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【連載】月刊ブング・ジャム Vol.62 超ユニークな機能系勉強文具(その3)

文具のとびら編集部

本サイト編集長の文具王・高畑正幸さん、イロモノ文具コレクター・きだてたくさん、ブンボーグA・他故壁氏さんの3人による文具トークライブユニット「ブング・ジャム」が、気になる最新文房具を独自の視点から切り込んでいく「月刊ブング・ジャム」。今回は、子どもたちが勉強に使う文房具を取り上げました。どれも、他にはないとてもユニークな機能を持ったアイテムばかりです。

第3回目はパイロットコーポレーションの「ドクターグリップCL プレイバランス」です。

(写真右からきだてさん、他故さん、高畑編集長)*2021年11月9日撮影
*鼎談は2022年4月26日にリモートで行われました。

好みの重さと重心バランスをカスタマイズできるシャープペン

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ドクターグリップCL プレイバランス」(パイロットコーポレーション) 付属する重量と素材の異なる2種類の内グリップを組み合わせ、組み替えることで、ユーザーが自分の好みの重さと重心バランスにカスタマイズできるシャープペン。最適な重量バランスで好評を博している「ドクターグリップGスペック」と内グリップを入れ替えられる「ドクターグリップCL プレイボーダー」のそれぞれの特徴をベースに、重量・重心バランスの調整が可能な高機能モデルとなっている。芯径は0.3㎜(ボディカラーは3色)と0.5㎜(同5色)の2種類。税込770円。

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――最後は「ドクターグリップCL プレイバランス」です。これだけ学童用ではなくて、もっとお兄さん・お姉さんの勉強用になりますが。

【高畑】そもそも「ドクターグリップGスペック」というのが、完璧なバランスを目指して作ったんだよ。

【他故】そうだね。

【高畑】ペンのちょうど中心のところに重量がくるようにして、かつ重量が周りにいかないように真ん中にキュッといくようにして、慣性モーメントを小さくしましたという。

【きだて】あ~そうそう。慣性モーメントって言ってた。

【高畑】言ってたでしょ。元々「ドクターグリップ」は、太さ13.8㎜というのが人間工学的に最も疲れを感じないというのがあってできましたというもので、「Gスペック」ではさらに運動性能も良くしましたよということで、重量の中心と重量配分で慣性モーメントを小さくしましたと。重量の割に慣性モーメントが小さいから、書くときにペン先を振るときに、抵抗感が少ないんだよというのをすごく言ってたけど。

【きだて】はいはい、それも言ってたね。「往復の回転運動が」みたいなの。

【高畑】これは、ペン回し界で言うところの左右の端っこに重りを入れているのと真逆の考え方で、クルクル動くけど安定しないというか、動かすのが楽ということで、これは楽に書くために、究極のバランスを考えて作ったんだけど、そこに重りを足すというね(笑)。

【きだて】そう。考えてみると、メーカーからのドクグリ全否定でもあるという。

【高畑】これは「プレイバランス」でバランスを遊ぶものであって、コピーにある「探し出せ君の究極のバランス」じゃないんだよ。だって、元々バランスがちゃんと取れているところに、前だけ重りを付けるんだから。絶対バランスが崩れるに決まってるんだから。

【きだて】うん。

【高畑】それはそうなんだけど、やってみると面白いというのは、また別の話でさ。

【他故】まあ、そうね。

【きだて】やはり、これはホビーだよ。

【他故】「プレイ」だからね。バランスをプレイするんだから。

【高畑】そこはそうなんだけど、やってみるとすごく面白いし。だから、疲れないペンが理想かというと、それだけじゃないよねという答えはあるよね。

【きだて】ただ、これを使うのは中高生じゃない。中高生の嗜好は、結局のところ「疲れない」だと思うんだけどね。勉強に使うものなんだから。

【高畑】いや、どうだろう。それは色々だと思うわ。だって、木軸とか真鍮のシャープペンがあるじゃない。「そんなわざわざ重たいのを使わなくても」とか、「それ滑るじゃん」みたいなのもあったりするので。「Gスペック」を使う人は、本当に楽に長時間書きたいという人だと思うけど、でも楽に書けることだけがペンとして良いのかというと、これでああだこうだやりながら楽しんで書くのもアリで。これは低重心ではないんだよね。センター重心で、前過ぎないのがこれのウリなので。今流行りの低重心化というのでは、前に重りを付けて前に倒すというのは、そうなのかもしれないし、そこのカスタマイズを楽しむ人たちはいると思う。ただ、本当に楽に書くんだったら、「Gスペック」でいいと思うけど。

