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【ニュース】パイロット本社で「蒔絵で描かれた生きもの展」開催中

文具のとびら編集部

パイロットコーポレーションは、東京・京橋の本社1階エントランスギャラリーで、「蒔絵で描かれた生きもの展」の展示を2025年6月2日(月)から9月30日(火)まで行っている(土日祝日・夏季休業日は休館)。見学は無料。

生き物を描いた52点の作品を展示

同社の蒔絵万年筆に描かれているのは、日本を象徴するような自然や文化を描いたいわゆる大和絵と呼ばれるものや、縁起の良い吉祥柄などが中心だが、動物や鳥、魚、昆虫など生き物を描いたものも少なくない。同展では、自然の中で活き活きと生活する動物や昆虫など、さまざまな蒔絵技法や沈金技法を用い表現した52点の作品を展示。美しく仕上げられた万年筆のほか、シガレットボックスなども展示している。うさぎや鶴などのおなじみのモチーフから、蒔絵ではあまり絵お目にかかれない生き物も描かれており、その幅の広さに見ていて感心する。

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「朱鷺」(右写真/2008年)は、同社創立90周年記念万年筆。この年にトキの野生復帰に向け放鳥が行われたことからこの絵柄が選ばれたという。朱鷺を研出高蒔絵と卵殻で表現した。「荒磯」(左写真/1990年)は、人間国宝の蒔絵作家・寺井直次氏の作品。

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色彩鮮やかなこの2本の万年筆は、動物保護などのメッセージが込められている。「北極熊」(右写真/2009年)は、2006年にホッキョクグマが絶滅危惧種に指定されたことを受けて描かれたもの。「象」(左写真/2022年)は、アフリカ象を描いたもの。アフリカのサバンナでは、密猟や生息地の減少により、象が絶滅の危機に瀕しているそうで、そのような状況の改善を願って象をモチーフとしたという。ちなみに、キャップにはサバンナの夕暮れ時の情景を描いているそうだ。

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ゴージャスで美しいこの2本は、どちらも「ダンヒルナミキ」ブランドの蒔絵万年筆。右写真は「海亀」(2010年)、左写真は「翡翠(かわせみ)」。

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右写真は「キングコブラ」(2001年)、左写真は「シャーク」(2004年)。どちらも海外で好まれるというダイナミックな絵柄となっている。ちなみに、「キングコブラ」は巳年にちなんで出されたものだという。

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右写真は「登竜門」(2017年)。滝を登る鯉を描いたもので、立身出世にもつながる縁起の良い絵柄でもある。左写真は「瓢箪鯰(ひょうたんなまず)」(2008年)というユニークなモチーフ。瓢箪鯰とは、鯰を瓢箪で捕まえようとする意味で、捉えどころ・つかみどころのない事に引用される。キャップには瓢箪が6個描かれているが、これは「無病(6瓢)息災」の語呂合わせにもなっているという。

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ふくろうを描いた万年筆も何本か展示されている。ふくろうは「不苦労」で縁起の良いモチーフとなっているそうだ。どちらの万年筆も作品タイトルは「梟」(右写真のものは年代不詳、左写真のものは2015年)だが、作者によってふくろうの表情や雰囲気が異なっているのが面白い。展示をご覧になる際は、ぜひ見比べてほしい。

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蒔絵万年筆だけでなく、沈金万年筆も展示。左の万年筆もふくろうがモチーフだ。

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