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芯がモグって折れないパイロットのシャーペン「モーグルエアー」が人気

パイロットコーポレーションから発売されている“折れない”シャープペンシルの新アイテム「モーグルエアー(芯径0.5㎜、税抜500円)が人気だ。ペン先が“モグって”折れない独自の新機構「アクティブサスペンション」を搭載しているのに加え、パイロットならではの“フレフレ機構”も搭載した高機能シャープペンシルで、今年1月の発売直後からたちまち人気に火が付き、即完売となった文具店もあったようだ。同社営業企画部筆記具企画グループの小島久明課長と大久保茜さんにお話を伺い、注目の新機構の秘密などを探った。

“モグって”折れないアクティブサスペンション機構×フレフレ機構搭載

「高機能シャープペンシルは、“折れない系”“疲れない系”“トガる系”などがあげられると思います。当社はこれまで“疲れない系”の『ドクターグリップ』を発売していますが、それに加え“折れない系”の新製品を出すことで、シャープペンシル市場の拡大を狙っています」と、「モーグルエアー」発売の背景について、大久保さんはそう話す。

長時間筆記でも疲れにくい最適な重量バランスとソフトグリップが特徴の「ドクターグリップ」は、同社のロングセラーだが、今トレンドの“折れない”機能を採用したシャープペンシルを発売することで、ラインアップの幅をより拡げていこうというのである。

さて、「モーグルエアー」に採用された注目の「アクティブサスペンション」機構だが、その秘訣は本体に内蔵されている2つのスプリングにある。筆圧がかかると、上部のスプリングによってペン先が上に向かってスライドすることで衝撃を吸収。同時に、下部のスプリングによって、芯だけが〝モグる〟ようにガイドパイプを筆記面に向かって留まらせるため、筆圧がかかると芯はガイドパイプによって保護され芯折れを防止する(*下図参照)。

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留まったガイドパイプは芯全てを覆うのではなく、筆記に必要な長さの芯の出しろを残すため、ガイドパイプ先端と紙面が擦れることなく、スムーズな筆記ができる。また、垂直方向以外のあらゆる角度からの筆圧にも対応し、書き出し時の衝撃を約50%吸収(同社従来品比)するので、強い筆圧でも折れずに、手への衝撃負担が軽減され、軽快な筆記が可能なのだ。
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先端は折れない機構が見える透明ボディになっている。

さらに、一般的なノック式に加え、ペン本体を振るだけで簡単に芯を送り出すことができるパイロット独自の“フレフレ機構”を搭載。筆記中に手を止めることなく芯の長さをコントロールできるので、集中力が途切れず、ストレス無く筆記ができる。このフレフレは、「ドクターグリップ」などで定評のある、ユーザーにはおなじみの機構だ。

3.jpgフレフレ機構が見える窓が付いている。その下には「2020(フレフレと読む)×ACTIVE SUSPENSION」の文字が。

書き味にこだわって開発

発売に先がけ昨年秋の同社展示会で先行展示を行ったところ、来場者からはその書き味の良さを評価されたそうで、「跳ねるような弾力のある書き味が、“パイロットらしい”と言われました」と大久保さん。

また小島課長は、「なめらかにストレスなく書いてもらえるものを、というのが我々がいつも目指しているところなので、折れない機構はもちろん、書き味にもこだわって開発しています」と強調する。機能性と書き味の両立には非常に苦労したそうだが、「なんとか発売にこぎつけることができました」と小島課長。

軸色は全6色(下写真)。定番のブラック、ブルー、ホワイトに加え、「小学生高学年〜高校生にアンケート調査を行ったところ、女子は100%パステル系を選んだので」(大久保さん)ということから、女子向けカラーとしてパステル系のピンク、バイオレット、アイスブルーの3色もラインアップしている。
1.jpg先述のとおり即完売になる文具店もあるほどで、発売後の反響は同社の予想を上回るほどだという。ちなみに、人気の軸色は、定番色の青と黒。主な購買層はやはりメインユーザーである学生。その一方で、当社の近所の文具店でこの商品を手に取ってじっと凝視しているビジネスマンの姿も見かけたが、学生以外のユーザーへの浸透度も高いようだ。

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