きくなってきている。特に、“インク沼”の住人ならば強くそれを感じているに違いない。万年筆やガラスペン、インク等で台湾発の商品を目にする機会が増えてきたと感じるのは筆者だけではないだろう。

そんな台湾発の代表的なブランドの一つに「TWSBI(ツイスビー)」がある。ツイスビーの万年筆の特徴は、万年筆本体に直接インクを吸入するという“吸入式“を採用し、ボディがスケルトンになっていること。要するにインク沼の住人御用達みたいな万年筆なのだ。筆者もずっと気になっていたのだが、今回ようやく購入に至ったのでご紹介したい。

購入したのはスタンダードモデルの「ツイスビー エコ」。どちらかというと高額な万年筆でよく見られる吸入式を採用した本格仕様の万年筆にもかかわらず、定価で税込5,500円というリーズナブルな価格が魅力だ。軸はどれも透明だが、キャップと尻軸がカラーになったモデルがあり、カラーバリエーションも豊富だが、今回は全身無色透明な「クリア」を購入した。

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ケースを開けると、万年筆本体とお手入れ用のツールとして、万年筆を分解する際に使う専用工具とグリスが同梱されていた。工具がセットされている万年筆はかなり珍しいが、いろんな種類のインクを頻繁に入れ替えて使いたいというインク沼の住人には、自分で分解清掃できる万年筆はなかなかに魅力的ではないだろうか。

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万年筆のクリップに「アルコールで拭いたらダメよ」という注意書きがはさんであった。今のご時世を反映してのことだろうか。

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5,000円という価格を考えると、さすがにペン先は金ペンではないし、ラグジュアリー感はないけれど、実際に手にしてみると、チープさは一切感じられない。むしろ、この値段で吸入式の本格的な万年筆が手に入るということが信じられなくもある。ボディの透明度も高くて、これにインクを入れるのがもったいないと、つい思ってしまったほどだ。

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全身無色透明だが、キャップの天冠には朱色がかった鮮やかな赤色でブランドマークを入れているのが目を引く。ペン先にもマークが入っている。ちなみに、ペン先の太さは中太のMニブを選んだ。

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インクを入れて使う前に、先述の工具を使って試しに万年筆を分解してみた。分解方法組立方法は動画で説明しているので、初めての人は絶対にこの動画を見てから作業してほしい。簡単そうに見えるけど、実際にやってみて意外と難しいと感じた(特に組立作業)。

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では、インクを吸入して使ってみよう。何のインクがいいかしばらく悩んだが、グリーン系のインクを使いたかったので、ラミー「クリスタルインク」のペリドットというダークグリーンのインクを選んだ。


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いざインクを吸入! なんだか、ちょっとドキドキする。

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こういう透明ボディの万年筆には、ライトな色合いのインクを入れた方が“映える”とは思うが、ダーク系のインクでもボディをちょっと傾けてみると、インク色がほのかに見える。スケルトン万年筆を使っていて至福を感じる瞬間でもある。

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スチールペン先だが、カチッとしたハードさはなく、しなるような感触もあって「万年筆で書いているぞ」という感覚が強く感じられる書き味だ。字幅がMということもあると思うが、インクフローも良好でスラスラ書ける。

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5,000円クラスでこれだけ本格的な万年筆の感覚を味わえるというのはすごいなと感心した。万年筆ファンなら試してみる価値はアリだ。「吸入式万年筆はまだ使ったことがない」というビギナーの人にもおすすめできると思う。

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