三菱鉛筆の「EMOTT」は、40色ものバリエーションがあるカラーペン。0.4mmの水性ペン（耐水性顔料インク）で、色合いは5色ずつ、8つのグループ分けがなされています。NO.1は「VIVID COLOR」、NO.2は「PASSION COLOR」、NO.3は「VINTAGE COLOR」…というように。
単品でも購入できますが、5色、10色、40色のセットでも販売されていて、セットにはそれぞれスタンドやケースがついてきます。
私が購入した5色セットは各カラーグループ毎のセットになっており、スタンド付き。カラーは好みだった「NO.8 RETORO COLOR」を選びました。ストローイエロー、アップルグリーン、ブルーグリーン、アイリスパープル、レッドワインです。

普段ならいきなりこうしたセットでの購入はしない私ですが、今回最初から5本買うと決めたのには理由があります。
このEMOTT、軸の断面が「角の丸い四角」の形をしているんです。
今までこの連載を20回続けてきた私の勘が告げていました。こいつは安定して持てるヤツだ、と。

細い軸が持ちにくいのは、しっかりと握るために力が要るからです。しかし、EMOTTの軸には平らな面があります。これが、さほど力を込めて持たなくても手の中で滑らず安定してくれるのです。
角は丸くなっているので、指に当たって痛いということもありません。
勘が的中して、ひとり満足していた私です。

ただ、さすがに長時間の筆記には向かないかもという気はしています。さほど力を込めなくても安定させられるとはいえ、軸の太いペンや、筆圧がほぼ不要な筆ペンに比べると、ある程度の力は要ります。つまり、疲れてしまうんですね。
でもまあ、カラーペンですし、1本をずっと使って長い時間書くということは少ないかと思いますので、あまり心配はしていないのですが。

5本セットのスタンドからペンを引き抜くときにやや力が要ります。特に内側の3本をほかのペンが刺さったままで抜き取るのは少し難しいかも。摘まむ力が弱い私は苦労しました（何度か抜き差ししているうちに慣れてきたのか抜きやすくなってきた気はします）。
10色や40色セットのケースなら、そういう力は要らなそうですね。
あっ、でも差し込む時の感触は気持ちいいですよ。カチッとはめ込む感覚が手に伝わってきます。こちらもやや力は必要ですけれども。

手に持つ感触のことばかり書いてきましたが、EMOTTでもうひとつ私がとても気に入ったのは、独特の書き味です。それは、このペンの大きな特徴である「ペン先の周囲がプラスチック素材のアウターで覆われている」ことによります。長く使い続けてもペン先がへたらないのはもちろんすばらしいですし、ミリペンのような細字が書けるのにもかかわらず、運筆が安定するのです。

カラーによって線の太さに違いがあるように感じた。上からレッドワイン、アイリスパープル、ブルーグリーン、ストローイエロー、アップルグリーン。

描線幅は0.4mmとのことですが、カラーによって太さにやや違いがあるように感じました。私が購入した5色の中では、レッドワインがやや太め。インクがたっぷり出てくれるような感触なので、早く筆記するにも使いやすかったです。逆に、アイリスパープルはかなり細い線で、細かい文字もうまく書けました。

ぜひ一度、好みの色を試してみてください。