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【文具時評】シャープペン最新事情 2019年版

北澤孝之(Bun2編集長)

“折れない”や“細書き”などのトレンドを生み出してきたシャープペンシル。2019年にも話題となったシャープペンシルが相次いで登場し、注目を集めている。そこで、2019年に発売された気になるシャープペンシルをピックアップして紹介してみた。

デルガード+2C(ゼブラ)


ゼブラの折れないシャープペン「デルガード」(芯径0.5㎜)に、ボールペン2色(エマルジョンインクの黒+赤)を追加した初の多機能シャープペン「デルガード+2C」(各税抜1,200円)が2019年1月21日に発売された。

多機能ペンに、芯折れを防ぐデルガードシステムを採用するため、同システムを体積比で約26分の1にあたる全長41mm×直径4mmの小型化に成功。およそ3年6カ月かけて極小デルガードシステムを完成させている。

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鉛筆シャープTypeMシリーズ(コクヨ)


鉛筆のようになめらかな書き心地で折れにくいコクヨの太芯シャープペンシル「鉛筆シャープ」の上位モデル「鉛筆シャープTypeMシリーズ」が2019年2月27日に発売された。

落ち着いたダークトーンのボディに金属クリップの光沢が際立つ上質なデザインで、ビジネスシーンにぴったり。バリエーションは、メタルグリップを採用したことで、低重心で安定した書き心地を実現した「鉛筆シャープTypeMx」(写真上、税抜1,000円)と、すべりにくくフィット感のあるラバーグリップを採用した「鉛筆シャープTypeM」(写真下、同550円)の2つのタイプで、それぞれ0.7㎜、0.9㎜、1.3㎜の3タイプの芯径をラインアップしている。
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スマッシュ0.3㎜(ぺんてる)


シャープペンブームの火付け役となったぺんてるの「スマッシュ」は、1987年に発売されたロングセラーのシャープペンシル。イマドキの最新の機能を搭載したシャープペンシルがひしめき合う中で、30年以上前に発売されたシャープペンシルが未だに中高生の心を捉え続けているのである。

「スマッシュ」の細書き0.3㎜が復刻され、2019年3月23日に発売された。0.3㎜は過去に廃番となっていて、0.5㎜のみのラインアップとなっていたが、中高生からの多くのリクエストを受けて再発売された。 もちろん、安定した書き心地が続くペン先(口金)と一体化したグリップ、しっかり握れるラバー付きグリップ、書いている文字が見やすいプロ仕様の4㎜パイプといった特徴は変わらない。価格は税抜1,000円。

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2020(パイロットコーポレーション)


ペンを振るだけで簡単に芯を送り出すことができる“フレフレ機構”は、「ドクターグリップ」シリーズなど、パイロットコーポレーションの代表的なシャープペンシルに搭載されている同社独自の機構だが、「2020(フレフレ)」はパイロットが1978年に初めて開発したフレフレ機構を搭載したシャープペンシルになる。

その「2020」が現代によみがえり、2019年8月8日に発売された。芯径は0.5㎜(ボディ5色)と0.3㎜(ボディ3色)の2種類。価格は税抜800円。フレフレ機構のほか、筆記時の手元が見やすく携帯時には先端を収納できるガイドパイプスライド機構と、しっかり挟める金属製のクリップを採用。また、大型イベントが控える2020年に向け、ボディには「2020」のロゴをデザインしているのもポイント。

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マイティグリップ(ゼブラ)

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ゼブラが2019年11月14日に発売した「マイティグリップ」(0.5㎜)は、グリップを巻いて完成させる異色のシャープペンシル。グリップバンド1枚入り税抜600円。専用グリップバンドも別売で用意している(税抜150円)。

ドライタイプとウェットタイプといった触り心地の異なる2種類のグリップから好みのものを選び、好きな太さや柔らかさを自分で調節しながら巻くことで、自分の手のタイプに合わせて使うことができる。テニスラケットのグリップテープのような、自分で調整して力を発揮できるアイテムから着想を得たそうだ。

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ドクターグリップ エース(パイロットコーポレーション)

ドクグリA1.jpgパイロットコーポレーションの「ドクターグリップ エース」(税抜800円)は、勉強をサポートする機能を満載した「ドクターグリップ」シャープペンシルの新アイテムとして、2019年11月10日に発売された。

ドクターグリップの大きな特長である、長時間筆記時の疲れを軽減するフィット感のあるシリコーンラバーグリップを搭載しているほか、「モーグルエアー」に搭載している、筆圧によってペン先が“モグる”ことで筆圧による衝撃を吸収し、勉強中に芯が折れることを防ぐ「アクティブサスペンション」機構をペン先に搭載。そして、ペン本体を振るだけで簡単に芯を送り出すことができるパイロット独自の「フレフレ機構」ももちろん搭載しており、同社の機能シャープペンシルの技術を結集した。さらに、今回初の新機能として、芯タンク内の予備芯が残り1本になると、軸にある窓にサインが表示されることで芯の補充忘れを防止する「ラスイチサイン」も搭載している。

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0.5㎜タイプのボディカラーは6色で、黒と白の他、グラデーションデザインを4色揃えた。このグラデーションカラーが好評のようだ。また、0.3㎜タイプは白を基調とした3色を揃えている。
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アドバンス アップグレードモデル(三菱鉛筆)


長時間書き続けても文字の濃さも太さもずっと同じキレイな文字が書ける三菱鉛筆のシャープペンシル「ADVANCE(アドバンス)」シリーズから、デザインや軸素材をより向上させた「アドバンス アップグレードモデル」(税抜1,000円、0.5㎜)が登場。こちらは、発売中のものではなく、2020年1月30日から発売される商品だ。軸色は、ガンメタリック、ネイビー、レッド、ホワイトの4色に加え、数量限定でオレンジ、ティールグリーンを用意している。

「アドバンス」と同様、書くたびに芯が回転してトガり続けるWスピードエンジンを搭載しているのはもちろん、精巧に加工した金属パーツや、筆記時の芯折れを防ぐパイプスライド機構に加え、デザイン性のあるスタイリッシュな「パンチンググリップ」を採用しているのが特徴。このパンチ孔は、筆記時に指をあてるグリップのガイドとしての役割もあるという。また、本体を握ったときに口金部分との継ぎ目は引っ掛かりがなく、なめらかな触り心地。また、丸みを帯びた形状にすることで、手にフィットするようになっている。

今年後半はグリップに特徴のあるシャープペンシルの発売が続いたので、先日の「月刊ブング・ジャム」でも「2020年はグリップの年か?」と言及されていたが、「パンチンググリップ」を採用した同シャープペンシルの登場で、それが現実味を帯びてきたようだ。

2020年もシャープペンシルから目が離せない!

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