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【連載】他故となおみのブンボーグ大作戦!Bootleg  #45 ゲルインキボールペン40周年!懐かしのあれがノック式で出た!!

ふじいなおみ

30分間、文房具の話題だけをお送りするラジオ番組「他故となおみのブンボーグ大作戦!」のパーソナリティ「なおちゃん」こと、ふじいなおみです。

番組では毎週たくさんの文房具が登場します。その中から、他故さんとなおちゃん2人で選んだ商品をピックアップ。より掘り下げてご紹介していきます。

今回は、2024年12月01日OA の「なおちゃんの使ってみた」でご紹介しました、サクラクレパスの「ボールサイン® ティアラ® ノック」をご紹介します。

あの頃のワクワクがよみがえる

photo1.jpg従来の「ボールサイン ティアラ」



今回番組で紹介した商品は「ボールサイン ティアラ ノック」という商品です。その元になった商品が上に写真がある「ボールサイン ティアラ」です。メーカーのリリースによると「2000年に発売後1年間、国内外で4600万本以上の売り上げを記録した」サクラクレパスが発売した大ヒットラメ入りボールペンです。誕生石をモチーフにしているゲルインキボールペンで、キラキラした筆記線は当時の女子中高生を中心とした方々を夢中にさせたのです。

水性ゲルインキボールペンが生まれて40年

OKB48(お気に入りボールペン総選挙)でも人気の高さを確認できるゲルインキのボールペン。初めて世の中に出てきたのは40年前の1984年のこと。「ボールサイン280」という製品が元祖。ゲルインキは水性インキと油性インキの長所を併せもったインキとして生まれ、それを開発したのがサクラクレパスなのです。

photo2.jpg「ボールサイン ティアラ ノック」は10色展開になりました


そして今回「水性ゲルインキボールペン生誕40周年」を記念して発売されたのがノック式になった「ボールサイン ティアラ」。つまり、「ボールサイン ティアラ ノック(以降、ティアラノック)」です。

photo3.jpg左が従来のキャップタイプ(ティアラ)/右が限定のノックタイプ(ティアラノック)


ボールサインの見た目の特徴というと、頭が丸くなっているキャップ。ティアラノックはこの形を踏襲してデザインされています。あまりに完璧な再現で、何度かノック部分(キャップに見える部分)をなおちゃんは外そうとしたのは内緒です。

photo4.jpg現行のキャップタイプ(ティアラ)/上:限定のノックタイプ(ティアラノック)

全体像はこんな感じです。
キャップ式とノック式なので、丸いキャップ(形のもの)がついているのが逆さまになるのですね。

ボールサインのデコレーションペンシリーズ

ゲルインキには、他の物質を混ぜ込むことができるため、「ボールサイン ティアラ」のようにラメフレークを入れたものをはじめ、メタリックな色にしたり、黒い紙に書くことができるように工夫をした時期がありました。その結果、サクラクレパスからは素敵な【デコレーションのできるボールサイン】が7種類発売されました。

「これはぜひ体験せねば!」なおちゃんは誰にも頼まれていない責任感を胸に、販売されているものはお店で購入、残念ながら廃番品になってしまったものはフリマアプリで購入しました。

photo5.jpg1997年発売の「ボールサイン80 キララ」

「ボールサイン80 キララ(1997年発売)」※廃番品
ラメのキラキラというよりもメタリックな方にベクトルを振ったペンでした。
こちらはすでに廃番品。黒い紙や写真などにも描ける(時代はプリクラ全盛期!!!)という特長を持っていました。


photo6.jpg1998年発売の「ボールサイン80 フチドール」

「ボールサイン80 フチドール(1998年発売)」※廃番品
ボールサインのデコレーションペンシリーズで私が最初に知ったのがこのフチドールです。残念ながら廃番になっているのですが、手に入れた時にはまだ文具店で購入できました。線を引くと、すぐに筆記線上に銀色のホワホワーとしたものが湧いてきます。結果、元のペンの色で銀色が縁取りされているように見えます。

このペン、こんな遊び方も。

photo7.jpgこの世代の女の子ならきっとしたことがあるはず!!

好きな言葉を書いて上からフチドールで塗りつぶすと、銀剥がしの真似っこができます。
「消しゴムで消すと書いた文字が読める」この仕組みで秘密のメッセージ交換をされた方も多いかもしれませんね。



photo8.jpg2000年には前述の通り「ボールサインティアラ」が発売されました

「ボールサインティアラ(2000年発売)」
このように写真を撮るとそこまで感じないのですが、実際に筆記したものに斜めから光を当ててとると大量のラメが「これでもか!!」と入っていることがわかります。

photo9.jpg本物はもっとすごいから、ぜひ試していただきたい!!

