- 連載企画
- 【連載】月刊ブング・ジャム Vol.115 ブング・ジャムおすすめの手帳・ノート&手帳まわりグッズ その3
【連載】月刊ブング・ジャム Vol.115 ブング・ジャムおすすめの手帳・ノート&手帳まわりグッズ その3
本サイト編集長の文具王・高畑正幸さん、イロモノ文具コレクター・きだてたくさん、ブンボーグA・他故壁氏さんの3人による文具トークライブユニット「ブング・ジャム」が、気になる最新文房具を独自の視点から切り込んでいく「月刊ブング・ジャム」。今回は、ブング・ジャムのみなさんがおすすめする手帳・ノートや手帳まわりグッズを紹介してもらいました。
第3回目は高畑編集長おすすめのアンテリック「3色ボールペン」です。
(写真左からきだてさん、高畑編集長、他故さん)*2026年8月15日撮影
*鼎談は2026年9月26日にリモートで行われました。
手帳にピッタリな3色ペン
――最後は高畑編集長ですね。
【高畑】今回は、アンテリックのボールペンを2本紹介したいんですけど。アンテリックの「3色ボールペン」の、スタンダードサイズとミニサイズです。スタンダードサイズは本当に普通のボールペンくらいの長さで、ミニサイズはかなり短いんだよね。
【きだて】これで長さどれぐらい?
【高畑】長さはね…。
【他故】11㎝か?
【高畑】そうだね、芯を出していない状態で11㎝強。112~113㎜はあるかなって感じの長さなんだけど、これが多分M5手帳にピッタリなんだよね。
【他故】これがちょうどいい大きさなんですよね、本当に。
【きだて】結構珍しいよね、その長さは。
【高畑】で、これ3色ボールペンなんだけど、軸径が10.5㎜とかなんだよ。11㎜ないんだよ。
【きだて】短いからちょっと太く見えるけど…。
【他故】いや、細い細い。
【高畑】こっちは長さは普通のと同じだけど、全然細いんだよ。だから見た目がかなりスリムなんだよね。パイロットの「ジュースアップ3」(*関連記事)とかと同じくらいの感じ。ただ、「ジュースアップ3」は軸がストレートで、金具が付いてて、みたいな感じなんだけど、これはデザインが上手いんだよ。すごくシャープな感じで、このあたりの曲面の取り方が上手なので、すごくスリムに見えるの。
【きだて】おしゃれに作ってあるな、クリップ周りとか。
【高畑】で、ここがね、普通3色のタイプだと、ノックのパーツの上にちょっと頭があるんだよね。なんだけど、これはギリギリまでノックパーツがある。ここギリギリなんだよね、角が。
【他故】うんうん。
【高畑】ここら辺が、他は絶対やらない。普通に考えたらその上にもう1枚板があるなり、ちょっと幅があるんだけど、これはギリギリから斜めに切ってあるんだよね。この形状が、ちょっと痺れるくらいカッコいいなと思って。だから形状がキレイなのと、あと今回は手帳シーズン向けの話なので、ラバーグリップがないっていうのは、手帳のループに入れるときには有利なんだよね。
【他故】収納という意味ではそうね。
【高畑】もちろん滑りやすいっていうのもあるんだけど、手帳用で、出してちょっと書いて戻すみたいな使い方なら、もう十分かなって感じがするし。あと上手いのは、この短いやつがさ。
【他故】ミニめちゃめちゃいいっす。
【高畑】形もキレイだし、今ミニサイズの手帳がすごく増えてきている中で、この長さは絶妙にアリだなと思うんだよね。そこが上手い。これがゼブラとか三菱とかパイロットとかじゃないところから出てきているのも、ちょっといい感じで。アンテリックって、ちょっと海外っぽい感じのショートボディとかも出してるでしょ。これがそうなんだけど、これも形がカッコいいんだよね。元々は普通サイズのボールペンをガチャガチャのカプセルに入れたかったから3分割したみたいな話もしてたけど、前後だけ組み合わせるとすごく短い。バラバラにもできて、組み合わせで色が選べたりもするんだけど、これもやっぱり短いから手帳に合わせやすいよね。
【他故】うん。
【高畑】まあ、これは単色なんで、そこへ行くと今回出た3色タイプは、黒・赤・青の3色が使えてコンパクトで、超カッコいいので、手帳向けにすごくいいのが出たなって感じなんだよね。
【きだて】アンテリックって、すごい細いボディのやつもなかったっけ? 何かクリップがちょうど軸の真ん中くらいから出てるやつ。
――ああ、あります。
【きだて】あれとか見て「わー、変なの」とか思ったんだけど。
【高畑】あれは元々海外のやつのデザインのオマージュなんだよね。
【きだて】 あ、そうなんだ。
【高畑】アンテリックって、海外のペンのイメージに近いデザインを持ってくるのが結構上手なんだけど。
【きだて】あの色分けされたペンなんか、あれはちょっとBICっぽいもんね。
【高畑】そうそう、そうだよね。
【きだて】そうか、そういう方向性だったんだ。
【高畑】一つ前くらいまでは、海外のオマージュというかパロディというか、みたいな感じだなと思ってたんだけど、これはかなりオリジナリティが強いと思うのね。この形、他で見たことないんだよ。
【他故】うん。
【高畑】すっきりしててカッコいいのを久しぶりに見た。最近はどちらかというとゴツい方向に行きがちだなと思ってた中で、かなり削ぎ落としてきたのがすごく良いなと思っていて。あとね、色がキレイなんだよね。
【他故】軸の色?