【他故】まあ、そりゃそうだ。

【きだて】でも、エルゴノミクスに全然合わない人っているんだよ。

【高畑】全然合わなくて、「あれじゃなくて」という人はいると思うわ。

【きだて】そういう人には、こういう逃げ道があってもいいと思うけどね。

【高畑】そうそう。強いて言うなら、後ろにも付けられたらいいんだけど。これはプレイボーダーの入れ替えしかできないので。後ろも調整できたらね。

【他故】そうだね。

【高畑】これシャープペンだから、中の「フレフレ」(編集部注:ペン本体を振るだけで芯を繰り出せる機構)が動くんだよね。

【きだて】そうそう。

【高畑】ボールペンだと、もっとリジットな感じになるんじゃないかな。「プレイバランス」を買ってきて、「ドクターグリップ」のボールペンに入れるというのもできなくはない。

【他故】まあ、できなくはないね。

【高畑】「ドクターグリップ」ボールペンで低重心をやりたい人も、やろうと思えばできる。

【きだて】ボールペンはまだ低重心でいいけど、シャープペンシルはそもそもそんなに低重心でなくてもいいじゃない。シャープペンシルって、ちょっと高めを持つじゃない。そうでもない?

【他故】どうかな? 人によるんじゃない。

【高畑】それこそ、前の方を持っている人たちは、普通にどっちも前を持ってるよ。

【きだて】そうか。「シャープペンシルは立たせて持つんだよ」と昔教わって、そこは忠実に守ってたから。

【高畑】そこは守るんだ(笑)。

【きだて】そう、そこは守ってるんだわ。

【高畑】シャープペンはどの角度でもいいんだよ。

【他故】芯が出てくるんだからね。

【高畑】平削りされちゃうので、その分線が太くなっちゃうんだけど。ボールペンに比べると、俺も寝かせて書くタイプなので。割と後ろを持って、寝かせて絵を描くのよ。なので、それは分かる。

【きだて】うーん。

【高畑】あとね、「プレイバランス」は0.3㎜が好きです。自分がいつも0.3を使うからなんだけど、この「プレイバランス」は買ってみたらすごい良かったよ。ちょっと前を重くして、逆に筆圧をかけないぐらいで書くみたいな。別の書き方として楽しむ感じなので。0.3に柔らかめの芯を入れて、万年筆みたいに楽に書くみたいな書き方をしてみたり。今のグリップの好みとしては、1個開けて前と後ろ。それで、この空いているところを持つんだよね。

【きだて】分かる。

【高畑】重たいグリップが入ってるところ硬いんだよ。

【きだて】神経質なことを言うと、金属のところは持ちたくない。俺は筆圧強いので、グーッと握っちゃうと、この硬さは指が本当に痛い。

【高畑】元々そういう人のために二重グリップになってるからね。

【他故】そうだね。

【高畑】俺もそうなんだけど、握る部分には柔らかいのを入れたくなっちゃうんだよね。

【きだて】実は、俺も文具王と全く同じ構成。

【高畑】あ、本当?