こちらは別の時に描いた作例ですが、本当にキラキラなのです。
「ボールサイン ティアラ」を元に「ティアラノック」が作られたので、このキラキラも受け継がれでいます。


photo10.jpg2002年発売の「ボールサイン80 ムーンライト」

「ボールサイン80 ムーンライト(2002年発売)」
蛍光色のように鮮やかな色で、黒い紙にも描けるこのペン。赤紫〜オレンジあたりの色のバリエーションが豊富で、そこも愛らしいです。元気がない時にはこのペンを使えば解決しちゃいそうです。



photo11.jpg2003年発売の「ボールサイン アクアリップ」

「ボールサイン アクアリップ(2003年発売)」※廃番が決まったそうです
プルルンとしたくちびるを想像する、透明感のある少し膜が張ったような筆記線のペン。
マニキュア(特にお子さん用の剥がせるタイプ)の仕上がりにも似ていると私は感じています。

実はこちらのペンは、インク沼の方にもチェックしてほしい働きがあって……

photo12.jpg透明色(グロスクリア)で描いた上を万年筆インクで綿棒を使って塗りました

「インクを塗るときに白抜きにしたい」という欲望を持っているインク沼人はたくさんいらっしゃると思います。私もSNS投稿で拝見して知ったのですが、「グロスクリア」という透明な色で文字や絵を書いて上から万年筆インクを塗るときれいに筆記線だけが白抜きされます(より正確にいうと紙のベースの色に抜けます)。


photo13.jpg2004年発売の「ボールサイン スフレ」

「ボールサイン スフレ(2004年発売)」
ムーンライトやアクアリップのようなパキッとした色に対して柔らかい色味を持つのが「ボールサイン スフレ」。プラスチックのケースに文字を書くこともできます。少し乳白色がかっている柔らかい色。書いた後も少しふっくらとするのかな? 2004年は携帯から始まって、さまざまなものをデコレーションするのが流行った時期だった気がします。時代にぴったりとあった商品だったのでしょうね。



photo14.jpg2005年発売の「ボールサイン ラグジェ」

「ボールサイン ラグジェ(2005年発売)」※廃番品
「ボールサイン フチドール」は銀色が一緒に現れて銀色の筆記線の外側にペンの筆記線が出て縁取りされますが、ラグジェは同じような仕上がりで、金色バージョンとも感じられます。上の写真は「ゴールドブラック」という色なのですが、塗り塗りすると完全に金色! ちなみに塗った上からマスキングテープを貼って剥がすと、昔、少女漫画誌によくあった「銀剥がしゲーム」みたいに粘着面にゴールドが剥がせます。

この7種類の中で残念ながら廃番になってしまった商品がある一方、今でも販売されているものがあります。
それが、
 ・「ボールサイン ティアラ」
 ・「ボールサイン80 ムーンライト」
 ・「ボールサイン スフレ」
の3種類です。平成レトロと言われるであろう、このような映えるペン。種類は減ってしまいましたが、残っているものは長く販売を続けられるように応援したいです。

デコレーションペンに今はまる

大人になって比較的自由にお金を使えるようになった時に「ボールサイン80 フチドール」と出会いました。「フチドール」という名前なのは、「縁取り」ができるペンだからと想像できたのですが、

「線を書くと勝手に縁取りができるというのはどういうこと??」

そんな気持ちで買って試してみるととても楽しい。大人の自分の中に眠っていた子どもの自分が目覚めたかのように夢中になりました。このティアラノックをきっかけに、またボールペンデコブームが来ないかなと期待をする筆者です。

ブンボーグ大作戦!こぼれ話

12月15日の放送で限定発売のお知らせをいたしました、「ブンボーグ大作戦!お年賀2025」。
無事に準備していた数すべてをご購入いただきまして、リスナーさんの元へお届けすることができました。

その中には他故さんとなおちゃんの「口ぐせ」スタンプを2個入れました。
一つは他故さんが毎日寝る時にSNSに投稿する「ではね〼」とイラストを入れたスタンプ。
もう一つはなおちゃんの座右の銘でもある、母校である札幌西高校の「西高実行精神」という言葉です。

photo15.jpg口ぐせはんこ


とても小さい字も細い線も再現できていて、他故さんと二人「すごいねー、いやぁすごいねー」とお話ししていました。

プロフィール

【ふじいなおみ】
1979年北海道札幌市生まれ。ラジオパーソナリティ/文房具プレゼンター
ナナコライブリーエフエムで放送中のラジオ番組「他故となおみのブンボーグ大作戦!」のパーソナリティ及び制作・技術を担当。万年筆インク(中でもご当地インク)コレクター。
他故壁氏さんとユニット「たこなお文具情報室」として、文房具の楽しさを伝える活動を行っている。
2015年生まれの娘とともに知育・学童文具を使用しているため、リアルな声を届けられる数少ない存在である。
そして、きだてたくさんと色物文具をひたすら紹介する動画コンテンツ「イロブンの引き出し開けていこう」もYouTubeにて配信中。

【他故となおみのブンボーグ大作戦!】
埼玉県朝霞市のコミュニティFM「ナナコライブリーエフエム」にて放送中の30分間文房具の話題だけをお送りするラジオ番組。
パーソナリティーは他故壁氏&ふじいなおみ。
放送時間は毎週日曜日19:30~20:00/毎週水曜日 11:30~12:00(再放送)
FMラジオ77.5MHz(埼玉県朝霞市・志木市・新座市・和光市とその周辺地域)の他、パソコンやスマートフォンではListenRadioのサービスを利用すると気軽に聴くことができます。

詳しい聴き方は番組Webページへ
https://daisakusen.net/howto/

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