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「Bun2」編集長が選ぶ2017年文具重大ニュース

北澤孝之

2017年もついに残り24時間を切りました。今年も激動の1年だった2017年の文具界を振り返る重大ニュース。今回は、弊社発行の文具のフリーマガジン「Bun2」の北澤編集長が選んだ、Bun2関連の文具重大ニュースを紹介します。

5位・モリイチ京橋店で「丈夫な文房具」展開催

1.jpg東京・京橋の文具店、モリイチ京橋店で、2017年4月27日~5月31日まで「丈夫な文房具」展が開催されました。実は、「Bun2」2月号で“折れない”をテーマに様々な折れない文具を紹介しましたが、その企画内容が同展を開催するヒントとなったそうで、その経緯から弊誌も開催のお手伝いをちょっとだけしています。

「Bun2」では、「デルガード」などの折れないシャープペンを中心に、折れない消しゴム「アーチ」、刃を折らずに使えるカッター「オランテ」などを“折れない文具”として紹介しました。「丈夫な文房具」展では、「折れない」だけでなく、「剥がれない」「破れない」「壊れない」「消えない」「はずれない」など、広範囲で文具をずらりと展示していました。

例えば、耐水性のある紙を使ったコクヨの「測量野帳」とか、“象が踏んでも壊れない”でおなじみのサンスター文具「アーム筆入れ」、工事現場でハードに使える「マジックインキ ガンコボルトペン」(寺西科学)などなど、「丈夫な文具はこんなにあるんだ!」と改めて勉強になりました。

4位・都内に注目の文具店がオープン

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こちらは「Bun2」で掲載したものではなく、「文具のとびら」で私が紹介した記事ですが、8月10日に東京・池袋に「丸善池袋店」がオープンしました。地下1階から地上2階までの3フロア約400坪で売り場を展開しており、“都内最大級”の文具店をうたっています。入口には、上写真のようにボディカットされた電車が置かれているので、そちらでも話題になったようです。

丸善池袋店に先駆けて、6月23日には銀座ロフトがオープンしています。5Fにある文具売り場では、世界中の世界各地の20の鉛筆ブランドが大集合した“ペンシルバー”(下写真)をはじめ、当サイト編集長の高畑正幸文具王がコレクションを出品した古文具販売のイベントコーナーを設けるなど、ちょっと文具マニア向けと言っていいような品揃えが目をひきました。

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丸善池袋店は、それに比べると“王道”のような品揃えですが、開店当初は世界のトランプやタロットカードをこれでもかと集めた催事を行うなど、ちょっとトガった印象も受けました。入口に電車が置いてあるからでしょう、鉄道グッズも扱っています。この鉄道グッズは、手帳シーズンに入ったため一時期なくなっていましたが、かなりのリクエストがあったそうで、再び登場しています。文具ファンならば訪れるべきお店ではありますが、鉄道ファンにも認知されているようですね。

同店では、丸善名物の「元祖ハヤシライス」も食べられますので、お買い物ついでにお食事もされるといいでしょう。

3位・ファイル関連でヒット商品相次ぐ

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機能的なシャープペンだとか、プレミアムなボールペンだとか、何かと筆記具に注目が集まりがちですが、ファイル関連のアイテムでヒット商品が目立った一年だったという印象があります。

7月のISOTで発表された「日本文具大賞2017」では、LIHIT LAB.の「クリップファイル」と、レイメイ藤井の「ミーティングボックス」が優秀賞を受賞しましたが、どちらも品薄になるくらいのヒットとなったようです。

そして、「Bun2大賞」で3位に選ばれたキングジムの「コンパック」(写真)も、当初の目標を上回るペースで売れているようです。A4を2つ折りにしてコンパクトに持ち運べるクリアーファイルですが、開くと通常のクリアーファイルと同様にポケットに入った書類をめくって閲覧でき、しかも2つ折りにしても折り目がつかないようになっています。そうした機構が多くのユーザーに支持されたようです。

普段は華やかな筆記具やペンケース、紙アイテムなどに注目が集まりがちですが、堅実で地味な印象を抱きがちなファイル製品がヒットするのですから、文具の底力を感じました。

2位・機能的シャープペンシル続々

オレンズ2.jpgここ数年続くシャープペンシルブームですが、2016年末から2017年にかけてまたまた注目の新製品が続々登場しています。“折れないシャープ”で人気のゼブラ「デルガード」には、2016年11月にキャップレス消しゴムを搭載した「デルガード タイプER」が登場。2017年1月には折れないシャープの新星「モーグルエアー」(パイロットコーポレーション)も発売されました。3月には、「クルトガ」の2倍速で回るエンジンを搭載した三菱鉛筆の「アドバンスも登場しています。

どのシャープペンシルもユーザーから大きな反響があり、それぞれヒットしているのですが、しかし今年は何と言っても2月に発売されたぺんてるの「オレンズネロ」(写真)の年だったような気がします。細くても折れずに書ける「オレンズ」のフラッグシップモデルで、新たにノック1回で芯が出続ける“自動芯出し機構”を搭載しています。デザインにもこだわっており、フラッグシップモデルに相応しい風格を備えています。お値段も税抜3,000円とかなり高額ですが、すぐに店頭からなくなるほどのヒットとなりました。高額な商品にもかかわらず、中高生が買っていくというのですからすごいですね。「オレンズネロ」は「Bun2」読者からも大きな支持を集め、「Bun2大賞」でも2位に選ばれています。

シャープペンシルの詳しい話は、「文具のとびら」の中でこのような記事を書いていますので、そちらもご覧下さい。

1位・「ライフスタイルツール」が「Bun2大賞」で連覇

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読者の投票により、その年のベスト文具を決定する「Bun2大賞」では、ナカバヤシの「ライフスタイルツール 収納カバン」が1位に選ばれました。前年は「ライフスタイルツール」が1位でしたので、同じシリーズの商品が2年続けて1位になったのです。

「ライフスタイルツール 収納カバン」は、紙製収納用品「ライフスタイルツール」の新アイテムで、子どもの“リビング学習”に最適な収納ボックスとなっています。中を開けると深さが異なる引き出しがセットされており、持ち運びに便利な取っ手が付いたカバンタイプになっているので、勉強に必要な文具をまとめて入れて、子ども部屋からリビングへ持ち運べるわけですが、どうやら子どもだけでなく大人にもかなり使われているようで、ユーザー層の幅広さもあって大きな支持を集めたのだと思います。

ちなみに、「Bun2大賞」は今回で10回目を迎えました。それを記念してモリイチ京橋店で、「2017年Bun2大賞とグッドデザイン賞を少々&Bun2大賞の10年」展を2018年1月18日まで開催しています。そちらもぜひご覧下さい。

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