【きだて】金属・プラ・金属の3段構成。

【高畑】もうちょっと前を持つんだったら、プラ・金属・金属でもいいんだけど。

【きだて】前から金属・金属・プラだと、下がちょっと重くなりすぎるし、気持ち悪いしで。色々と試してこうなった。

【高畑】全部金属にするとすごい重たくて、結構グリップも硬い。

【他故】あーそうそう。

【きだて】ここにプニュグリップを巻きたくなっちゃう。

【他故】「ドクターグリップ」の意味は(笑)。

【高畑】これを使ってみると、インナーグリップが結構効いてるというのがよく分かるんだよ。

【きだて】はいはい。

【高畑】だって、僕がまだ愛用してるのソフトグリップのだもの。

【他故】もう売ってないやつだ(笑)。

【高畑】あとね、オフローダーというのがあったんだよ。

【他故】ああ、中がボコボコしているやつだ。

【きだて】ああ、それは知らないな。

【高畑】オフローダーはね、中が柱構造なんだよ。

【きだて】へぇ~!

【高畑】俺も、ちょい柔らかめのグリップが好きなんだよ。今回は、金属にするとバランスはいいんだけど、ちょっとグリップが硬くなるというジレンマに悩まされるわけですよ。

【他故】そうだよね。

――他故さんはどういう構成なんですか?

【他故】僕は、柔らかい・硬い・柔らかいです。

【高畑】あ~逆だ。

【きだて】真ん中に金属をはさむ感じだね。

【他故】何故かというと、みなさんと違って、僕はシャープペンシルは頭を持つんですよ。口金の真下を持つのね。だから、ここが柔らかくないと気持ち悪いので、一番頭には金属を入れられないんですよ。

【きだて】はいはい。

【他故】最初は、柔らかい・金属・金属で入れてたんだけど、僕も0.3なんだけど、筆圧がかかりすぎてめちゃめちゃ芯が折れるの。

【きだて】ああそうね。

【他故】自分の中で重くなっちゃったというのがあって、今のところ真ん中が金属という状態になってる。これがちょうどいい。

【きだて】結局のところ、3人とも重視しているのは柔らかさじゃないかよ。

【他故】持つところが柔らかくないと「ドクターグリップ」じゃないじゃん(苦笑)。

【きだて】「プレイバランス」といいながら、「プレイ硬さ・柔らかさ」じゃないか(笑)。

【高畑】柔らかいけど、重い何かがあってくれればいいけどさ。「プレイ硬さ・柔らかさ」だったら、中に入ってる樹脂のやつの柔らかいやつを出してほしいんだよね。そうすると、「プレイボーダー」みたいな感じで、柔らかいやつを入れたくなる。

【きだて】「アルファゲルやわらかめ」みたいな感じで使えそうだしな。

【高畑】そうそう。「ドクターグリップGスペック」は、グリップの外側がしっかりしてるから。「アルファゲル」ってよれるじゃん。これはよれがないんだよ。そこが良いところだよね。

【きだて】重くて柔らかいのは何を使えばいいかな。水銀?

【他故】水銀だよ。

【きだて】水銀を何か柔らかくてプニプニしたものに注入して。

【高畑】それで封じ込める。…危ないっちゅうの。

【他故】危険すぎるよ(笑)。

【高畑】裂けたところをなめたとかいってすごい問題になるよ。

【きだて】大事故になるやつだね。

【高畑】ゴミの日に捨てて怒られるやつだよ。

【きだて】でも、柔らかくて重いので調整したい。

【他故】何だろう。砂鉄?