【高畑】軸色がさ、黒は普通に良いとして、この黒白も良いじゃない。あとは、このくすんだ青系かな? この色と、ピンクが2色あるんだよね。濃いピンクと薄いピンクがあって、この色の選び方も絶妙に上手いなと思っていて。なので、今っぽい手帳に合わせやすい。で、クリップがゴールドで、かなり良い感じ。
【きだて】今、ロフトの販売サイト見てんだけどさ、フェルメールブルーって名前なんだね、その青っぽいの。
【高畑】フェルメールブルー、きましたね(笑)。
【他故】やるなー(笑)。
【きだて】お高い名前つけやがって(笑)。
【高畑】まあね(苦笑)。
【きだて】ウルトラマリンかよっていう(笑)。
【高畑】それにしては、ちょっとくすんでる感じはするけどね。もうちょっと青くてもいいかな。
【きだて】本来であれば、もっと鮮やかなね。
【高畑】これは何時間も並ばなくても買えるんじゃないですかね。
【きだて】大阪のフェルメール展、大変だったらしいね(笑)。
【高畑】ボールペン総選挙の「OKB48」とかやってると単色に目が行きがちだし、書き心地云々に関しては単色の良いものがいっぱいあるとは思うんだけど、僕的には今年一番シンプルに刺さったというか、見た時に「わー、これすごい!」って一番興奮したのはこれだったなっていう。展示会とかで見て、一番自分が「良いな」「これは欲しい」って思ったのはこのアンテリックだった。しかも、「何もしてない」って言い方は悪いけど、特殊なインクとか特殊な機構とかじゃなくて、シンプルに形がカッコいいだけなんだけど。もちろん中身はマッハボールだから書き心地はすごく良いんだよ。全然そつなくできていて、書き心地も申し分ないんだけれども、このくらいシンプルな形で、まだオリジナリティがあってかっこいいペンができるんだっていうのが、自分的にはかなりショックでした。
【きだて】我々がボールペンの新製品って聞くと、どこかにケレン味を求めるというか、なにか機能的なアピールしてくんないと困りますよって思っちゃうんだけどさ。でも、こういうのもアリなんだよね。
【高畑】「大人」って感じ。
【他故】本当そう思う。
【高畑】これは普通に使っていて、特に何かあるわけではないけれども、センス良いなってすごく思う。過度に主張してるわけでもないんだけど、他と似てないし、すごく軽やかにデザインされてて、デザイナーの腕が良いなっていうか、カッコいい。
【きだて】スマートさでいくと、ミニよりもフル尺の長さのやつの方をちょっと欲しくなっちゃったな。
【高畑】形はこっちがかっこいいんだけど、M5に合わせてきたっていうのも、やっぱり上手いよね。
【他故】うん、それは分かる。
【高畑】手帳の長さにピッタリ合わせてきてるところが、やっぱり良いなって思うのね。単体で選ぶんだったら、もちろんロングサイズで全然良いんだけど、手帳とかバッグの大きさによっては、このショートサイズでカッコいいやつがあるのは良いなと。で、今は太い方向とか重い方向に振ってるものが大分多いと思うんだけど、むしろそういうのを削ぎ落としていて。多機能ってもうちょっと太いじゃん。
【他故】そうね。
【高畑】多機能のペンって、ちょっと丸っこくなりがちじゃないですか。それをここまでシャープにしたのがすごいなと思うんだよね。
【きだて】で、手帳向けとしては、やっぱりクリップが上に結構ギリギリに付いてるのもいいよね。
【高畑】そうそう、これはなかなか良いんですよ。
【きだて】むしろ、その斜めに切るのがちょっとデッドスペースになってる感はあるんだけど、それはデザインだからいいんだよな。
【高畑】ていうか、ここで真っ直ぐ切ると、多分どこかで支えなきゃいけないから、こっちを切った分、こっちがないと支えも必要だと思うし。あと、ここが後ろに切れてることで、軽やかさというか、形状のカッコよさが出てると思うんだよね。
【きだて】それは分かる。
【高畑】 めっちゃ良いんだよね。お尻がカッコいいペンっていうか、「サラサクリップ」もクリップの前じゃなくて後ろのカーブがカッコいいなっていつも思うんですよ。
【他故】ははは、なるほど(笑)。
【高畑】後ろがカッコいいペンって、僕はすごく好きなんですけど。これなんか特に、逆向きじゃなくてこっち向きに削られてるのがすごくおしゃれだなって思います。
【きだて】ノックノブも含めて、ペンで日常的に一番目にする部位って、ペン立てに立ててる状態のそのお尻の方じゃん。
【高畑】うんうん。
【きだて】だから、そこが気に入らないと、やっぱりつまんないんだよ。
