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【連載】車椅子ライターから見た 弱い力でも使いやすい文具たち #58「片手で使えるブックスタンド」

波子

本棚から本を取り出したあと、同じ場所へ戻すとき。
隣の本が倒れてきていて、本を持たない方の手でそれを起こしてから戻したことがありませんか?
勉強机や事務机にノートなどを立てて並べたとき。
ブックエンドを複数つかって仕切っても、取り出す度に隣が倒れてしまって同じ位置に戻せず、後から「あれどこにしまったっけ」となったことがありませんか?
私は、あります…。

そもそも、今の私は、並べた本やノートを戻すときに、できれば片手でしまいたいのです。
何故なら、左手は体幹を支えるために床や机につくか、本などを持つ右手を伸ばすために支えたいから。
斜めに倒れた本は、差し入れる本の角を隙間に潜り込ませるようにして起こしたりもしますが、なかなか簡単にいかず、結局は両手を使う羽目になります。

今回ご紹介するのは、片手で本などをしまいたい私にとって、救世主と言えるブックスタンドです。

LIHIT LAB.「1冊でも倒れないBOOK STAND」

202301namiko1.jpgLIHIT LAB.「1冊でも倒れないBOOK STAND」。ジョイントで連結もできる


LIHIT LAB.の「1冊でも倒れないBOOK STAND」は、その名の通り、本を1冊だけ収納しても倒れない仕組みになっています。

202301namiko2.jpgスタンドは底と奥の壁を繋いだL字型をしていて、何も置いていない状態では奥の壁上部のストッパーが手前に倒れています。



202301namiko5.jpg

本を立てるとその幅だけストッパーが起き上がり、本の左右は倒れたままになるため、1冊でも倒れず支えられるのです。
ストッパーはとても軽く起き上がるので、ただ本を棚へ戻す感覚で置くだけ。余計な力は要りません。



202301namiko7.jpgこのように、押された幅の分だけ抵抗なくストッパーが起き上がる



202301namiko8.jpg

厚めのノートやタブレットもしっかり支えてくれます。推奨サイズは文庫本や新書、A5(ハードカバー)サイズですが、B5サイズのノートや、A4サイズのファイルも立てられました。
ただ、薄くて柔らかいもの(クリアーホルダーなど)を支えるのは難しいかもしれません。


202301namiko10.jpg一般的なB5サイズのノートやA4サイズのファイルも立てられた


裏側には滑り止めがあり、しっかりと固定されて安定感があります。
また、複数連結して使うことも可能です。
本棚に並べて使うのも良し、デスクでノートや手帳を立てるのに使うのも良し。とにかく「片手でサッと取り出して同じ場所に難なく戻す」を叶えてくれます。

202301namiko11.jpgもちろん本を1冊抜き取っても残りをしっかり支えてくれる。両端のストッパーは必ず倒して使う



私はこの1年、居間で過ごす時間が増えたため、テーブル横にワゴンを置き書類やノートを並べて収納しています。
なので、取り出す度に隣のノートが倒れたり、ファイルが広がって隙間がなくなり元の位置に戻しにくくなったりするのを、毎日のように体験していました。
このブックスタンドで、その小さなストレスが軽減されることが、心から喜ばしいです。

プロフィール

波子
1974年生まれ。脊柱側弯症、先天性ミオパチーのため、2006年に杖歩行となり、2012年から車椅子、2014年12月から簡易型電動車椅子を使用。便利な道具や文具が好き。
奈良県奈良市で生まれ育ち、大阪・東京での暮らしを経て現在奈良市在住。
産経新聞奈良版および産経WESTにて連載「車いすでみるなら」2015年2月~2019年5月、全70回。
ブログ「車椅子、ときどき杖。」http://nam-kid.hatenablog.com/
初の著書『弱い力でも使いやすい 頼もしい文具たち』を2022年10月25日に小学館から発刊


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