【きだて】あ~。でも、砂鉄も握り込むと結構硬くなるしな。

【他故】そうか。

【高畑】「ドクターグリップ」って、ペン回し入門用でもあるじゃない。

【きだて】本当に、使い込んですごいことになってる人がいるからね。バランスが真ん中でとれてるという部分で使われてるらしいけどね。

【高畑】要は、低重心的じゃないからね。慣性モーメントはどうかというのはまた別の話として、単純に重心がど真ん中にあるから、回るときにブレないよね。

【きだて】要は、安定して回転して、指から離れにくいということになるんだろうよ。

【高畑】バランスというところでいくと、フレフレ機構を抜くとさらに低重心になる。これは、使ってる人もよくやるんだよね。

【きだて】そうそう。

――これ、全部金属を入れるとすごい重たいですね。

【きだて】そりゃ重いよ。

【高畑】20何グラムになるんだよね。すごい重いよ。「4&1」より重たくなっちゃうから。

【他故】あ~なるね。

【高畑】やっぱり、3つだと入れすぎだな。普通に持ってるだけで疲れるので、これは指先を鍛える用だな。鉄アレイ的な何かになる。

【他故】ははは(笑)。

【きだて】「プレイバランスの重り何個持てる?」ってどうだろう。トレーニング漫画で。

【他故】「3個きついね」っていう(笑)。

【高畑】2個ならまあアリかなと思うけど、3個になると「これはいいよ」っていう感じになる。

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【きだて】今ね、金属1個抜いたら、「軽くていいわ」ってなったよ(笑)。

【高畑】色々とやったあげくに、「Gスペックってバランスめちゃ良い」って分かるんだよ。

【他故】ははは(笑)。

【高畑】これは、色々とやった挙げ句に、普通の「Gスペック」を持ったときに、「やっぱり、これは目指して作ったんだ」というのが分かるよ。やっぱり、王道は王道なんだよね。

【他故】そうだね。

【きだて】「Gスペック」を触って、納得がいかない人だけ「プレイバランス」を使えばいいと思うんだよ。変な遠回りをする必要はないわ。「Gスペック」でいいよ。

【高畑】そこは、長年それがいいと言って売ってきたわけだから、それもそうなんだけど、あえてそれをいじってみるというのが今回の「プレイバランス」だから。いじってみて分かる本来の良さもあるしな。

【他故】まあ、それはそうだしな。

【きだて】クルトガキャンセラーを使ってみて分かる「クルトガ」の良さみたいな。

【高畑】ああ、それ。きだてさんが言ってたやつだ。クルトガメカを止めてみたら、やっぱり要るという。

【きだて】そう。「クルトガやっぱすごい」っていう(笑)。

【高畑】そうそう。そういうことだよ。リアルに「ドクターグリップGスペック」という商品のポテンシャルを再認識してしまうんだよね。

【きだて】「Gスペック」のプロモーション用なんじゃないの。

【他故】プロモーション用(苦笑)。

【高畑】再認識するというのもあるけど、そうやって遊んでみながら自分の最適解がどこなのかをやってみた結果、元に戻る人がいても全然いいと思うけど。

【他故】うん、そらそうだよ。

【高畑】樹脂玉3つで、金属玉1個も使いませんでしたでも全然いいと思う。

【他故】いいと思うよ。

【高畑】同じ条件でやってみられるペンってあんまりないんだよ。

【きだて】まあ、そうだね。

【高畑】他だとペンも違っちゃうじゃん。重量配分も違うけど、もしかしたらグリップのローレットが効いてるかもとか思っちゃうじゃん。これだと、純粋に重量バランスでいいところってあるんだなというのが分かるので。

【きだて】うん。

【高畑】ついつい、低重心至上主義みたいになりがちだけど、それがないというのが分かったりするからいいんじゃないの。

【きだて】かもね。ちょっと重心変えるとこうなるんだという挙動を学ぶのに使えるじゃん。

【他故】そうそう。

【高畑】自分の好みがより分かるしね。

【他故】そこを楽しむのが、「プレイバランス」の一番の楽しみ方じゃないかな。

【きだて】それを楽しむだけでこの値段は結構高いと思うんだけど。

【他故】ええっ!?

【高畑】元々500円くらいだっけ?

【他故】クリップレスだから500円だね。

――税込770円ですね。

【他故】じゃあ、200円高いだけか。

【高畑】パーツ増やしてこれだけ企画しているから、まあアリかな。

――600円じゃないんですか?

