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【連載】車椅子ライターから見た 弱い力でも使いやすい文具たち #43 「くっつくペーパーリボン」

波子

ラッピングする機会はあまりないので、いざやろうとするとうまくできない私です。
一方で、ケーブルなどをまとめるときに使う結束用の針金(ツイストタイとかビニールタイなどと呼ばれるもの)も、たまに扱うのが難しく感じる私です。

そんな私が、その両方をサポートしてくれる文具に出会ったのでご紹介します。

ビバリー「まほうのペーパーリボン」

202109namiko1.jpg「まほうのペーパーリボン」。柄は左からホッピンドット、クラシックミモザ、シトラスL。




ビバリーの「まほうのペーパーリボン」は、その裏側同士を合わせて圧着するとくっつく、紙製リボン。
他のものに触れてもくっつかないため、ラッピングしたい袋や箱、束ねたいコードに巻き付けてもべたつきません。
12mm幅が6柄、20mm幅が2柄、いずれも長さは12m。今年7月に発売されました。

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外装の裏側に、紙製テープカッターが付属しています。
取り外すと説明書きがあるので、折り目をつけてから装着します。

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紙製でギザギザもないので、手で触れても危なくないのが安心。カットしたい箇所で上から親指で押さえ、リボンを当てて簡単にカットできます。

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このカッター、装着するのに最初とても苦労しました。私が不器用なだけかもしれませんが、裏側でスリット同士をかみ合わせるのがなかなかうまくできなかったんです。とりあえず何とか装着はできましたし、太い方は比較的楽でしたが、もし「ちょっと難しいかも」と思われた場合は、マスキングテープなどに装着するタイプのカッターでも代用できます。

私はコクヨの「カルカット クリップタイプ」を使ってみました。厚みがあるため挟むのがギリギリではありますが、うまくカットできます。

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電源コードを束ねてみましょう。

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リボンは余裕を持ってカットしておき、巻き付けて圧着します。きっちりとリボンの幅を合わせられなくても、はみ出した裏面はべたつかないので、そんなに気にしなくていいのも嬉しいところ。
この「はみ出してもべたつかない」というのが思った以上にストレスフリーなんです。
私は見出しシールなどもピッタリ合わせられず、ちょっぴりはみ出た粘着面に指が触れてべたついたりホコリがくっついたりすることがありますが、くっつかないこのリボンなら無造作に合わせても大丈夫。ある程度の面で接着できていれば問題ありません。頼もしい!


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とはいえ、今回は両手でしっかりと合わせて貼り付けてみました。最初は指でつまんだところだけ軽く圧着し、この時点でずれていたらはがして貼り直せます。

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問題なければ、つまんだ指を滑らすようにリボンを圧着させ、たるんでいたらコードに近い方をキュッと締め付けるようにつまんで締め付けます。

解きたいときは、破きます。ペーパーリボンなので、かんたんに破れますよ。

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ただ、毎回破いて解くことになるため、再度束ねたいときに新しいリボンと交換する必要があります。
ビニールタイなら、解いて一旦おいておいたものをもう一度使えますから、使う頻度の高いものはそちらの方がいいのかも。

202109namiko15.jpgコード以外に、ペンなどをまとめたいときにも。輪ゴムが扱いにくくなってきたところだったので嬉しい




ラッピングに使うときは、リボンを圧着するときにきっちり合わせたいので、ちょっと難度が上がります。

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箱にクロスになるよう巻き付け、交差部分にシールを貼ったり。
箱に巻いたリボンに短いリボンを巻き付けてみたり。
袋の口を束ねたり。
貼り合わせたリボンの端は、ハサミでカットするときれいに見えますね。

20mm幅のリボンは文字を書き込むスペースがあり、メッセージやメモが書けます。
油性マーカーは問題なく書けましたが、水性マーカーやゲルインクボールペンはやや弾かれるようです。とはいえ、乾けば読み取れます。
鉛筆も、リボンの薄い水色の上ではちょっと滑って書きにくいと感じました。

202109namiko18.jpg水性マーカーはクリッカート、ボールペンはユニボールワンで書いた




扱いやすさと天秤に掛けたり、使う頻度と相談したり。
「ここにはこちらの方が使い勝手がいいな」という選択肢が増えるのは、とてもすばらしいことだと思います。

プロフィール

波子
1974年生まれ。脊柱側弯症、先天性ミオパチーのため、2006年に杖歩行となり、2012年から車椅子、2014年12月から簡易型電動車椅子を使用。便利な道具や文具が好き。
奈良県奈良市で生まれ育ち、大阪・東京での暮らしを経て現在奈良市在住。
産経新聞奈良版および産経WESTにて連載「車いすでみるなら」2015年2月~2019年5月、全70回。
ブログ「車椅子、ときどき杖。」http://nam-kid.hatenablog.com/

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