【高畑】そうだね、そこはそうかもしれないね。
【きだて】気に入ったペンって、やっぱりどこかその辺のお尻が気に入ってるペンっていうのはあると思うんだよ。
【他故】それは分かる。
【高畑】もちろん、「ジュースアップ」の多色も良いペンなんですよ。太さ的にはほぼ同じで、必要な機能は全部揃ってますという意味では、全然「ジュースアップ」でいいんだけど、狙ってるところが違うぜっていう感じがすごくあって。あとこのクリップも、ゴールドにロゴが刻印で入っている感じとか、このラインの取り方が本当に美しいなと思って。最近、日本から出てくるもので、プラスチック成型の形の美しさみたいなものだと「アクロ300」とかもそうなんだけど、これはまた新しいタイプだなと思って、ちょっと感動したんだよね。
【他故】これは良いですよ。最初ちょっと話題に出したけど、落としちゃったボールペンっていうのはそれなので(笑)。
【高畑】これを付けてたんでしょ(笑)。
【他故】元々「スナップノート」に付けてて、落としちゃったのがそれ(こちらの記事を参照)。ノートの上のリングに付けてずっと持ち歩いてたんですよ。ちっちゃいノートでもやっぱり多色を使いたいときがあった場合に、すごく便利だったんすよ。
【高畑】3色はいいよね。
【他故】そう。で、これを無くしちゃってショックなんだけど、店頭で見当たらなくて、その代わりに「カーディ」を入れているっていう状態なんですよ。本当は、これがメインペンなの。
――お店で売り切れだったんですね。
【高畑】やっぱりかっこいいからな。普通に売れそうな感じはしてたけど。
【他故】替え芯がめっちゃ短い問題だけあるかなって気もするんだけど。ミニの方はすごい短いんだよね(苦笑)。
【高畑】これ、もしかしたら、「エアプレス」と共用できるんじゃないの?(こちらの記事を参照)
【他故】エアプレス並み(笑)。
【高畑】そういうのはあるけど、M5手帳とかやりたい人は、そこは色々とカスタムしたり、自分で加工すればいいのかなと思う。
【きだて】これはちょっと実物ちゃんと見たいな。
【他故】これ良いですよ、本当に。
【高畑】持ったときに無駄な重さがないのが、また俺的にはすごくハマる感じ。
【他故】これで延々字を書きたっていうことではないんだけど、でも、ちょっと書きたいっていう時にすごく手にフィットするんだよね。軽いっていうのは、すごい良いなと思ったよね。
【きだて】俺は多分、それで書くのはあんまりハマらないと思うんだよ。
【高畑】いっぱい書くんだったら、多分きだてさんはもうちょいグリップがしっかりしてるやつとかが良いよね。
【きだて】そうなんだけど、この後ろの部分をペン立てに立ててちょっと眺めたいのと、斜めの部分の断面を指でちょっとスベスベしたいっていう。
【高畑】ポケットとかに入れたときに、斜めになっている方がこっちに向くんだよね。やっぱり逆じゃない方がキレイなんだよね。
【きだて】そりゃそうじゃん。そっちを見せたいじゃん、やっぱり。
【高畑】そうだよね。それで、さっきも言ったけど、クリップが上の方ギリギリにあるから、あんまりこっちが飛び出さないし、別に引っかからないから、手帳向きっちゃ手帳向きだしさ。もう本当に、今年の手帳まわりでのイチ押しで、ちっちゃい手帳用、大きい手帳用でどっちかみたいな感じかな。多色ペンって、男性的なっていうと今はちょっとダメなのかもしれないけど、どちらかというと機能的な部分でちゃんとしてるよっていう感じのデザインが多いじゃないですか。
【きだて】ギミック感あふれるというか。
【高畑】他のも悪くはないし、これはこれで全然カッコいいんだけど、こうやって並べたときに、これだけ別格のエレガントさを魅せてくる。
【他故】あー分かる、分かる。本当すごいよね。
【高畑】そう。だから「あ、そういえばこういう感じのデザインなかったな」と思って。ちょっと目からウロコ的な。だから、触った瞬間に「わー可愛い」「カッコいい」と思って、ちょっと興奮しましたね。
【他故】うん。
【高畑】大手じゃないところからこういうのが出てくるのも、ちょっと面白いよね。
【他故】そうね。
【きだて】アンテリックって、立ち位置としてはあんまり目立ってないけども。
【高畑】なんだけどね。海外っぽいデザインの影響も受けつつ、品質は日本でやってるからちゃんとしてるんだよね。そんなに大手じゃないんだけど、扱っている感覚はすごくいい。ノックの軽い感じもすごくスムーズで、型がすごくいいんですよね。あと、ボール径がちょっと細いんだよね。なので、多分手帳向き。何ミリだっけ?