【他故】600円は「Gスペック」で、「ドクターグリップCL」が500円ですよ。

【高畑】それでいくと、「CL」がお買い得だな。

【他故】クリップがないだけで500円だからね。

【高畑】クリップなんて、あんなものは飾りだろう(笑)。

【他故】ははは(笑)。

【きだて】まあ、中高生はクリップ要らないわな。

【高畑】別に可動式でもないしね。だから「CL」は「CL」で全然いいし。

【他故】むしろ、500円という価格になったから、中高生が買いやすくなったと思うけどね。

【きだて】ああ、それはそうだね。

【高畑】カスタマイズを楽しむのにプラス200円だから、なくはないかな。それでいくと、今は1,000円クラスのシャープペンが山ほどある中で、500円でこのスペックはかなり良い方だよね。

【きだて】こんなに完成された、枯れたシャープペンでね。

【高畑】丈夫だし、フレフレ入ってるし。それで500円だから、なかなか完成度が高いよね。「プレイボーダー」があって「プレイバランス」があって、プレイ何とかというのを色々と作ってくれれば、それはそれでいいじゃん。

【きだて】「プレイ手触り」ね。

【高畑】ああ、「プレイ柔らかい・硬い」はあってもいい。あと何かあるかな。

【他故】まあ、デザイン的なものはいくらでもいじれるよね。「プレイボーダー」というのは、あくまでもボーダーの色で分けるというのだったけど、そこに絵を差し込んでしまうとか、別の方法で色を変えることもできるだろうし。

【高畑】昔は変わったのがあったんだよ。ソフトグリップもそうだし、これ以外にも中に星型というか、ヒダヒダが入ってるやつがあった。ストライプ状のグリップもあったし。

【他故】謎のシリーズあったよね。

【高畑】あったね。

【きだて】ウレタン状にして、香りのいい液体でも染み込ませたりするかね。

【高畑】香りは、後ろに入れるのはあったんだっけ。

【他故】アロマポッドを付けるのはあったね。「ドクターグリップアロマ」っていうシリーズ。

【きだて】あったね。たぶんイロブン棚に入ってるわ(笑)

【高畑】そういういろんなシリーズができるじゃない。

【他故】まだバリエーションいけるんじゃないのという気はするよね。

【高畑】これ定番? それともスポット?

【他故】カタログに載ってるから定番だと思う。

【きだて】定番なんだこれ。へぇ~。

【高畑】このパーツは他のことにも使えそうだな。鉛筆とかに付けてバランスをよくするとか。

【きだて】ペン回しの人たちは、他のペンに付けて回しやすいようにしてるんだから。

【高畑】ああそうだよね。そういう使い方はあるから。「ドクターグリップGスペック」がペン回し入門用みたいなところがあるのは、重心がど真ん中にあるからなんだけど、それをあえて崩していくというのが今回の趣旨だしね。まあ、別に回さなくていいんだけど。重りを付けると、筆記具として明らかに重くなるよね。