【他故】多分0.5㎜だと思う。
【高畑】油性で0.5だから結構細めに出るので、普通に手帳向き。ちっちゃい字がすごくキレイに書けるのね。
【他故】うん。
【高畑】だから、手帳選びとペン選びはセットで考えたいなと思う。
【他故】あ、そっか。これ正式の発売日は9月27日だ。
――これから出るんですね。
【高畑】ロフト先行販売で、明日が多分普通の店頭発売日だから。他故さんが手に入らなかったのは、ロフトがもう売り切れてるだけで。
【他故】他はこれからなんだね。
【高畑】多分、明日普通に店に行ったらあるんじゃないかな。別に、大して高くないんだよこれ。
――うん。700円ぐらいですものね。
【高畑】だから、3色ペンとしても、今で考えると割と普通の値段なので。
【きだて】普通だね。
【高畑】だから、全然アリだと思うし。プラスチックだけど、そんなに安っぽい感じがしないんだよね。なので、気楽に使えていいなと思う。
【きだて】今度実物を見に行きます。
【他故】一度見てみてくださいな。
【きだて】正直、ここしばらくは見た目でボールペンを買ってないからなー。
【高畑】ほら、機能があるやつの方がさ、「ここがすごい、あそこがすごい」って書きやすいし、説明しやすいんじゃない。
【きだて】そうなんですよ。
【高畑】でも、たまには「うわ、形にしびれるわー」っていうのもいいよね。
【他故】うん、すごく分かります。
プロフィール
高畑 正幸(たかばたけ まさゆき)
文具のとびら編集長。学生時代に「究極の文房具カタログ」を自費出版。「TVチャンピオン」(テレビ東京系列)の「文房具通選手権」では、3連覇を達成した。サンスター文具に入社し商品企画を担当。現在は同社とプロ契約を結び、個人活動も開始。弊社が運営する文房具のWebマガジン「文具のとびら」の編集長も務めている。著書は『究極の文房具カタログ―マストアイテム編―』(ロコモーションパブリッシング)、『究極の文房具ハック』(河出書房新社)、『そこまでやるか! 文具王高畑正幸の最強アイテム完全批評』(日経BP社)、『文具王 高畑正幸セレクション 一度は訪れたい文具店&イチ押し文具』(監修/玄光社)、『究極の文房具カタログ』(河出書房新社)、『文房具語辞典』(誠文堂新光社)と、翻訳を手がけた絵本『えんぴつとケシゴム』(KADOKAWA)。新著は『人生が確実に幸せになる文房具100』(主婦と生活社)。
https://bungu-o.com/
きだて たく
小学生の時に「学校に持っていっても怒られないおもちゃ」を求めて、遊べる文房具・珍妙なギミックの付いた文房具に行き当たる。以降、とにかく馬鹿馬鹿しいモノばかり探し続けているうちに集まった文房具を「色物文具=イロブン」と称してサイトで公開。世界一のイロブンコレクターとして文房具のダメさ加減をも愛する楽しみ方を布教している。著書に『イロブン 色物文具マニアックス』(ロコモーションパブリッシング)、『愛しの駄文具』(飛鳥新社)など。
色物文具専門サイト【イロブン】http://www.irobun.com/
他故 壁氏(たこ かべうじ)
小学生のころから文房具が好きで、それが高じて文具メーカーに就職。ただし発言は勤務先とは無関係で、個人の見解・感想である。好きなジャンルは書くものと書かれるもの、立つ文房具と薄いペンケース。30分間文房具のことしか語らないトーク番組・775ライブリーFM「他故となおみのブンボーグ大作戦!」パーソナリティ。たこなお文具情報室所属。
「他故となおみのブンボーグ大作戦!」番組ホームページ https://daisakusen.net/