【他故】それがいいという人もいるんだろうけど。

――好みは分かれますよね。もしかしたら、金属を3つ入れている人もいるでしょうし。

【きだて】それはいるでしょう。

【高畑】そういう人がいて全然いいんだよ。その選択肢がここに出てきたのはいいことだよ。

【きだて】散々指が痛いだの何だと言っておきながら(笑)。

【他故】まあまあ(笑)。

【高畑】選べて文句が言える幸せよ。

【きだて】それな(笑)。

【他故】分かる、分かる。

【高畑】何だかんだ、こういうのが出てきて楽しんで、「元の方がいい」とか言ってるけどさ、「こういう開発やめちゃいますよ」と言われたら寂しくなるじゃん。

【きだて】そうだよ。そんなの泣いちゃうよ。

【高畑】やってほしいなと思うのは、グリップ径をコンマ2㎜ずつぐらいずらしていくやつ。ちょっとずつ太いやつとちょっとずつ細いやつ。

【きだて】あ~はいはい。

【高畑】あとは、もうちょっとパターンがあって、「モノグラフライトみたいなギザギザが付いてますとかさ。そういうのがあってもいいね。

【他故】そうか、そうだね。

――グリップの色々はできそうですよね。

【高畑】太いのと細いのを色々と試して、「結局13.8㎜がいいのか」ってなるのかもしれないけど(笑)。

【他故】ははは(笑)。

【きだて】グリップの手当たりの部分って、感応性がダイレクトなところなので、相当多様化すると思うよ。

【高畑】だから、それが選べるのはいいよね。

【きだて】選べるようになってほしいね。ゼブラのグリップを手巻きするやつとかあったし。

【高畑】あったね。

【きだて】あの辺がもうちょっと進化すると思ってたんだよ。後追いが全然出なくてつまんない。

【高畑】あれは、巻いたのがあまりに手作り感が強かったから。

【きだて】まあね。

【高畑】そういう意味では、いろんな種類のパーツを作ってもらって、「色々替えられますよ」と。そういうのをやってみたいね。

【他故】パーツで売るんだったらそうだよね。

【高畑】ローレットの金属グリップ付いている「ドクターグリップ」とか。

【きだて】「ドクターグリップ」なのに?

【他故】ははは(笑)。

【高畑】クルマのレースでも、元になってるのは同じクルマなんだけど。

【きだて】市販車ベースでな。

【高畑】そういう感じのところの素体としてあってもいいし。

【他故】グリップね。

【きだて】散々グリップを試して、つけ替えた挙げ句に「プニュグリップ」を巻いちゃうというオチになりそうだけどな。俺の場合は。

【高畑】このグリップも、今の素材じゃなくて、「プニュグリップ」みたいなネトッとしたグリップとか、もうちょっとサラッとしたものとか。30年もやってるとさ、遊びたくなるじゃない。いかに完璧とはいえ。吉野家の牛丼がどんなに完璧でも、たまにはネギをたっぷりと載せてみたりとか、キムチとか違うやつを載っけてみたりとかあるじゃない。それで結局「普通の牛丼が美味い」みたいなところに落ち着いたりして。

【きだて】結局、みんなそこに帰ってくるんだよ。

【他故】そうだね。でも、「グリップマルシェ」は確かに面白そうだね。いろんなグリップが付けられるのは。

【高畑】もちろんそうだよ。でも、「プレイボーダー」は良かったね。「これ、入れ替えできるじゃん」って簡単に楽しめるベースに「プレイボーダー」があって、それがあってこその「プレイバランス」だと思うんだけど。正直使ってみて、最適解は「Gスペック」という元のやつがかなり良いところまできていたというのは正直あるんだけど、これをいじって楽しんでいるのがいいぞというのはあるよ。

【他故】うん。

【高畑】しばらくこれで0.3㎜を使ってるんだけど、この太さでこの重さで0.3㎜って、他にないんだよ。

【きだて】まあそうか。

【高畑】だから、これはこれで新しいなと思っていて。ただ太い・重いの0.5はあるけど、0.3は製図用はあってもこっち系のはあんまりないんだよね。

【他故】そうだね、確かにそうか。

【高畑】これまでになかった感じを楽しめるというのは、それこそさっきのレイメイの下敷きもそうだけど、それを崩して遊ぶのは全然いいなと思う。

【きだて】あとは、シャープペンを使ってるメインの中高生男子の、カスタム好き心はこれでくすぐられるわけじゃん、というのもあるしね。

【他故】そうね。

【高畑】そういう意味では、ここに意味を込めたものを、もっと色々と作ればいいんだよ。ここのパーツをいろんな素材で作って。「真鍮とアルミだったら全然違うよね」とかができるし。

【きだて】パイロットが何かのキャンペーンで「純金の重りが当たります」とかやってもいいよね。

【高畑】それはいいね!

【きだて】「重いぞ」って。

【高畑】それ以上重いのって思い付かないよ。

【きだて】純金の入れたいよね。

【高畑】入れてみたくなるよね。

【きだて】ちょっと手当たりも柔らかいかもしれないぞ。

【高畑】純金の重りキャンペーンはやってほしいな。金の「カドケシ」なんかより意味があるからさ。今、金の地金は相場が上がってるらしいので、相当高いと思うけど(笑)。

【他故】ははは(笑)。

【高畑】そういうので遊んでいるうちにさ、自分の書き方とかができてくるというのはあるよ。

【きだて】例えば銀座「アンコーラ」でパーツを組み合わせて万年筆を1本作りますとかやってるけど、あれは見た目が遊べるだけだよね。

【高畑】そうそう。色が変わるだけじゃん。

【きだて】俺たちは、機能性の違いでそれをやりたいんだよ。

【他故】ああ機能性、そうか。

【きだて】「ドクターグリップ・バー」みたいなのをやってほしいんだよ。

【高畑】そうだね。やってほしい。それが「サクラクラフトラボ006」だとまた別じゃん。あれはまた別の世界に感じるけど、ガチで実用的なところで遊びながら、そこで答えを模索できるのはいいよね。

【他故】「ドクターグリップ・バー」は確かにいいね。

【高畑】「ドクターグリップ」ぐらいベースが売れていれば、バーをやる意味が出てくるからね。

【他故】そうだね。ボールペンもシャープペンもできるからな。

【きだて】多分、回転率の悪いイベントになるんだろうな。みんなズーッと試してて(笑)。

【高畑】だから、これはセットで買って帰って、家で試してという話になるんだろうな。でも、そういう風になるベースの力は持ってるよ。いいと思うよ。

【きだて】さすがにポテンシャル高いよ。

【他故】ぜひみんなで試してほしいよね。

【高畑】こういうのをあれこれいじった結果、僕らがいるわけじゃん。

【きだて】ははは(笑)。

【他故】そうね(笑)。

【高畑】自分でグリップ巻いたりとかやらなかった?

【きだて】まあな、分かるよ。

【高畑】あとは、「おゆまる」みたいなのでグリップを巻いたり。

【きだて】やった、やった。自分の指の型をとってやった(笑)。

【高畑】そういう系のことをやっていって、自分なりに仕上げていく感はあるので。あと、この重りは1/4ずつ筋が入ってるじゃん。ここでカットすればいいんだよ。そうすると、もっと細かく分けられるじゃん。

【きだて】そうな(笑)。

【高畑】樹脂のパーツも1/4ずつになっていて、そうすると、微妙にバランスが取れるじゃん。

【きだて】12分割でやるんだな。

【高畑】12分割でやると、組み合わせ的にはすごくできるじゃん。

【きだて】絶対パーツなくすわ、それ。今のパーツでも落としてどこかへやるのに(笑)。

【高畑】パイロットの結婚指輪と見分けがつかなくなっちゃう(笑)。

プロフィール

きだて たく
小学生の時に「学校に持っていっても怒られないおもちゃ」を求めて、遊べる文房具・珍妙なギミックの付いた文房具に行き当たる。以降、とにかく馬鹿馬鹿しいモノばかり探し続けているうちに集まった文房具を「色物文具=イロブン」と称してサイトで公開。世界一のイロブンコレクターとして文房具のダメさ加減をも愛する楽しみ方を布教している。著書に『イロブン 色物文具マニアックス』(ロコモーションパブリッシング)、『愛しの駄文具』(飛鳥新社)など。
色物文具専門サイト【イロブン】http://www.irobun.com/

他故 壁氏(たこ かべうじ)
文房具トークユニット〈ブング・ジャム〉のツッコミ担当。文房具マニアではあるが蒐集家ではないので、博物館を作るほどの文房具は持ち合わせていない。好きなジャンルは筆記具全般、5×3カードとA5サイズノート。二児の父親。使わない文房具を子供たちに譲るのが得意。ラジオ番組「他故となおみのブンボーグ大作戦!」が好評放送中。ラジオで共演しているふじいなおみさんとのユニット「たこなお文具堂」の著書『文房具屋さん大賞PRESENTS こども文房具 2022』が発売中。
たこぶろぐhttp://powertac.blog.shinobi.jp/


「ブング・ジャムの文具放談 特別編・完全収録版~『ブング・ジャム的Bun2大賞』ベスト文具を決定!~」〈前編・後編〉と「ブング・ジャムの文具放談・完全収録版~2020年Bun2大賞を斬る!~」〈前編・後編〉をコンテンツプラットフォームnoteで公開中。

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